※今回の親王誕生を機に、旧掲示板の過去ログの中から当該関連の拙稿を抜き出して、一部編集の上、ここに再掲しておきます。「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」というのは福沢諭吉の言葉です。実際にはこの言葉には言外の裏話も色々ある様ですが、言っている事自体は正論です。旧態依然の封建的身分制度によって一番苦しんでいるのは、案外その当人だったりして。
「皇室典範改正問題」雑感
投稿者:社会主義者 投稿日: (2006年)2月13日(月)00時05分25秒
今回は新ジャンルに挑戦してみましたw。標記の件は、はっきり言って私にとっては「どーでもよい」問題なのですが、世間が余りにも喧しいので、それに釣られて少し書いてみる事にしました。私がこの様な「お題」について書く事は、多分もう後にも先にもこれが最後でしょう。
まずは、基礎知識の入手から。 女性天皇と女系天皇の違いについて。とりあえず「皇室典範に関する有識者会議」の報告書の内容に沿って考えてみました。
要するに、「今の天皇の血筋は、男の子にはずっと継承される」「女の子の場合は、今の天皇が直接産んだ子にしか血筋が継承されない」という事かな。だから「女子の場合でも、天皇が直接産んだ子供(直系第一子)に限っては天皇の血が混じっているから、次の天皇になる資格はあるが、それ以外の女の子については一切天皇になれない」のに対して、「男の子の場合は天皇の血筋が連綿と受け継がれるから、代々天皇になれる資格はある」という事らしい。何か、判ったようで判らんような判ったような。それを踏まえた上で、直系優先、長子(年長者)優先で次の天皇になれるという事らしい。昨日ぐらいまでの時点では他にもいくつか判り易い説明の資料がアップされていたと思いますが、さっき見たら見当たらなかった。ひょっとして削除されたのか。
しかしまあ、やれ秋篠宮(これって紀子さんの事やったんだね)がご懐妊だ何だと、一人の女性について、その人が日々どう思いどういう人生の抱負を抱いているかといった事などハナから無視して、戦前の家父長制と同じ感覚で、まるで「子供を生む機械」としてしか見ず、一挙主一投足まで注視(監視)する風潮は、流石に如何な物かと思いますね。これって完璧な人権侵害では。可愛そうに、私なら耐えられませんね。少なくとも今の民主主義的感覚とは全然相容れません。皇族に対する扱い(神聖視)こそ腫れ物に触るような対応(まるで将軍様と同じ)ですが、慇懃無礼なだけで、やっている事(隔離・監視)は強制収容所と同じでは。これでは北朝鮮の事を言えませんね。
やれ「血統が途絶える」だの何だのと、まるで横溝正史の「犬神家の一族」の世界じゃん。「途絶える」ならもう無理に継承しようとせず、当事者の意思に任したらどう。子供を産む産まないも、皇籍離脱するしないも、完全に当人の自由という事で。それで天皇制が自然消滅しても、別にそれで良いじゃん。あんな前近代の封建的身分制度を、21世紀以降も引きずっている方が寧ろ異常なのです。しかも、戦争責任のケジメもつけないで曖昧にしたまま、ずるずると。
元号なんてのも、昭和から平成に切替わる時に、思い切って廃止してしまえば良かったのです。私は、仕事でも生活でも今まで殆ど西暦を使ってきましたから、今が平成何年とか言われても正直言ってピンときません。だから、運転免許の更新を忘れるのではないか、非常に気掛かりです。天皇制もそれと同じ。それでもどうしても存続させたいというのなら、最低限、当事者を一人の人間として遇すべきだと思う。少なくとも、日本国憲法に保障された人権は彼らにも与えられて然るべき。その為にも、天皇制なんて前近代の遺物ともいうべき封建的身分制度は廃止すべき。
戦争責任に関して言えば、本来ならば前代の昭和天皇が身を以ってきちんとケジメをつけるべきだったのです。しかしその当人がもう亡くなってしまったので、今の天皇・皇后についてはどこまで責任を負うべきなのか、私には何とも言えません。それよりも、今の政治反動や軍国主義復活の目を封じ込める意味でも、天皇制なんてトットと廃止してしまってブルジョア共和制の「普通の国」にしてしまえば良いのに。
それでもどうしても天皇制を残しておきたいというなら、もっと今の憲法や民主的感覚に合う様なものにすべきでしょう。家父長制や男尊女卑など、以ての外。いっその事、今の皇族を皇居と京都御所とセットにして、バチカン市国やサンマリノ共和国みたいに独立させてしまうというのは、どう? 国家予算(皇室経済費)は切手や観光収入で補うという事で。但し靖国神社はそれらにも含めず、廃止・解体する。
国民的議論というなら、こういう事まで議論すべき。それを、やれ「政争の具にするな」とか何とか言って、密室だけでコソコソやっている。そんな事言うくらいなら、「皇室典範改正問題」なんて最初から持ち出してくるな。
(関連記事)
・親王さまご誕生 秋篠宮ご夫妻第3子 皇位継承順第3位(産経新聞)
http://www.sankei.co.jp/databox/imperial/imperial-n/imperial0906.html
上記マスコミの報道を見る限りでは、世の中はまるで祝賀ムード一色みたいですが、実際には、その日1日の街の表情も普段と全然変わりませんでした。親王誕生の件も、新聞を見て初めて、「そう言やあ、そういうニュースも在ったんだ」 と気付いたぐらいで。案外下記のブログ記事に書いてある事の方が、実際の市井の反応に近かったりして。
・日本一可哀想な赤ちゃん(アッテンボローの雑記帳)
http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2006/09/post_e6ab.html#c9540868
北朝鮮・拉致問題を専門に扱うサイト・掲示板(所謂「拉致板」)の一つに、沢村圭一郎さんのサイト「拉致の背景」があります。当該HPの他に掲示板「声よ届け!波濤の彼方に!!」(通称:波板、沢村板)とブログ「草履編む日々」を併設しています(それぞれ下記URL参照)。
・「拉致の背景」 http://www11.ocn.ne.jp/~rachi/index.htm
・「声よ届け!波濤の彼方に!!」 http://6827.teacup.com/sawamura/bbs
・「草履編む日々」 http://blog.livedoor.jp/nakasendou/
実際に彼のサイト・掲示板を見てもらえれば分かりますが、私とは全く思想を異にするサイトです。「拉致問題と北朝鮮の人権問題の解決」と「拉致被害者の支援」という二点を除けば。彼のサイトとは、2002年の拉致問題顕在化を契機にお互いにネットで知り合うようになり交流を続けていたのですが、その後はやはり思想上の違いもあり、沢村板の一部常連の投稿が引き金となって、2005年以降は事実上の断交状態が続いていました。
それが何故今回また彼のサイトへのリンクを復活させたかというと、今回の私のサイトにおける旧掲示板閉鎖という事態に対して、思想もサイト・掲示板の性格も異なる上にそれまでの経緯があるにも関わらず、わざわざ自らの波板において、拙掲示板に対する惜別の辞を載せてくれたからです。ただそれだけです。それ以上でも、それ以下でもありません。
それに対しては、「何だ、たったそれだけの事でリンクを復活したのか」「何て単純で現金な奴なんだ」と思う人もいるでしょう。また中には、「旧掲示板で今まで散々、拉致板に対して『ラ帝』『ラチラチ詐欺』と罵倒していた事と、どう整合性を付けるのか」と訝しがる人もいるでしょう。それぞれ尤もな疑問だと思います。
しかし、やっぱり人との付き合いの上で最後の決め手になるのは、その人の人間性だと思うのです。いくら思想が同じで立派な事を言っていても、裏に回ればいい加減な事をやっていたり人を見下したりするような人物は、やっぱり信用出来ません。これは現実世界だけの事には止まりません。ネットでも、現実世界におけるその人の人柄が、得てして滲み出てくるものです。
そういう点で言うと、彼の掲示板の運営における、不規則発言への厳しい対処姿勢については、思想的には相容れない部分が多かったにも関わらず、私は少なからず評価していました。たとえ自分の立場に親和的な内容の意見であっても、荒らしや煽り、モラルを逸脱した投稿に対しては結構厳しかったように思います。
それは時として窮屈さを感じさせる場合もありましたし、中には私から見たら公平とは言いがたい場合もありましたが。
いずれにしろ、そういう意味では、自分で言うのも何ですが、私と彼のサイトとは、左右で好対照を成していたのではないか、とすら思っています。私などは、そういう原則的な対応を最後まで貫く事が出来ずに、下手に色気を出してしまったばかりに旧掲示板閉鎖の憂き目にも遭ってしまったのですが。
以上の点も踏まえて考えてみると、彼の前述の惜別の辞は、それなりに彼の心情が吐露された、虚偽や打算の無いものでした。少なくとも私は、ことこの件に関してはそう思います。
ただ、お互いの思想上の立脚点や、サイト・ブログ・掲示板の性格の違いも、厳然としてあります。彼のサイト・掲示板は拉致板であり、「拉致問題の解決」「拉致被害者の支援」を第一義に考えていく所です。それに対して私のブログは、先の開設宣言や旧サイトでも明言している様に、「反戦・反リストラ」があくまで根本にあって、「その観点から北朝鮮問題についても向き合う」というスタンスを取っています。具体的には、あくまで「反戦・反リストラ」の延長線上で、「社会主義国」内の人民抑圧やスターリン主義的専制についても向き合っていく―というスタンスです。
だから、拉致板での、「日本再生」や「日本人としての意識の回復」や、況してやブッシュや小泉や安倍や西村真悟などのネオコン・ネオリベ政治家を応援していくなどという主張には、当ブログとしては絶対に組する事は出来ません。また、当ブログはあくまでもそういう問題についても「考えていく」というのがスタンスですので、拉致板のように自らの第一義目的の実現に向かって「声を合わせていく」というスタンスとは異なります。
以上の大前提を踏まえて鑑みると、今後の両者のお付き合いというのは、ある程度限定されたものにならざるを得ないのも事実です。他の左翼系友好サイト・ブログとは違い、あくまでも節度を持ったお付き合いという事になります。
最後に、「ラ帝」「ラチラチ詐欺」規定との整合性について。
私は過去に於いて、拉致板に大なり小なり共通して見られる、《拉致問題が「国民すべての課題」であると言っておきながら、特定の戦争・帝国主義賛美史観や国家主義的主張をその中に巧妙に持ち込んで、それに同意できない者をその「国民すべての課題」から排除する》《そういう拉致板の世界での価値観や基準を、拉致板外のサイト・ブログにまで持ち込んで強要する》傾向に対して、それを「拉致板帝国主義(ラ帝)」「ラチラチ詐欺」と規定しました。
それらの認識については、私は実は今でも、拉致板全般に対しては大なり小なり持っています。ただ例外もあると思います。少なくとも沢村さん個人に対しては、今回の「惜別の辞」を契機に、前記認識については改めたいと思います。
※尚、2005年の沢村板との断交に至る経緯、並びに「ラ帝」「ラチラチ詐欺」規定の詳しい内容については、下記の過去ログを参照の事。
・拉致板との関係清算について改めて表明する-拙板は拉致板の植民地ではない。(1・2)(旧掲示板、同年2月4日付拙稿)
http://afghan2004.hp.infoseek.co.jp/kakolog70.htm
・「ラチラチ詐欺」の記事によせて(1・2)(同上、同2月6日付拙稿)
http://afghan2004.hp.infoseek.co.jp/kakolog70.htm
・光洋シーリング 請負労働者59人 直接雇用を勝ち取った(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-09-02/2006090201_01_0.html
・光洋ST派遣労働者・直接雇用ついに実現!(JMIU)
http://www.jmiu.com/katudou/P20060801.htm
・「偽装請負」労働が製造業で横行 実質派遣、簡単にクビ(朝日新聞)
http://www.asahi.com/special/060801/TKY200607300428.html
・派遣100番
http://www.asahi-net.or.jp/~RB1S-WKT/indexhkn.htm
・フリーターが語る渡り奉公人事情
http://blog.goo.ne.jp/egrettasacra
徳島県に光洋シーリングテクノというトヨタ系列の自動車部品メーカーがあります。そこで働く請負労働者が、約二年前に労組を結成して、低賃金で劣悪な労働条件の是正と直接雇用の実現を会社に求めて闘ってきたのですが、この度そのうちの59人を直接雇用する事を会社に認めさせる事が出来ました(上記しんぶん赤旗・JMIUの記事参照)。
昨今、正社員をリストラしてこれをアウトソーシングの労働者に置き換える動きがますます広がっています。これらのアウトソーシング労働者は、請負と派遣に大きく分かれます。
請負(業務請負)というのは、メーカーの部門・ラインを丸ごと請負った請負会社の社員がメーカーの業務を遂行する仕組みです。この場合、メーカーは請負会社社員に直接仕事の指示をする事はありません。他方、それに対して派遣というのは、メーカーが派遣社員を使って同様に業務を遂行する仕組みで、この場合は派遣社員に対する仕事の指示はメーカーが行います。
この様に請負と派遣とでは業務上の責任の所在が明確に異なるにも関わらず、派遣法の規制(例えば、1年以上経ったら直接雇用に切り替えなければならない、等の)を逃れる為に、形だけ請負として働かされる、そういう偽造請負と呼ばれる違法行為が、大企業も含めた全国の製造現場に広がっているのです(上記朝日新聞記事参照)。前述の光洋シーリングの職場もそのうちの一つで、請負会社の社員が実際は派遣の形で働かされているのです。
そして、企業側の雇用・管理責任の所在が徹底的・意図的に曖昧にされる中で、各種の不当労働行為・不当解雇・労災隠しや、旧サイトでも取り上げたヨドバシカメラ社員による派遣社員暴行傷害・便器舐めさせペナルティなどの、人権侵害事件が各地で頻発している。これが小泉構造改革の下での労働規制緩和の実態です。
光洋シーリングで働く労働者が、所属会社や雇用形態の垣根を越えて、アウトソーシング労働者としては画期的な労組結成にまで踏み出して闘う事で、初めて今回の勝利を勝ち取る事が出来ました。しかし、今回直接雇用を勝ち取ったのは請負労働者全員ではありません。以前から徳島労働基準局による是正指導の対象になっていたり、比較的勤続年数が長かった人に限られています。また企業側は「それらの人たちを業務請負から一旦契約社員にした後に改めて直接雇用に切り替える」旨の事を明言していますが、いざ切り替える段になって急に契約解除にしてしまうとも限りません。せっかく労働争議で和解を勝ち取っても後に企業側が和解条件を反故にしてしまうといった事例も少なくないですから。手放しで喜ぶには未だ少し早い様な気がします。
実は私も、今の偽装でない一応本当の業務請負の職場に辿り着くまでには、何度もこういう偽装請負会社の面接も受けて実際に働いたりもしてきました。
ある請負(実態は派遣)会社の登録説明会では、自分たちの違法行為は棚に上げて、やれ「遅刻はするな、無断欠勤をするな、会社の備品・貸与物は丁寧に扱え」と、求職応募者をまるで子供扱い。挙句の果てには「遅刻したら給与減額などのペナルティもある」などとほざき出したので、そんな会社の説明会などバカらしくてそれ以上聞く気にはなれず、その場で辞退。
またある会社では、その説明会の求人には採用されずに別の現場もあるという事でそちらの方で採用されたのですが、その堺市内の青果市場での輸入バナナの選別作業では、請負(実態は派遣)先の××××(会社名)の社員がエラソーに、自分たちのフォークリフトの運転の乱暴さは棚に上げて、やれ「リフトに近づくな、リフトが来たら自分から避けろ」みたいな訓示を朝礼で堂々とする始末。次の作業に移るまで現場で待機していたら、自分たちの指示放棄は棚に上げての「サボるな!」発言。そして、ある日集合場所に来たら誰も居ず送迎の車も来ず、こちらから請負(実態は派遣)会社に電話して帰って来た返事が「今日は現場の都合で臨時休業」、こういう「臨時休業」が翌日もその翌日も続いた末に、「ウチも××××に振り回されて迷惑してる、何ならもう出勤せずに他を当ってくれても結構」と居直って来たので、貰うべきもの(それまでの賃金)は貰った上で、その会社には完全に見切りを付けました。
それでも未だ私などは可愛い方で、上記リンクの「フリーターが語る渡り奉公人事情」というブログを読むと、更に身につまされるレポートが一杯出てきて、怒りが沸々と湧いてきます。寂れた郊外の外れにあるその派遣会社の寮は二人一組の相部屋で、食事は揚げ物ばかり。寮周辺の住民もそこに寮がある事を誰も知らず、地域や社会との関係を断ち切られた孤立状態の中で、そこで働く労働者は朝早く送迎バスで出勤し深夜に寮に帰り着き、ただひたすら寝て働くだけの毎日。週1日の法定休日もひたすら寝た後はせいぜい自分の身の回りの用事を済ますだけ・・・。その上の「派遣100番」のサイトで必要最小限の法律知識を身に付けて理論武装する事とも併せて、必読のブログです。
過去の消費税値上げ分は全て法人税などの金持ち減税に姿を変えています。国の財政赤字は医療改悪などの形で庶民にツケ回しされ、地方では病院経営が成り立たず産婦人科医も居なくなり子供が産めないという事態も起こっています。国際競争力強化の口実で労働者の生活費が極限まで切り捨てられ、大企業が史上空前の企業利益を更新する一方で産業空洞化と国民生活破壊が同時進行する。
こんな新自由主義の政治を推進してきた奴らが、マスコミの前では一端の愛国者気取りで偉そうに国益論をぶつ。日米軍産複合体の金儲けの為の欠陥だらけのミサイル防衛構想にカネをつぎ込み、米軍の都合でしかない沖縄海兵隊のグアム移転費用を日本国民の税金で負担する。北朝鮮のテロを格好の口実にしながら、実際には日本とも北朝鮮とも無関係な世界の戦場に米軍侵略軍の下請けとして国民を駆り出す。国家の政策によって経済格差を拡大させておきながら、「社会保障や生活保護などに頼るな、自律・自助・自己責任、自分の生活は自分で守れ、悔しかったら再チャレンジで人を蹴落として勝ち組に這い上がれ」との給う。
医療改悪にしても、そう。政府は「国民医療費の伸び抑制」や「社会的入院の解消」をその口実に持ち出してきていますが、その一方で、国民を過労死するほどこき使い、保健所を統廃合して予防医療の機能を奪い、大量の医療難民を生み出しておいて、何が「医療費の抑制」か。リストラと産業空洞化で地域社会を崩壊させ、長時間労働で子供も産めない社会を作り、相互扶助機能を地域社会から奪っておきながら、何が「社会的入院の解消」か。
前述の光洋シーリングの労働者が「偽装請負がまん延している日本社会に未来はない」と言っていたという事ですが、正しく至言です。こんな国の在り様はどう見ても異常です。
8月21日に、日本テレビ系列の「アンテナ22」という番組で、海上自衛隊の新人パイロット養成訓練の内容を取り上げていたのを見ました。海上自衛隊には航空機パイロット養成専門部隊が山口県下関市に在るのですが、其処の小月教育航空隊での、航空学生と呼ばれる新人研修生のパイロット養成訓練の様子を取り上げていました。
まず最初の入隊式の直後に、教官が航空学生に対して喝を入れるシーンが出てきます。教官曰く、式を終えて教室で待機中に周囲の同期と雑談していたのが「弛んでいる!」という事なんだそうです。次の課業前の教室で隣同士ちょっと雑談するぐらい何でアカンのかと思いますが(そんな事なら最初から雑談禁止の旨を周知しておけよ)、軍隊だとそういう訳にはいかないのでしょう。
そしてその後5分でジャージに着替えてグラウンドに整列させられるのですが、その間に別の教官が学生寮にある学生の私物を散らかし放題にしておきます。着替えに寮に帰って来た学生は散乱した荷物の中から自分の私物を探し出して着替えなければなりません。これは不測の事態にも冷静に対応出来るようにする為の訓練らしいのですが、それでなくても着替え時間が僅か5分しか無いのに、何でそこまでしなければならないのかと思いますね。これでは単なる虐めではないか。
その後は航空学生はそれぞれの担当教官について練習機を使ってのマンツーマンの実機訓練となる訳ですが、ここでも私の目から見たらどうかと思う場面が出てきます。
搭乗前の始業点検で、プロペラの下を覗き込んだ学生のお尻をいきなり教官が後ろから蹴り上げます。教官曰く「いつ不意にプロペラが回りだすかも知れないのに、無闇にプロペラの下に頭など突っ込むな」という事らしいのですが、何もいきなり蹴ったりせずに口頭で説明なり注意なりすれば済む問題だろうに。その始業点検が初回ならばそんな対応は論外でしょう。たとえそれが何度目かの点検で、既に学生が何度も同じ注意を受けていたとしても、その時の教官の教え方が悪くて学生が理解できなかった可能性もある。これも訓練に名を借りたシゴキ以外の何物でもない。
実機訓練で離発着(タッチアンドゴー)の練習をする時も、学生は最初は機体を平衡に保って(アラインして)滑走路のセンターラインに沿ってのタッチアンドゴーがなかなか出来ないのですが、そこでも同乗の指導教官は「何故アラインしないんだ、このボケ!」という感じで隣の学生のヘルメットを小突き回します。何も小突き回す事ないだろうに。確かにこの教官は小突くばかりではなく、機内の計器類にばかり目を取られて外を見ない(だから機体を平衡に保ってのアラインが上手く出来ない)学生に対して、自転車で施設内道路をセンターラインを踏み外さずに周回させたりして、何とか平衡感覚をつかませようとようとする努力も見せますが。
その他にも、「食事は10分間で済ませろ」とか、いろいろ疑問に思う指導場面に出くわしました。如何に不測の事態に対応しなければいけないからと言って、何も10分間で飯を食わせる事はなかろうが。こんな事を繰り返していたら胃潰瘍になってしまう。
自動車の運転にしろパイロットにしろ、警察官や消防士にしろ、危険と隣合せの仕事に就こうとする以上は、一刻一秒を争う事態にも遭遇する訳ですから、理屈ではなく身体で覚え込まさなければならないという部分があるのは事実です。しかしそれでも、説明も抜きにいきなり「後ろからケツを蹴り上げる」とか「ヘルメットを小突き回す」とか、「飯は10分間で食え」は無いだろうと思いますね。そんな事をしなくても、学生に敏捷能力を身に付けさせる方法は他にいくらでも在るだろうに。
これは、はっきり言って、番組で賞賛していた様な「愛のムチ」などでは更々なく、やっぱり単なる「シゴキ、虐め」ではないのか。何故なら、そこには一切「説明」というものが無いからです。説明も抜きにケツを蹴り上げる、頭を小突き回す、そうして理屈ではなく身体で覚えこませる。そうする事で、「危険なプロペラ回りには無闇に頭を突っ込むな」という、それ自体は真っ当な指導項目も、「飯は10分で食え」というような無意味な精神主義も、ごちゃまぜに無批判に叩き込まれていく。
そこでは「一つ一つの訓練が自分にとってどういう意味を持つのか」何て事は一切考えさせない。かつて問題になった戸塚ヨットスクールの「教育方針」と同じです。その成れの果てが、旧日本軍のシゴキ・新兵虐めであり、中国戦線における略奪や民間人刺突訓練だったのではなかったのか。人間はウシやブタでは無い。
※■印は前サイトからの継承分。★印はブログ移行後に追記分。
《反戦・平和運動関連》
■AML(~'08年3月)/CML(同4月~):
Aはオルタナティブ(反体制)、Cはシチズン(市民)の略。
いずれも市民運動関連のML(メーリング・リスト)。
商業メディアには流れない様々な運動情報が参照できる。
(AML保存書庫)http://list.jca.apc.org/public/aml/
(CML保存書庫) http://list.jca.apc.org/public/cml/
■アジア・プレス・インターナショナル:
石丸次郎氏が活躍されている独立系ジャーナリスト集団。
イラク・北朝鮮などアジアの諸問題を民衆の視点でとりあげている。
http://www.asiapress.org/
■現代企画室:
「『拉致』異論」著者の太田昌国氏が主宰するサイト。
http://www.jca.apc.org/gendai/
■JANJAN:
市民が記者になってニュースを送るNPO型インターネット新聞。
http://www.janjan.jp/
■TUP-Bulletin:
「Yahoo!グループ」内のML。
日本では載らない情報が翻訳ボランティアの手で配信される。
http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/
■反戦翻訳団-Antiwar Translation Brigade-:
主として反戦運動にかかわる海外記事の翻訳紹介。
http://blog.livedoor.jp/awtbrigade/
■レッド・モール党HP:
まっぺんさんのサイト。4トロ・ファンクラブ。
http://redmole.m78.com/
■イセサキ進研HP:
sinkenさんのHP・ブログ。拙板とは長い付き合い。
http://maebashi.cool.ne.jp/sinken2001/
併設の「北東アジアの平和を考えるブログ」
http://blog.goo.ne.jp/161616_2006/e/8ab9be94d7228ce56a91bd3d3d50824c
■鬼薔薇苑:
鬼薔薇さんのサイト。マルクス主義古典の読書会活動など。
http://homepage2.nifty.com/onibara/
■旗旗:
草加耕介さんのブログ。反戦カレンダーや動画など。
http://www.bund.jp/
■法政大学に抗議する有志一同:法大弾圧救援会のサイト。
http://home.a00.itscom.net/konansft/zenrin/index.html
■メーデー救援会:フリーター・メーデーへの弾圧を糾弾。
http://mayday2006.jugem.jp/
■さざ波通信:共産党「党内改革派」のHP。北朝鮮問題討論欄も併設。
http://www.geocities.jp/sazanami_tsushin/
■核兵器廃絶をめざすヒロシマの会:
核兵器廃絶を願い行動する個人の集まり。伊達さんも活躍されている。
http://e-hanwa.org/
■読売新聞の社説はどうなの・・:
kouheiさんのブログ。読売新聞の偏向を批判。
http://love.ap.teacup.com/kouhei/201.html
■南雲和夫(本物)のブログ:
大学講師・日朝協会会員の南雲和夫さんのブログ。朝鮮・沖縄・ネットの話題。
http://blog.goo.ne.jp/dabamyroad/
★情報流通促進計画byヤメ記者弁護士:
ほぼ毎日ブログ更新で平和・人権・民主主義促進の情報を提供。
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005
★アッテンボローの雑記帳:
郵便局員の気ままな日記。法大・メーデー弾圧救援活動を通じてお近づきに。
http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/
★広島瀬戸内新聞:
さとうしゅういちさんのブログ。広島から地域・平和・環境・人権問題を発信。
http://blogs.yahoo.co.jp/hiroseto2004
★多文化・多民族・多国籍社会で「人として」:
レイシズム・排外主義にウサキック!公正・民主の社会へウサジャンプ!
http://ukiuki.way-nifty.com/hr/
★Dandy Jのヒロシマ日記:
広島出身のDandy J(伊達純)さんのブログ。
反戦・反核・反グローバリゼーションや広島カープ、サンフレッチェ広島の話題など。
http://blog.goo.ne.jp/jundandy_2007
★のびのび東京!吉田万三:
元・東京都足立区長で07年都知事選候補者としても健闘された吉田万三さんのHP。
都知事選の時にはサイト内の掲示板で活発な議論が展開されました。
http://www.manzo-y.jp/
《格差・貧困・差別社会への対抗軸》
★フリーターが語る渡り奉公人事情:
下流搾取の告発。偽装請負などの実態がよく分かる。
http://watarihoukou.blog118.fc2.com/
★ガテン系連帯:
派遣・請負・期間工・・・ワーキング・プアによる労働組合運動。
http://www.gatenkeirentai.net/
★首都圏青年ユニオン:
首都圏の非正規雇用の若者が中心になって作った個人加盟の労組。
http://www.seinen-u.org/
★PAFF(パフ):
フリーター全般労組を中心としたフリーター運動のネットワーク。
http://freeter-union.org/
《北朝鮮・アジア関連》
(救う会・拉致板系)
■「救う会」(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会):
http://www.sukuukai.jp/index.html
■電脳補完録:救う会・調査会・拉致板関連情報
http://nyt.trycomp.com/modules/news/
■拉致の背景:
沢村圭一郎さんのサイト。こちらも拉致板という事で
思想的立場は拙ブログとは異なる部分も少なくないが、
ブログ再出発を機に参考サイトとしてリンクを復活。
http://www11.ocn.ne.jp/~rachi/index.htm
■「守る会」(北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会):
http://hrnk.trycomp.net/
■北朝鮮難民救援基金:脱北者・北朝鮮難民支援運動。
http://www.asahi-net.or.jp/~fe6h-ktu/toppage.htm
■RENK(レンク:救え!北朝鮮の民衆/緊急ネットワーク):
http://www.bekkoame.ne.jp/ro/renk/
★デイリーNK:北朝鮮民主化ネットが伝える現地情報。
http://www.dailynk.com/japanese/index.php
(上記以外)
■高康浩(コカンホ)さんのHP:
自主的な立場で北朝鮮民衆への医療支援を行う。「朝鮮を知る」企画も主宰。
http://www.e-sora.net/iryou/
■「北朝鮮へのまなざし」を考える連続講座:
http://tsudoi0720.at.infoseek.co.jp/koza.html
■私設朝鮮民主主義人民共和国研究室:
http://www.piks.or.tv/
■中国情報局:サーチナの中国情報サイト。
http://searchina.ne.jp/
■China Now!:中国・台湾・香港の労働運動・反グロ市民運動の動向。
http://chinanow.blog28.fc2.com/
■ノーニュークス・アジア・フォーラム:アジア各国の反原発運動情報。
http://www2.odn.ne.jp/~hal19090/
■朝鮮民主主義研究センター:
略称・朝民研。RENKのkazhikさんのブログ。
http://www.asiavoice.net/nkorea/
■在日コリアン科学的社会主義者ネットワーク:
「守る会」会員の金国雄(キムググン)さんのサイト。
在日左派の立場から北朝鮮人権問題を取り上げる。
http://www.asahi-net.or.jp/~dt9k-iwmt/
■北朝鮮・チベット・中国人権ウォッチ:
まことさんのブログ。
民衆に視点を置いて国際人権運動の立場から当該問題を取り上げる。
http://watch.blogtribe.org/
併設の「ある国際人権派の雑食系ブログ(仮)」。こちらは反戦・平和運動関連。
http://blog.livedoor.jp/zatsu_blog/
■minow175の拉致事件と北朝鮮情勢のブログ:
minowさんのブログ。
どちらかと言うと保守系だが、拉致板とも異なる視点から当該問題を取り上げる。
http://blog.livedoor.jp/minow175/
■チョンウォルソン(田月仙)公式HP:
在日コリアン女性歌手・チョンウォルソン(田月仙)さんのサイト。
http://www.wolson.com/
■善隣学生会館事件の真相を探る:
在日華僑・猛獣文士さんのサイト。
善隣会館事件、華青闘告発、中台関係資料などを収録。
http://home.a00.itscom.net/konansft/zenrin/index.html
■むじな@台湾よろず批評ブログ:
台湾在住邦人フリージャーナリスト・むじな(酒井亨)氏のブログ。
http://blog.goo.ne.jp/mujinatw
★sakochiの韓国留学後日記(新館):
「救う会」関係者による嫌韓厨・ネッヨウヨク批判。
「反日も嫌韓も、どちらも同じ穴のムジナ」と喝破。
http://ameblo.jp/sakochi2634/
私が掲示板をブログに切り替えたのは、前の掲示板でも書いた通り、(1) もっと積極的に自分の意見を発信したい、(2) 自分の書いた記事をもっと効率的に保管・整理したい、の二点からです。従来のHP&掲示板の形式だと、掲示板でのトラブルの仲裁や荒らし対応に手が取られたり、掲示板の投稿を一々HPに保管・整理し直さなければならず、なかなか積極的に意見を発信する所まで行きませんでしたから。
それでブログに切り替えたのですが、まず第一印象として感じたのは、「案外簡単に出来たなあ」という事です。どこかのブログのキャッチコピーに「ブログって簡単じゃん」というのがありましたが、正にそんな感じ。
あと、今までのHPの画像・デザインや掲示板での頻繁な書き込みに目が慣れていた事もあって、それと比べると「ブログって、意外に簡素というか、寂しいなあ」というのもあります。ブログがあくまでも「主宰者の日記」であり、誰でも好きな事を書ける掲示板とは基本的な仕組み自体が違う事を考えると、これも当然の帰結なのかと思いますが。ブログのデザインもあまりゴテゴテしていない簡素なものを選んだし、何せ最初なのでアバターの設定もしていないし、未だこちらからはトラックバックも一切張っていないので、これは致し方ないかも。
ブログはあくまで自分の書き込みが主体です。掲示板みたいに「他人の書き込みを当てにする」という手はもう使えません。今後は更に、徒に時流に流される事なく、意識的に自分の意見を発信していく事にします。少なくとも一週間ぐらいのスパンで新規投稿をアップしていこうと思っていますので、皆さんこれからも宜しく。