念願の秋山郷のドライブを前日に達成して、いよいよ仕事の日を迎えました。
秋山郷前倉橋。趣のある柱状節理にかかる赤い橋です。
10メートルではきかない高さから見下ろしてみたら、緑色に澄んだ水の中に魚が泳いでいました。
今回の目的は秋山郷探索ではなく、十日町市での認知症予防講演会。それに先立つ勉強会。
勉強会では、いろいろ収穫がありましたので、別に報告しましょう。
ほくほく線まつだい駅舎には、直結してまつだいふるさと会館があります。今日の会場の多目的ホールが2階にあり、1階には物産館もスーパーマーケットもあって、生活の便を考えた施設なのだと感心しました。厳しい冬をいつも念頭に置いている覚悟が感じられます。「北越雪譜」に語られた精神が今でも生きているということでしょうか。
妻有(つまり)の里を舞台にした大地の芸術祭でも、ここは有名です。駅の向こう側には、大きな草間彌生作品が。
その向こうにも、作品が見つかりました。(ちょっと加工してみました)
さて講演会ですが、150席の会場には30分前にはもうかなりの方々がいらっしゃっていました。
予備の椅子が用意されていましたから、たくさんの方がいらっしゃる見通しは立っていたのでしょう。30席ほど追加で並べて講演会が始まりました。
住民の方が入ってこられるたびに、スタッフの皆さんが「ありがとうございます」と声をかけていました。
私は、講演の冒頭でそのことに触れて「お帰りの時には『ありがとうございました』といっていただけるようにお話ししたいです」といいましたが、さて皆さんの感想はどうだったのでしょうか?アンケートがありましたから、またお知らせが届くことでしょう。
最後に、この人数の中で、会場から発言がありました。「近所の方々と楽しい集まりを継続してきましたが私の生き方でよいことがよくわかりました。これからも続けて行きたいと思います!」(上の方で立っている方です)
こういう時に私はお話ししてよかったと喜びがこみ上げてきます。
今回の講演では、松代地区担当のT橋保健師さんが「とても、よかったです」と言ってくださいました。そもそも松代地区で認知症予防活動が立ち上がった時の担当だったK井保健師さん(地区のお母さんのようでした)の後任のT橋保健師さん。5年たったらやっぱり地区のお母さんみたいになっていましたね。
実は、そのK井保健師さんも参加してくださっていて「よかった、よかった」と言われたのです。
T橋さんも、K井さんも、松代地区での認知症予防教室がもう7年も継続していて、元気になられた方が何人も思い浮かぶこと、それだけでなく脳機能検査が実施できたところでは、改善や維持されている方が多いことが客観的にわかっていることから、認知症予防として何を指導したらいいのか確信できているのだと思います。住民の方に「ボケない生き方」を伝えてあげたいに違いありません。
「体の健康・脳の健康」から話し始め「脳の健康」を守って認知症を防ぐ方法を話しました。
脳の働きという視点から「自分らしく、イキイキとした楽しい生活」「三頭立ての馬車をフルに動かす生き方」を、強調してお話ししましたが、T橋保健師さんやK井保健師さんの考えた目標にちょっとは役立てたということなのでしょう。
今回も、楽しく充実した越後の旅でした。
黄葉にはちょっと早いブナ林。すっきりしてますね。
根津記念館から甲府へ行き、そこで講演を2時間。一つ仕事をしました。ようやく(笑)
というか、仕事の合間に上手に右脳訓練をしているのです。と言わせてください。
講演は無事に終了。主催された方から「一人一人が講師と一体化している」と褒めていただきました。
「話も大変分かりやすく内容も充実していてとてもよかったと思います。現場の方のお話のほうが具体的で整理されているし時間もぴったりで感心しました。教師も見習わなくては !」という退職大学教授の方の感想もお知らせくださいました。
岩下温泉から一緒の友人と、甲府駅まで歩いて行くことにしました。
まったく犬も歩けば棒にあたるで、思いがけず魅力的なお寺に遭遇しました。長禅寺。
信玄公母堂の菩提寺、信玄公が定めた甲府五山の筆頭だそうですが、まさにその通りと思わせられる格式あるお寺でした。
甲府駅前にはアジサイが満開の甲府(舞鶴城)が。
「こうふ」は旧かなづかいなら「かふふ」なんですね!ふふふ。
身延線で富士へ。
6/29は沼津で大学の同窓会総会。ここでもちょっと講演をしました。
cocochee hotel(ここち いー ホテル)
同窓会といっても、年々歳々「先輩」の側に回ることになってしまって・・・
気持ちだけは若いつもりでも、取った歳は取った歳ですから 、ジタバタせずに ♪Let It Go
二次会でのお話はとてもとても楽しいものでした。O村先輩の妻・母・嫁・職業人としての生き方は素晴らしい。
奉職先での「私が初めて~をしたのよ」の連発は、妻・母・嫁としての幅広いご体験が、職業人というスタンスに大きく影響なさったに違いありません。
前頭葉は、体験の上にできあがる機能ですからとっても納得です。
オープンキッチンのレストランが会場でした。昼食はとってもおいしいステーキでした。
幹事さんありがとうございましたm(__)m
初雪の十日町市でした。
上越新幹線は上毛高原駅から越後湯沢駅までは断続的にほとんどトンネル。
おおざっぱに言えば、あの谷川岳の下を抜けていくのです。
その中でも、越後湯沢直前まで続く最長のトンネルが大清水トンネルです。
そのトンネルを抜けると、雪でした。
文字通り、川端康成の「雪国」の世界・・・
左の写真、電車の上の空は全部雪だったのです。
十日町市も平成の大合併で、十日町市・川西町・中里村・松代町と松之山町が一つの町になりました。
今回は松之山地区での講演会です。
宿は当然松之山温泉。なぜか知名度がいま一つですが、有馬、草津と並んで日本三大薬湯の一つです。山中なのに塩湯。そしてホウ酸含有量は日本一。
かけ流し露天風呂の給湯口
( たくさんの鉱物がついていました。
ボケているのは、腕のせいというよりも湯気のせいです^_^;
何しろ雪が降ってますから外気温が低いのです)
松之山地区は高齢化率が44%を超えていて、十日町市の中でももっとも高齢化が進んでいますが、介護認定率で見れば、特別突出していないと説明がありました。
と、言うことは元気な高齢者が多いということですね。
高齢者が多いので、自立志向が強いという話も聞きました。
ついでに一言。十日町市は新潟県下では介護認定率が少しだけ低いと。
認知症予防活動が功を奏しているのではと思いますが。
翌朝の露天風呂積雪10センチ 講演会場わきの体育館 落雪の瞬間!
今回の講演会で印象深かったことを書きましょう。
講演の中で、「こういうおばあさんはボケるでしょうか?」と問いかけることがあります。
『おじいさんが先に逝ってくれたおかげで、、勧められて公民館で書道を始めた。それからカラオケにも誘われて始めたら、面白いことがたくさんあることに気づいた。いろいろチャレンジして楽しい。世の中にこんな楽しいことがたくさんあることに気づいたのが遅いものだから、ウンと長生きをしてもっともっといろんなことに挑戦しなくては人生割が合わない』
答えは「ボケない」でいいのですが、今回聞いてくださっているおばあさん達が深くうなずいたのが
「おじいさんが先に逝ってくれたおかげで」の後に「つまり1日24時間がすべて自分で使えるということですね」といい添えたときでした。
「自由に生きていないのだなあ・・・」と感じました。
松之山はかなり山深いところにあります。ブナの美人林や棚田で有名です。
棚田を維持することはどれほど大変なことか。
まして、11月に初雪。そのうえ世界に冠たる豪雪地帯。
十日町駅構内のポスター まつだいは隣町ですが棚田の様子をみてください
「働けるときには働く」ということが、何代にもわたって刷り込まれていると思います。
また、「若い人が働いているときに遊ぶなんてとんでもない!」という考えもあるでしょう。
でも、今は考えられないほど長生きになったのです。
昔のように、働けなくなったらすぐにお迎えが来てくれる状況にありません。
「体がもつ間、脳も持たせることができるようにするしかない!」このことを何度も強調しました。
「私たちの脳が仕事の左脳と、遊びの右脳、そして運動の脳、さらにそれを統括する前頭葉から成り立っている以上、そのすべてを使い続ける生活をし続けなくてはいけない。
足腰を使わなくては、足腰の老化が進むように、遊ばなくては脳は持たないのです」
帰りの越後湯沢駅 前から気になっていた駅中温泉に体験入浴!
聞いてくださった方々は、「ボケるかどうかは生き方の問題」ということはわかってくださったと思います。
ただ、みなさんが納得している「ボケない生き方、かくしゃく老人への道」「人生を楽しめる人がボケないということ」を自分のものとして、自分の生き方に反映させることができるかどうか?
自立志向のほかにも公民館活動も盛んということも聞いてはいるのですが、講師としては、やや不安が残ったことも事実です。
山形県は先週、今週と大雨でした。
所によっては停電や断水などの被害も出たということでしたが、講演日は雨の予想に反して、お天気!
認知症予防をテーマに掲げるエイジングライフ研究所の講演は、あまり天気に左右されることはありませんが、それでも雨になると足元が悪くてちょっと気になります。
今回は予想以上の方々が見えて、追加の椅子の用意に大わらわだったと後から聞きました。2時間弱の講演の間、とってもよく聞いてくださって「会場に熱気が感じられた」ともいわれ、安心しました。
エイジングライフ研究所が主張する認知症予防は、正常な方が正常なままで生き抜いていくための予防を第一に考えます。
川西町も様々な認知症予防の事業をしてきていますが、どうしても「用意してあげている」という姿勢と1回~数か月で終了という流れがあるようです。
認知症予防教室は「自分たちの脳の健康は自分たちで守る!」という精神のもと、自主活動として継続していくことが重要なのです。
講演の後、希望者の方々との勉強会が企画されていました。
毎週一度自主的に集まってお茶飲み会を楽しんでいるグループや、地域活動という点に興味を覚えてくださった男性の方、社協のいきいきサロン担当の方、健康教室をされている方など集まって1.5時間があっという間でした。
お隣の米沢市の「なごみの部屋」から参加された我妻さんが「ボランティアで行っているかくしゃくの方たち対象の会では8年間、脳機能が維持もしくは改善している」と話してくださいました。
「脳機能がよい人たちのほうが、予防は効果的」と自信をもって話してくださったことが印象的でした。
川西町にはすばらしいダリア園がありますが、そのほかにも魅力的なところがたくさんありました。
樽平酒造昔からの設備を生かしながら伝統的な製法を守ってお酒を作っている蔵元。「住吉」はなんと300年以上の歴史があるそうですよ!
菓子司 十印 塩羊羹の名品に巡り合いました。
上生菓子「あじさい」 おかみさん心づくしのおしゃれな店内
明治時代、イザベラバードが桃源郷と驚いた川西町は、長い歴史を感じさせる魅力的な町でした。
もう10年以上小布施町の認知症予防活動にかかわっています。毎年2回は伺って、そのうち1回は講演会なのです。
講演会にいらっしゃるのが初めての人がいる以上、どうしても同じような講演を繰り返すしかありません。
でも、今年はちょっと攻め方を変えてみました。
ところで、小布施町在宅介護支援センターに、左図のようなパンフレットがありました。須坂市と高山村と小布施町の地域医療福祉推進協議会作成のものです。
どのくらい捌けるものか、見通しがつかなくて一応40部受け取っていたのだそうです。
講演後、そのパンフレットが全部なくなってしまいました。
- 「聞いておいたほうがいいと思うのだけど、微妙な問題なのでなかなか口にしにくいテーマです」
これは在介のスタッフだけでなく、普通の人々の間でもよく耳にする言葉なのですが、体も脳も元気なうちにはっきりとした意思表示をしておくことは大切なことに、間違いありません。
内容は、終末期医療に対し以下の項目に対して希望の有無を尋ねる形式です
1.心臓マッサージなどの心肺蘇生
2.延命のための人工呼吸器
3.人工透析の開始
4.胃ろうによる栄養補給
5.鼻チューブによる栄養補給
6.点滴による水分の補給
「認知症予防講演会」との関連性に疑問がわく方もいるかもしれません。
エイジングライフ研究所は認知症は生活習慣病ととらえています。
脳は年齢とともに老化するものであり、年齢相応の老化である場合は認知症ではなく「歳のせい」。
いっぽう認知症は脳の老化が加速されたものととらえるのです。(認知症の90%を占めるアルツハイマー型認知症の場合)
脳の老化が加速されるのは、脳が使われないからで、それは体の働きや身体機能と全く同じです。(廃用性萎縮といいます)
その人らしい、イキイキとした生活を続けていれば(つまり脳をよく使っていれば)、正常範囲の老化はあってもボケにはなりません!
体の不調や、心配事、生活が大きく変わることなどをきっかけにして、それまでの生活ぶりと大きく変わってしまって、生きがいも趣味も交友もなく、運動もしない生活になると、それは脳を使っていないということなので、老化が進む(廃用性萎縮)という割合に簡単な図式です。
認知症は、正常からジワジワと進行していくものです。
まず小ボケ。社会生活だけに支障が出る状態。
ついで中ボケ。家庭生活上にも支障が出ます。
そして大ボケ。セルフケアもおぼつかない、世間でボケという状態。ここまで来ると治せません。
大ボケまでは治療可能。大ボケになるまで普通だと6年以上もかかります。
ここの理解ができたら「ボケたくない」という高齢者の希望が実現可能ということが納得できるのです。
「どういう生活が認知症につながるのか」「どういうきっかけで、脳の老化が加速されるか」を知らなくてはいけません。もちろんそれを避ける!
何らかのきっかけがあった時には、老化が加速していないかどうかをチェックする。
老化が加速していたら、脳のリハビリ。
小布施町には強みがあるのです!脳の機能に合わせて参加できる教室があるのです。
特に一番難しいごくごく初期の方には脳のリフレッシュ教室。からなず自分の行けるところにその教室があるというのは全国的に見ても他にはないでしょう。
高齢者はボケたくない!
町も国も、ボケられたら経済的に支えきれない!高齢者に年間13兆円もかかっています!
ならば、体がもつ間、脳も持たせること。
「体には、限りがありますね。人は必ず死にます。そこまで脳を持たせましょう」
毎回同じことを話していますが、今回は単刀直入にお話ししました。
その結果が、上のパンフレットを希望する人がたくさんになったということなのです。
そうですよ。ボケるかどうかは生き方の問題なのですから、自分らしくイキイキとした生活を探して生き続けてください。
左の方は、北部の脳リフ教室の北沢会長。
前日の10周年記念茶話会の時に
「どこかに外出した時には、ここに教室のみんなを連れてこれるかどうか一番に考える」といわれました。
私は言いました。「まちがいなく教室のために気を配っていらっしゃるのですが、それが会長さんのボケ予防。
いつもの素敵な替え歌もみんなのためでもあり、ご自分のためでもある」
右の方は、講演後質問をくださいました。
「歌や音楽の意味は?」もちろん「右脳の分野だ」ということを説明しましたが、なんと長野オリンピックの時にご活躍なさったほどの草笛の先生。
今度、音楽好きな北部の脳リフ教室に、教えに行ってくださるということでお二人が固い握手をなさってる図です。
ボケ予防を目指している町っていいでしょう!
参考までにこちらもお読みください。
小布施町「脳のリフレッシュ教室」テーマソング(続)
小布施町「脳のリフレッシュ教室」テーマソング(又)
高遠町での講演会は初めてでした。
横に広い会場はちょっと話しにくいものですが、みなさんが熱心に聞いてくださったおかげでとても良い感触を得ることができました。
高遠町文化体育館
400人くらいいらっしゃったかと思います。
「認知症予防」というテーマはそれだけで、高齢者にとっては魅力的。
いつでも予想を上回る方々が集まってくださいます。
前段に「元公民館長、現笑いの療法士」S取さんの「今から、ここから認知症予防ー歌と笑いの効用」というお話と歌唱指導がありました。
講演会後に「まったくよくわかりました!歌も笑いも脳から考えると有用の意味がはっきりしますね」とわざわざ挨拶に見えました。
高遠での仕事はなかなか楽しいものでした。
関係スタッフの勉強会
テーマは認知症の早期発見。
脳機能から認知症を考える。
正常から徐々に進行していくことは納得していても、「認知症」という言葉で即エイジングライフ研究所の言う「大ボケ」と対応させてしまって、「大ボケ」の軽い段階を早期と考えてしまう誤りをもう一度考えていただきました。
正常といっても、年齢によってその範囲はずれてきて当然です。
ただ、脳機能が正常か否かはあくまでもきちんと標準化された脳機能テストの結果によって判断する必要性があることも、たぶん納得していただけたと思います。
また、講演会の時に皆さんが脳のイキイキ度チェックの必要性をはっきり認めたられたことも、これからの指向性をあきらかにできたかなと思っています。
会場に掲示されていた保健委員さんたちの標語の中に「座布団1枚」と声掛けしたいものがありました。まったくぴったり。
予防法 知って実行は 今でしょう
認知症予防をやるのは、今からですよ!高遠町がんばってくださいね。
ついでに遊ぶのは私のポリシーですから・・・
しんわの丘ローズガーデン中央アルプスに向かって開けている絶好のロケーション
高遠美術館 見ごたえありました。 高遠城址公園 アルプスが遠望できました。
絵島囲屋敷
江戸城大奥から遠流の刑で高遠に移された、筆頭大年寄絵島。その時33歳。
それから、28年間幽閉されて生涯を閉じたのですが、生活は
8畳一間に羽目殺しの付いた縁側
下女ひとり
食事は朝夕1汁1菜、湯茶以外は一切なし
衣類は木綿帷子の他無用という厳しい状況でした。
それよりも私の目を引いたのは、さらなる覚え書きです。
扇子・楊枝可。髪用はさみ毛抜き可。風呂可。病気の時の薬可。などの当り前のことに交じって、鉄漿不可。タバコ不可。の項があります。
そして、硯や紙は渡さない!
説明書によれば「深く日蓮宗を信仰し精進の生活を続け、61歳で亡くなった」そうです。
絵島はボケなかったのでしょうか?
散歩もできない。趣味や交友も許されない。書いたり描いたりという行為もダメ。おしゃれもできない。食べる楽しみもない・・・
とてもこのような暮らしで、いくら61歳までとはいえ脳は持つとは思えません。
信仰の力だけで前頭葉を支えることができるのか?
ほんとは、絵島はボケてしまっていたのではないか?
解決できそうもない大きな疑問がわいています!
木曽町へ行ってきました。
木曽町での講演は、福島、日義、開田と各地区を回って、今回は木曽御嶽山のふもとの三岳地区。
いつものように予想の倍くらいの皆さんがいらっしゃってくださいました。
それだけで、保健師さんたちがうれしそうです。
マスコミの対応を見ていると、認知症の予防とか早期発見ということに関しては、その実態はさておいても、言葉のレベルではかなり浸透してきていると思います。
そんなに「口にしにくい」という感じはなくなってきていますね。
ところが、実際にはいまだに「ボケは恥ずかしい」とか「なるべくなら隠しておきたい」というような雰囲気が残っている地区もあるのです。
山間部だったり、人間関係が濃密な地区にはそのような傾向は確かに色濃く残っていると思います。
「改善が図れるのだから早期発見が大切」ということをとにかく強調しなくてはと考えて講演を始めました。
太極拳クラブの皆さんの演武
太極拳の演武の後、公民館が実施している「みんなの合校(がっこう)」の活動報告がありました。
「みんなの合校(がっこう)は、社会教育と学校教育の一部を共有し、一体となって取り組む教育学習活動」と資料に説明がありましたが、おもに学校施設を利用すること、参加者(50歳代後半から)はいつでも学校に立ち寄れること、授業参観の日も設けられているなど、興味深い取り組みでした。
中学生とは花の定植作業、スポーツ交流。
小学生とは、音楽会や運動会参加。
幼稚園児とは豆まきに参加などなど。修学旅行などもあります。
御嶽教信者のお墓霊神
興味深い活動なのですが、参加者が固定してしまっていると伺いました。そこが残念な点だと思います。この活動は、右脳刺激のカリキュラムを意識的に入れることと、自主活動化することで、認知症予防教室に衣替えすることができるはずです。
協調性には富んでいても、新しいことや「遊び」には少し消極的というような地区の傾向があるのかもしれません。
子供たちの育成や、学校をサポートすることが目的にあげられていて、会場の参加者の方からも、参加の理由として「学校のためになるから」という発言がありました。
「このように社会的な活動、他人の役に立つというボランティア活動は、まさに積極的な認知症予防につながることがわかっていただけるはず」というふうに講演を始めました。
こもれびの滝
いつものように会場の皆さんは「ボケるくらいなら死んだほうがいい」と言われました。
「長生きをすることは、人類の希望の一つなのだから、長生きをすることは悪いことではありません。けれども、皆さんがボケるくらいなら死んだほうがいいとまで思っているのに、ボケてしまって、昼夜も家族もわからず胃婁で栄養を保って生きていくことをどう思われますか?」
「なかなか、マスコミの声になってこないのですが、今高齢者にかかる金額は年間10兆円とも言われています。このままでは国が成り立たない・・・」
「認知症予防は、自分や家族のためだけでなく、国のためにも必要不可欠です」
三岳のもみじ
過激に話を進めていきましたが、かなり高齢の方が多かったにもかかわらず、ほとんど居眠りもなく、とてもよく聞いてくださいました。
もちろん問題提起だけでなく、エイジングライフ研究所がいつも主張している、
「ボケるかボケないかは生き方の問題。脳の使い方に立ち戻って生き方を考えてください。
仕事の左脳、趣味の右脳そして体を動かすときだって運動の脳が必要です。
さらには、それらを統括する前頭葉。脳全体を生き生きと動かし続けることこそが認知症予防に直結します」とこれからの生き方も明らかにしたつもりです。
さぁ、三岳地区で認知症予防を目的とした教室が立ち上がってくれるでしょうか?
キーパーソンになれそうな方ともお話しできましたが・・・・・
楽しみに待ちたいと思います。
今回の小布施での講演会は、「脳のリフレッシュ教室が始まってから10年もたった・・・」という感慨の中で始まりました。
落語の腕前が半端ではない副町長さんは、いつものように楽しいオチのあるご挨拶でしたが、今回の私の話は辛口・・・
理由1.認知症予防活動が始まってもう10年にもなるというのに、盛り上がりが少ないのではないか?
理由2.積極的なところもあることはあるが、一般的にいって、やってもらって当たり前。
「用意してくれるなら出席しましょう」
「参加してあげている」というような雰囲気があるのではないか?
こういうことを感じていたから、いきおい辛口になっていきました。
まとめて言えばこういうことです。
小布施町はいつもどこか新しい(古民家再生の寒天パパショップ・お蔵ギャラリーも)
「『ボケるくらいなら死んだ方がいい』という言葉の裏には、そんな自分を受け入れ難い、家族に迷惑をかけるのが忍びないという気持ちがあるはず。
介護保険導入後は社会で介護していくのが根本理念。その人がその人らしく生活するためにお金や人などの社会的資源を使うことは何の問題もない。
ただ、ボケだけは違う!皆さんはボケてまで生きたくないと言っている。
一方でボケた人の介護に、多くのお金が使われている現実がある。(現在は仕方がない。なぜならばボケのメカニズムも予防できることも知らずにこの段階に至ってしまったのだから)
どんなになっても生きる権利があるというような耳触りのいい発言を続けるのではなく、現実を直視すれば、ボケないで生きることは間違いなく社会のためになるし、社会の要請でもある」
「ボケにならないためには、自分らしく脳を全開状態で使うしかない。
仕事の左脳、趣味遊びの右脳、そして体を動かす運動脳を使い続けること。
さらには起きている時には常に関与して判断や指令を出し続けている前頭葉の働きを意識して、自分らしく楽しく生活すること。三頭建て馬車を走らせ続けること」
「脳のリフレッシュ教室のように、みんなで集まって右脳を積極的に使うことは、脳の健康を維持する最良の方法」
「知識だけでは何の役にも立たない。
毎日の生活ぶりが変わってこそイキイキとした脳を持ち続けることが実現できる」
「上品で、出しゃばったり目立ったりすることが嫌いな小布施気質はあるにしても。ボケたくなかったら、脳のリフレッシュ教室を利用するしかないでしょ!」と過激になってきます。
「ちょっと自分一人で盛り上がり過ぎたかなあ」と思っていたので一安心しました。
U澤さんとは会場入り口でお会いしました。
「細々とやっております」といわれました。
「人数ではありません。細々でも意識を持って集まる人がいれば、そのうち皆さんの目標になるはずです」と私は答えました。
過激な講演でしたが、内容をくみ取ってくださってありがとうございました。
じつは、最前列の男性陣からも、講演後に
「今日の話はよかったよ。全くその通りだ」と言っていただけたうえ、握手まで求められたのですよ。
皆さん、お元気で、体も脳もですよ!!!
川西町と言えば、もう一つ、国内最大級のダリヤガーデンがあります。丁度前日からオープンだったそうで、さっそく見せていただきました。さまざまな色や形のダリヤが咲き始めていました。
名前も素晴らしいのですが、やはり左脳の記憶は私は苦手だと身にしみました。花だけお見せします。
教えていただいたこと
1.ダリヤには三つの見ごろがある。
・8月の咲き始め。一番立派な花をつける。
・9月の半ばを過ぎれば、花数がピークになって花の波のようになる。
・10月の末ともなれば、花色がさえて何とも言えないほどである。
2.ダリヤ園も、実は三つある。
・この見事な本園
・苗を育てる育成園
・町民が咲かせてる個人宅のダリヤ
講演会でももちろんお話ししましたとも。
「三回はダリヤ園に足を運んでくださいね」
「一人でなく、お友達と一緒だともっと楽しいですね」
「認知症の予防教室で、自分たちの町の知ってるけど行ったことのない名所に行くこともよくあります」
皆さん、満足そうに聞いてくださいました。
さて講演会の感想集。
O野保健師さんが、アンケートのまとめですと送ってくださいましたので転記します。
皆さん、ありがとうございました。
「行政への希望」
(初めて講演を聞いてくださったのに、川西町の認知症予防活動のあるべき姿を理解してくださってます)
・町長さんに参加してもらってよかった。
(ご出席くださって、そしてピリッとしたご挨拶もくださってありがとうございました。
とてもよく理解していただいたと感じました。お若い力で、新しい川西町の認知症予防を進めてください。
認知症予防は、行政と町民の共同参画事業のテーマとして最適です。
住民はボケたくない。行政はボケられたら経済的に支え切れない・・・
以下の感想のように町民の皆さんも「ボケて安心な町ではなくボケない町」を希望していらっしゃいますから)
・行政でどう取り組んでいくか。議員にも聞いてほしかった。
・各地区で脳教室を実施してほしい。
・若い人にも理解してもらうことが大切と思います。
それにより地域の認知症対策に取り組めるのでは。
・町内で誰でも参加でき、会話できる機会がほしい。
・チェック教室など開催されると嬉しいです。
「生き方を見直す」
・趣味と生きがいを持つことが大切と感じました。
・自分で自分の生き方を変えて楽しく生きたいです。
・認知症予防のため、馬車を動かし最後まで自分らしく生きたい。
・いきいきサロンに参加している。
継続したい。
・講演会に参加できてよかった。
先生の生き方が大切であるというお話が素晴らしいと思いました。
・今までより友人を誘い趣味をたくさん持つようにしたい。
・眠っていたものが、突然起きたような感覚を感じました。
(なんと素敵な表現をしてくださったことでしょうか!)
「その他」
・とてもわかりやすく、大変よかった。
・もっとたくさんの人に聞いて欲しいと
思います。
・また話を聞きたい。もっとみんなを
誘いたい。
・言葉が明瞭、張りがあり、感銘深く聴講できた。
・夫が中ボケで介護施設利用中。
早く先生の話を聞きたかった。
話し手として、感謝申し上げます。皆さんがいい講演会にしてくださいました。
暑い時ですからどうぞ、お元気で。
木曽町で の講演会のアンケート結果が来ましたので、まとめてみました。
木曽路の2月ですから、雪を心配しましたが、幸いにも穏やかな暖かい日でした。
担当のN村保健師さんの事前の電話
「季節が季節ですから、どのくらい来てくださるか全く予想ががつきません 。もしかしてすごく少なかったごめんなさい。だいたい日義地区は人口が2600人くらいですし・・・」
私「数じゃないでしょ。どのくらい真剣に聞いて下さるか。どのくらい生活を変えようと思ってくださるか。私は一生懸命話しますから、ノープロブレム!」
こんなやり取りがあったのです。
結果はスタッフともども参加者は178人 。
スタッフの皆さんが忙しそうに椅子を追加している傍で、K嶋公民館長さんが
「よく来てくれるなあ。敬老会よりもたくさん集まるなんて!久しぶりにこのホールがいっぱいになったなあ。ついこの間の集まりは40人くらいだった・・・」と嬉しそうにお話ししてくださいました。
最近のブログにも書いたように、今世の中では、認知症に関してほんとにいろいろな表現が「自由に」飛び交っています。
少ししつこいくらいにアルツハイマー病とアルツハイマー型認知症の違いなどもお話しして、脳機能から認知症を見ていくとボケが生活習慣病であるということがはっきりするし、だから予防も可能になると解説しました。
左のグラフを見てください。
「認知症は生き方では予防できない」と答えた人は、全体で2人でした。「たった2人しかいなかった」といってもいいと思います。
当然の帰結として、ボケないための認知症予防教室の話になります。
予防教室が必要かどうかという質問には、1人の方が未記入で他の方々はすべて必要という答えでした。
予防教室があれば参加するかどうかという質問には未記入の方が2人。
認知症予防教室を担当している保健師さんたちは
①参加する人たちの脳機能は確かに良くなる
②元々元気だった人たちの方が改善傾向がはっきりしている
③積極的に参加する方が改善する
④長く続いている人たちは、脳機能の低下がない(加齢があるにもかかわらず)
このくらいの実感はあると思いますがどうでしょうか?
実は劇的ビフォアアフター登場の宿木曽福島駅前「つたや」に泊まりました。外観とフロント
一方で、自主活動につながらないとかマンネリ化とか問題点もいろいろ出てきます。
初心に帰って、何のための教室なのか、考えてみてください。参加される方々が「脳を生き生きと使う体験」をするところです。
右脳や運動野をベースにひとりひとりが「あー楽しかった。あっという間に時間がたった。またこの次が楽しみ」というような時間を共有するところです。
与えられて初めてそのような時間を体験できる人もいます。
発想ができる人もいます。
リーダーシップを発揮できる人もいます。
認知症予防教室は各人各様の脳活性化の場所のはずです。
どうしても必要な条件は、脳いきいきチェックと生活指導が行われること、楽しい場所であるということと、積極的に脳を使う体験をする場所であるということです。
保健婦さんたちがなすべきことは、脳機能測定またそれに基づいた生活指導の他にも、教室内容についてのアドバイスとか講師派遣とかいろいろあります。
確かにいろいろあるでしょうが、厳に戒めなくてはいけないことは「やってあげる」という姿勢です。
脳いきいきチェックがあれば受けたいと答えた人130人。受けたくない人6人、未記入は2人。94%が「受けたい」と願っているのですよ。
教室は地区のリーダーに任せて保健師さんたちのすることが見えてきたと思いませんか。
うれしかった感想を抜粋!
・会場に入りきらない人で驚きました。 聞いてよかったではなく実行に移すことが大切であり、聞いてない人に広めていくことも大事な事だと思いました。
・認知症チェックを受けたいと思っていましたが、何か恥ずかしくて申し込めませんでしたが、今回の話を聞き是非受けてみたいと思います。
・大変勉強になりました。今日から頑張ります。今日参加して本当に良かったと思いました。
・自分が楽しいと思える生活をしたい。できることは進んでやろう。家族も明るくなる。
・明日から歩くぞ。元気で楽しく生活するよ。
ありがとうございました。私の方が元気を頂きました。