アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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公設派遣村をめぐる記事比較

2010年01月12日 21時01分02秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
 公設派遣村の事を取り上げた、それぞれ好対照を為す2つの記事を下記に紹介します。一つはブログの、もう一つは新聞の記事です。敢えてコメントはしません。果たして、どちらが本当の事を書いているのか。どちらが説得力のある、信用の置ける記事か。その内容・論旨のみならず、問題の掘り下げ方や取材姿勢、記事の「品格」まで含めて、とくと見比べた上で各自判断して貰いたい。


■「公設派遣村」をめぐる諸問題(ロシア・CIS・チェチェン)
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(前略)
私は4日まで「ワンストップの会」のお手伝いを多少していただけなので情報不足だが、彼らには言いにくい部分もあると思うので、あえて書きたいと思う。但し、文責は私にあることは言うまでもない。

まず、「ワンストップの会(旧派遣村実行委)」の基本方針は、職も家もカネもないワーキングプアの生活再建を手助けするというものだ。具体的には、国や都と協力しつつ、まず「公設派遣村」のインフォメーションをし、カネもない相談者をハローワークに登録させることを前提に「公設派遣村」を紹介する。そして、生活保護申請を手伝い、その回答が出る平均2週間のあいだも、できれば求職活動をしてもらう・・・これが基本方針だ。

1年前の「年越し派遣村」の場合、最終的に生活保護申請した302人のうち301人が生活保護を認められている(1人は資産があったので却下)。したがって、最低限の生活費と住居は確保できた。但し、その後の就職が困難だという実情はある。それでも、福祉事務所の「水際作戦」で大抵認められない生保の壁を、「ワンストップの会」メンバーは過去に蓄積したノウハウで突破してきている。だから、家とカネまでは何とかしようという訳だ。また付言すれば、メンバーの中には不当な「派遣切り」にあい、寮を叩き出され、路頭に迷った経験者も何人かいる。不当解雇にあった者なら、もっと沢山いる。だから皆、自分の事として厳冬の夕暮れまで、否、電話相談を含めれば24時間活動し続けた。

他方、東京都に方針はなく、その対応はハッキリ言って酷い。上に元入所者の「最初からいなくなってほしかったみたいです」というコメントを引用したが、実際、その手の声は私も現場で数限りなく聞いた。例えば、「その交通費の額では、面接に行けるが帰れないと訴えたら、職員に『歩いて帰ってこい』と言われた」などなど、苦情は耐えなかった。そして、ある入所者は「5日から『なぎさ寮』行きとは、あきらめさせようという魂胆だな」とつぶやいた。

どういうことかと言うと、山谷地域越年越冬宿泊援護施設「なぎさ寮」は、教室ぐらいの狭い部屋に20人以上は雑魚寝させ、1人1畳分のスペースしか使えない。品川駅から車で20分は必要な場所で、謂わば「陸の孤島」でもある。また、基本的には冬しか使わないからか、部屋は不衛生で老朽化も進み、2006年には天井落下事故さえ起きている。「オリンピックセンター」で始まった「公設派遣村」入所者の中には「なぎさ寮」経験者や脱走者が多くいたから、移設方針が決定した3日夜の時点で、一方では抗議の「暴動」が起きそうになり、他方では4日の退所者や脱走者が相次いだ。

そこで「ワンストップの会」代表がギリギリの交渉をし、まず病人や夫婦や女性は別枠にして、残りは4日だけはカプセルホテルに泊める方針に変更させた。なぜなら、コインロッカー等の荷物取り出しや常備薬の調達などの事情から、いきなり「陸の孤島」へは移動できない人も数多くいたからだ。そして5日からは、悪名高い「なぎさ寮」に収容。「ワンストップの会」も張り付いて、「何とかココを乗り切り、新たな生活を再建していこう」と、説得しながら相談活動など様々なフォローにあたっている。脱落しそうな入所者の気持ちが誰よりも理解できる分、涙ながらに「ここでヤケを起こさないで」と必死になって引き留め、最悪の場合でも電話番号は交換して別れている。

また、現金支給ないし「ゴネ得」に関しては、次のような経緯がある。求職活動で外出しても昼食は「派遣村」まで戻って食え、というのが最初の都の方針。抗議したら、コンビニしか使えないクオカード1日千円分。それも抗議したら、現金数日分の前払い。これには、コマ切れ支給に職員が対応しきれない、という事情もある。つまり、最初からゴネるように仕組まれたと、私は思っている。しかしながら、今まで納税してきた入所者が、困った時に最低限の生活ができるよう要求するのは正当な権利だ。

さて、私自身は「なぎさ寮」までは行くことができないので、別記事でも書いた通り、たいへん心苦しく思っている。それと、今まで「公設派遣村」のリアルな実態を記事にしなかったのは、私自身が心身ともに疲弊したこともあるが、「ワンストップの会」の方々が行政を動かし、それと協力的な関係を保とうと努力しているからに他ならない。しかし、石原都知事の暴言を読んで、知っていることは書くことに決めた! これには、あの「2チャンネル」ですら、抗議スレッドが立っている。繰り返すが、この記事の責任は「ワンストップの会」ではなく私にある。文句があるなら、あくまでこちらに言って欲しい。
(後略)
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 http://blogs.yahoo.co.jp/tocka_jikkoi/61051648.html

【追記】

 更に検索したら、実際に現地に行ってみた人のレポートが出てきた。このレポートを書いた人は、実際に路上生活を数年間経験し、その体験談をブログに書き綴っている。個人的体験談という制約は勿論あるものの、当事者でしか書けない事も数多く載っている。こちらも是非読んで戴きたい。

 ・山谷地域越年越冬宿泊援護施設「なぎさ寮」(Midnight Homeless Blue)
  http://blog.livedoor.jp/kenjiro45/archives/51525236.html
 ・新聞記事について(同上)
  http://blog.livedoor.jp/kenjiro45/archives/52097541.html


■“ごね得”許した「派遣村の品格」 費用は6千万円大幅超の見込み(産経新聞)
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 「不平を言えば融通が利く。みんな“ごね得”だと気付いている」。4日閉所した東京都の「公設派遣村」を出た男性(34)は“村”での生活をこう皮肉った。派遣村では開所以来、行政側と入所者の衝突が絶え間なく続いた。職員の口のきき方への不満に始まり、昼食代の現金支給を求める入所者…。当初、目的だったはずの就職相談は不調に終わり、職員は最後まで入所者への対応に右往左往した。

就労相談わずか1割

 都は3日夜、この日退所した833人のうち住居を見つけられなかった685人のため、4日以降の新たな宿泊先に400人分のカプセルホテルを用意。残りの入所者には、都の臨時宿泊施設を割り振ることを決めた。

 だが、いざこざはここでも起きた。入所者の1人は冷笑を浮かべて言う。

 「その夜も『なぜ全員がホテルに入れないのか』と騒いだら泊まれることになった」

 入所者の抗議と厚労省などの後押しで、都は決定を覆す。抗議の数時間後にはカプセルホテルを追加で借り上げた。「騒ぎが大きくなったので…」と職員は言葉少なに語るのみだ。

 この1週間で本来の目的の就労・住宅相談に訪れた入所者はわずか1割。「正月休みに相談しても仕方ない。派遣村では一時金がもらえるとのうわさもあった。それ目当てで入った人も多い」との声も漏れた。

想定超す利用者

 一方で、自力で社会復帰への第一歩を踏み出した入所者も。退所を選んだ男性(67)は「入所中に友人の会社に就職が決まり、社宅に住めることになった。年末年始に泊めてもらって感謝している。食事もおいしかった」と語った。

 だが、この男性のように新たな職や住居が決まったのは少数だ。利用者数は当初の想定を超え、約6000万円と考えられていた費用も大幅に膨らむ見込み。費用はすべて国の負担で、都の幹部は「結局、政治のため」とぼやいた。
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 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100104/biz1001042246045-n1.htm


・関連記事:そこまでして人間を貶めたいか
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/558f0ab9bc877049fdc4be3f5d59b4fe
 こちらも是非ご一読をお願いします。
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