「『100歳✖️100人 元気&長生きの秘訣1万年の健康パワー』見た?面白かったし、納得できた」と友人から連絡がありました。私は見ていなかったので見逃し配信で見ました。
ウィキペディアによると「健康寿命とは日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間のこと。 」
逆に足腰に何の問題もなく、歩こうとすればいくらでも歩ける状態で、脳の判断力に大きな問題がある時、徘徊につながることがあります。
元気な100歳という時には、体だけでなく当然脳も元気という前提を見逃すわけには行きません。はっきり言葉にされてはいませんでしたが、
相撲中継、ニュースと納得のラインナップ。確かにかくしゃくとした高齢者はニュースとスポーツ番組が好きです。続けてなぜこのような番組を見るのか尋ねてくれています。
「最新情報を知っておかなければならない」
「誰かと話題について話したい」
そして具体例の紹介です。
100年で一番嬉しかったことは?の第一位は「戦争が終わったこと」
そして、寿命に影響を与える生活習慣ランキング。一位は沖縄で100歳高齢者の生活調査を続ける鈴木医師によって、元気に100歳を迎える必須条件は「つながり」だと明かされました。
そして沖縄でよく行われる「模合」の話がありました。全国的にも「無尽講」「頼母子講」などという名前で行われていた「講」の一種です。私が30年くらい前に沖縄に行った時に保健師さんが「子ども世代が那覇に出て行って、親世代を呼び寄せることが増えてきました。そうすると田舎で出来上がっていた近所付き合いが絶たれてしまって昼間はひとりぼっちという高齢者が増えてきています」
脳機能という物差しを用いた調査であったことと、当時はまだ100歳に注目している研究者はいなかったからだと思います。ちなみに100歳の双子「きんさん、ぎんさん」は翌年のデビューでした。
それでも、認知症発症に関してはアミロイドβや脳の萎縮などに原因を求めることが学会の主流という状態が、その後30年以上も続いていいます。
by 高槻絹子
年末のプレゼント企画のようなテレビ番組で、視聴者に老後の指針と元気を与える意図が感じられました。
命あっての物種ですから、体の健康を保つための調査のまとめが紹介されて行きます。
最初に感じた違和感というか疑問が大きくなって行きました。(写真は2024年年末の花)
早いですね!カンザクラ?
ウィキペディアによると「健康寿命とは日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間のこと。 」
この文章の「自立した生活ができる」ということは健康寿命の大きな柱です。自立した生活にはもちろん前半の文章に書かれているように体の健康が大切です。ただ、よく考えてみると例え寝たきりになったとしても、自分で欲することが明確にわかり、それをを伝えることができる。やってもらったことに対して感謝を伝えることができる。それならば、その生活はその人らしく成り立っていると言えると思うのです。
その時に必須なのは、その一連のことを理解して伝える能力と感謝できる能力。それらを担うのは脳。つまり、体の健康に問題があっても脳の健康に問題がなければ、それは限りなく自立生活に近い生活と言えるでしょう。
イソギク
逆に足腰に何の問題もなく、歩こうとすればいくらでも歩ける状態で、脳の判断力に大きな問題がある時、徘徊につながることがあります。
介護する家族の「寝たきりになって楽になりました」という言葉の何と悲しいことでしょう。
脳が正しい判断ができなくなったら、体の健康はむしろ不要だと…
今が何時か、ここがどこがわからない、ついでに言うとその先には自分が誰かわからなくなる状態が訪れるということは、脳の機能からいって当然起きることです。
さらに考えていくと、もちろん健康寿命とはいえませんが、ベッドに縛り付けられてなお生きている時に、見当識に大きな問題がある状態(今が何時か、ここがどこがわからない、自分が誰かわからない状態)だとしたら、それがどんなに「つらい」状況かということにも、思いを広げていただきたいのです。「健康」を考える時には、体と脳の二つの側面が必要ですね。
元気な100歳という時には、体だけでなく当然脳も元気という前提を見逃すわけには行きません。はっきり言葉にされてはいませんでしたが、
そういう疑問に応えるように番組は展開されて行きました。以下は画面を写真で撮りました。
「100年で一番おもしろかった番組は?」
相撲中継、ニュースと納得のラインナップ。確かにかくしゃくとした高齢者はニュースとスポーツ番組が好きです。続けてなぜこのような番組を見るのか尋ねてくれています。
「最新情報を知っておかなければならない」
「誰かと話題について話したい」
この二つの回答からは、この100歳の方々の意識の中に自分以外の誰かがいることがわかります。
私の体験から言ってもとても納得。
「今度の集まりの時、話をしたいんです」
「夫が死んで戸主ですから、ニュースを言われた時、何のことかわかっていたいんです」
かくしゃくとした高齢者が話した言葉です。
この人は現職で化粧品販売をしていると言われていました。
このようにだんだん生活ぶりにテーマが移って行きました。
次の調査結果も興味深いものです。
座右の銘
そして具体例の紹介です。
100年で一番嬉しかったことは?の第一位は「戦争が終わったこと」
そして、寿命に影響を与える生活習慣ランキング。一位は沖縄で100歳高齢者の生活調査を続ける鈴木医師によって、元気に100歳を迎える必須条件は「つながり」だと明かされました。
そして沖縄でよく行われる「模合」の話がありました。全国的にも「無尽講」「頼母子講」などという名前で行われていた「講」の一種です。私が30年くらい前に沖縄に行った時に保健師さんが「子ども世代が那覇に出て行って、親世代を呼び寄せることが増えてきました。そうすると田舎で出来上がっていた近所付き合いが絶たれてしまって昼間はひとりぼっちという高齢者が増えてきています」
「模合」はどのくらい継続しているのでしょうか?
テレビを見ながら、思い出というか感慨に耽っていました。
テレビを見ながら、思い出というか感慨に耽っていました。
私は1991年に東京・神奈川・静岡・愛知在住の超100歳の819人を対象にかくしゃく100歳の調査をしたことがあります。
そのまとめを日本を代表する総合医学雑誌と言われる日本医事新報誌に投稿し採択されました。
脳機能という物差しを用いた調査であったことと、当時はまだ100歳に注目している研究者はいなかったからだと思います。ちなみに100歳の双子「きんさん、ぎんさん」は翌年のデビューでした。
調査とそのまとめが大部であることを主張して、上、中、下での掲載を要求したところ「あくまでその論文ごとに掲載の可・不可を決めるので、上、中、下と論文名に入れることはできない」といわれました。
ところが第一報の採択が決まった時に「『生活実態』に関しては同一題名で1、2としても良い」という知らせが来ました。かくしゃく高齢者の道に進むための鍵は生活実態にあるという主張に光が当たったと達成感を覚えたことが懐かしく思い出されました。
コバノセンナ
それでも、認知症発症に関してはアミロイドβや脳の萎縮などに原因を求めることが学会の主流という状態が、その後30年以上も続いていいます。
この流れを断ち切るためにはもっとマスコミの力が必要なのかもしれません。
少なくともこの番組を見た人たちは、100歳まで心身ともに元気で生きる時には「人とのつながり」が必須であることに気づいてくれたと思うのです。
それは言い換えれば、いつもエイジングライフ研究所が言っている「自分らしく前頭葉をイキイキと使い続ける生活」を意味しています。
ユッカ
私の医事新報掲載の論文
「超100歳老人における『ライフスタイルと脳機能』調査」日本医事新報3542号
「かくしゃく超百歳老人71名の生活実態」(1)日本医事新報3559号
「かくしゃく超百歳老人71名の生活実態」(2) 日本医事新報3567号