脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

レインボーランタンを楽しむ会①―小布施脳リフ教室番外編

2019年06月12日 | 認知症予防教室

伊豆高原の友人キャンドル体験工房「庭カフェ」の久保さんと、雑談を楽しんでいました。
先日ブログに書いた政府の数値目標 70代の認知症割合25年までに「6%」減目標がテーマでした。(これはその後修正されましたけど)
小布施町の認知症予防のための活動「脳のリフレッシュ教室」の話になって、高齢者といえども生活がイキイキしていれば認知症にはならないという私の話を、久保さんは興味深く聞いてくださいました。認知症予防は高齢者の自尊のため、家族の介護負担軽減とひいては国家財政を救うことにもなるという話です。
そして、「じゃあ、小布施町で高齢者の前頭葉をもっとイキイキさせてあげようじゃないか!」という結論になりました。
何しろこの活動は平成14年の山王島教室を皮切りに、小布施町全地区でずーと継続されています。継続されているだけでも立派という評価はできますが、だんだん問題も見えてきています。
一つには参加者の高齢化。もう一つには多分マンネリ化。そこへこれはいい刺激になるはずと喜んで計画を進めることにしました。(といっても実際は、地域包括支援センターの原所長と横町脳リフ教室の冨田さんにご尽力いただきました。本当にありがとうございます)

第一部。レインボーランタンを作る。
第二部。レインボーランタンを楽しむ。
レインボーランタン教室。講師の久保さんの説明を、ちょっと緊張しつつ真剣に聞いている参加者の皆さん。

やっぱりちょっと硬くないですか?初めてのことですものね。

説明が具体化していくと「さあ、どういうふうな色で始めるかなあ」思いを巡らせているのでしょう!

最後の説明。

でも制作が始まると、「えーと、えーと、どの色がいいかなあ?」「もう少し濃い色がよかったかも」「ロウの厚みが薄すぎかな」などなど声も出るようになってきます。そして面白いことに教室の熱気が高まっていくのです。色を中心とした構成ですから、時間がたつにつれて目の前に「自分(の選んだ右脳の成果)」が見えてくることが達成感にすぐにつながるのでしょう。
もう一つ、はっきり口に出さないまでも「自分の作品が一番いい(正確に言うと一番好き)」というムードに包まれます。
久保さんが何度も強調した、「いい悪いは、ない」「自分のセンス」「Onry One]を実感されていく様子が、よくわかりました。

みんな違うでしょ!

お一人ずつに感想をお話ししていただきましたが、皆さんちょっと興奮気味に「楽しかった」ということをご自分の言葉で語ってくださいました。
実は私はそのことそのものにもちょっと感動しました。つまりうちの外、皆さんの前できちんと自分の考えをまとめて発表できるって素晴らしいことです。

高齢者は、家の外に出なくてはいけません。そして楽しい時間を、できるだけ友達とともに過ごさなくてはいけません。右脳を中心とした楽しい刺激を受けつつ、そのことを前頭葉が「これこそ、認知症予防!」と実感評価するような時間が必要です。
教室の始まりと終わりでは、皆さんの脳が10歳は若返ったような気がしましたよ。

第二部は、カネイチくつろぎサロンに場所を移して6:30から楽しみます。

今は営業なさっていない、老舗のお醤油屋さんの店舗部分を地域の皆さんのサロンに開放してくださっているという素敵な空間をお借りすることができました。

本や茶菓も用意されていて、町民は自由に使え、小学生が学校帰りに立ち寄って、宿題したり遊んだりしてるそうです。小布施町の持つ文化の厚みを感じます。

現在の本。大人用だけでなく児童書もあります。

昔懐かしい蔵書も。

第二部プログラムです。(続く)





(続) 小布施町脳のリフレッシュ教室交流会

2019年03月06日 | 認知症予防教室

先日の小布施町脳のリフレッシュ教室交流会でちょっと感動したことを報告しておきます。この交流会は毎年「例年通り」という企画ではなく、何か新しいことを試行するのですが、今年は「ぴあふるによる楽しい歌コーナー」が用意されていました。

いつでも、舞台上の発表に呼応して会場全体が盛り上がるのです。ただし今回は仲間と一緒に楽しむというスタイルではなく、初対面の指導者がエレクトーンを使っての形式(リトミックのようでした)ですから、参加者の皆さんがどこまで楽しめるか期待しながらちょっと緊張していました。結果はこの通り!
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終了後の指導された先生との問答です。
私「いかがですか?みなさんよく乗ってくださいましたよね?」
先生「いやぁ~皆さんおとなしめだったと思いますけど」
私「えっ!他のところの方々も高齢の方たちなんでしょ?それでももっとノリノリになられるんですか!」
先生「そうですよ。立ち上がって踊りだす方までいますよ」
私「それはどういうところ?」
先生「私たちは、施設にも行きますから」
私「あ、わかりました。それは大人の方が大人の方として楽しむというのとはちょっと違いませんか?ちょうど小さな子供が状況の理解や配慮がないままに、音楽を楽しんでいるという状態ですね。小布施の皆さんは控えめというのが特徴ですから」
先生はとてもお急ぎのようでしたので、それ以上の話にはなりませんでしたが、これだけ多数の高齢者がまったく初体験にもかかわらずここまでできることに、私は驚きました。そしてこれこそが脳のリフレッシュ教室の成果だと思ったのです。それは新しいことに挑戦する、子供の遊びのようなことに対しても拒否感がない、何より楽しんでいる!

前日には上松川コミニュティでの「ポテトの会」10周年記念のお茶会に参加会させていただきました。

4人という小人数の会ですが、「ジャガイモのようにいろんなお料理で楽しめるように、私たちもいろいろ楽しみましょう」ということで「ポテトの会」と名付けたそうです。皆さんそれぞれ個性的。それだけに魅力が増しますね。最近ニューフェースの参加が決まってなんだかワクワク気分が移ってきそうでした。
「一緒に10年も過ごすうちに、当初の目的である脳のリフレッシュ、右脳のトレーニングにとどまらず、困りごと(特に病気のこと)や悩みごとの相談をお互いにしあえるようになったことがとてもうれしい」と皆さんが口をそろえて話ししてくださいました。

お茶会の様子です。お菓子に果物、種々のお漬物、お赤飯まで。ごみ入れももちろん手作りで。この一枚の写真からも、あの時の和やかさがまた立ち上ってくるようです。
これからの高齢社会を心身ともに健康で過ごすためには、地域のコミュニティの力が不可欠です。「遠くの親戚より近くの他人」とはよく言ったものですね。身近な人たちが心を配りあってみんなで元気で過ごしていく。小布施にはこのようなムードがあると思うのは、脳のリフレッシュ教室の皆さんに会うからでしょうか。

上松川コミュニティの玄関に張られていた「ポテトの会」の年間計画表です。担当の方も一緒にお茶会に参加されましたが、認知症予防活動は地域で支えていくものです。ただし重要なことは「元気なお年寄りを、元気なままに」という予防活動でなければ無理です。
「ポテトの会」の方にお話ししました。
「高齢の方たちは認知症をとても怖がってます。心配だから散歩する、趣味を楽しむ、友達付き合いをする。そうして認知症を寄せ付けないようにすることそのものは間違っていません。
この会と他の方々がやってることの違いはただ一つ。脳のリフレッシュ教室に参加される方々は『脳のイキイキ度チェック』をしてもらえるところですよ。『確かに脳は元気です』とか『ちょっと元気がなくなってるけど、何が起きたのでしょうね』と生活を振り返ってもらえるところなんです。自信をもってこれからも『ポテトの会』を続けてくださいね」
皆さん、ぽっとお顔が明るくなったように感じました。
小布施町珈茅のモーニング

上松川でもお話ししましたが、翌日の交流会でもお話ししました。
「認知症発症が2年遅れると、認知症者が33万人、介護費用が7700億円減少する」(どのレベルの認知症か不明、出典も不明ですが、たまたま小布施行きの前日に目にしました)
770000000000÷330000≒2333333 つまり230万円寄付したことになると言いました。医療費も2000億円減少するそうですから、一人が2年認知症にならないと約300万円浮く!全体で約1兆円!
ちょっと古いのですが、小布施のこのデータは何を意味しているのでしょうか。小布施町のどの施策がこれほどの要介護認定率の差を生んだのでしょうか。



小布施町認知症予防教室交流会

2018年02月27日 | 認知症予防教室

恒例の小布施町第12回脳のリフレッシュ教室交流会に伺いました。
今年は、形式を大幅に変更していました。いつもの各教室による舞台発表は今年はなし。小グループに分かれて話し合いや音楽を使ったレクリエーションなどのプログラムでした。
一番最初はもちろん皆勤賞授与。
去年の交流会の様子です。小布施便りー第11回脳のリフレッシュ教室交流会その1

去年もたまたま高野さんの賞状を写させていただいていました。賞状の言葉がおもしろいでしょう。包括支援センターのH保健師さんの創作です。

今年は舞台発表はなしということだったのですが、「やっぱりやりたい」という2地区はやはり舞台発表しました。
高野さんは下の写真で一番前で演じている伊勢町のリーダーさんです。

「最初に伊勢町に教室が立ち上がって、高野さんにお会いした時には『お若い男性が参加してくださった』と感激しました」とお話ししたら「若く見えますか?孫もいて歳は取ってますよ」と笑って返されました。去年も今年も皆勤賞。そして「全体の舞台発表はなくても、伊勢町としての舞台発表ーみんなで会場を巻き込みながらのパフォーマンスを今年もやりたい」という決断。ここに認知症予防の一つのゴールがあると感じましたよ。
もうひとつ、小布施町の10年を超す認知症予防活動の成果をお見せしましょう。

高野さんが「みなさんもご一緒に」と声掛けしてくださったのですが、この会場のようす。みなさんが参加してるだけではありません。舞台と会場が同じ動きをしています!これはなかなかできることではありません。これは脳が若々しいということの証拠でもありますが、こういうふうに楽しめることこそが、認知症予防のための生活が身についてきたことの証拠でもあるのです。
「七草の会」の皆さんも発表を希望されたそうです。
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この後、全員で会場を回りながら、かわいい手づくり紙袋に入った飴をプレゼント。大ウケでした。

心からの拍手で迎えられました!

「七草の会」の皆さんは練習を積んで出来栄えを披露するという姿勢ではありません。
自分たちが楽しもうとする姿勢、皆さんにも楽しんでもらいたいという姿勢が迫ってきます。そして伊勢町の時に感じたように、会場の気持ちが一つになって「楽しい時」を過ごしてくださっている感覚が迫ってきます。
認知症予防のキーワードは「前頭葉」。自分らしくイキイキと楽しんで生きていく、そのことは他ならぬ自分の前頭葉が決めていくのです。
入口に展示されていた作品。右脳刺激の具体的な例ですね。

教室で得意分野が違いますから、作品作りで教室間の交流ができたらいいですね。

山王島地区のぴんころ地蔵さんにもお会いしてきました。

各地にぴんころ地蔵さんはありますが、これは小布施町山王島にできた新しいぴんころ地蔵さんです。去年、山王島の岩井さん(小布施町初の脳のリフレッシュ教室を始めたときの会長さん)から「かわいいお地蔵さんができたよ」とお話しいただいていたので、朝いちばんでお参りに行ってきました。
認知症を防ぐには、ぴんころ地蔵さんにお参りするより、もっと積極的に自分らしい生きがいを見つけて積極的に生きていく方がよほど脳が元気でいられるのに…といつもなら笑って済ませるのですが、さすが小布施町。

話がそれますが、ぴんころ地蔵さんのお顔をかしげた方、写真の左側の壁に短冊がありますね。
岩井さんの作品です。岩井さんの趣味は水墨画で、個展を開くほどの腕前ですが、いつのころからか山王島地区の希望者に水墨画を教えてくださるようになりました。
交流会の会場でそのおひとりが「水墨画を岩井先生に習ってるの。わたしまだまだ下手だけど、もしいるならお地蔵様の絵をあげたいんだけど」と言いに来てくださいました。これも素晴らしいでしょ。それぞれに合った認知症予防の生き方ですね。
このお地蔵さん建立の経緯は去年ブログにまとめました。是非お読みください!
小布施講演会の余波が続きます


みんなの長寿を祈り、またふれあいの象徴的場として、地区の重鎮88歳の岩井さんを中心に、山王島の皆さんから浄財を募ってぴんころ地蔵さんを立ててしまったというのです。他力本願なぴんころ地蔵さんにお参りしたらボケ予防ができると思っていらっしゃるわけでない!さすがと本当にうれしく思いました(詳細は上記ブログで)

去年はまだ上屋がなく建てたいという希望を聞きましたが、今年はもう建っていました。
ぴんころ地蔵さんと一緒にお祭りされているのは400年前のものという馬頭観音像。

お顔もはっきりしないほど長い間、地区で守られてきたのです。
その一画には六地蔵さまもお祀りされていて、山王島の皆さんの拠り所であるような印象を受けましたよ。それをまた訪ねてきてくれる人たちにも感じてもらいたいという皆さんの気持ちが、素直に感じられてこのやすらぎの場が大きく育って行きますようにとお祈りしました。


小布施町 林・中扇地区脳のリフレッシュ教室10周年記念お茶会

2017年09月18日 | 認知症予防教室

小布施町は、平成12年の山王島地区を皮切りに、各地区の認知症予防教室を毎年1教室ずつ立ち上げてきました。最近は各地区の10周年記念の集まりに参加させていただいています。
今年は林・中扇地区。
会が始まって最初の発言は「私たちの林・中扇の脳リフ教室(脳のリフレッシュ教室のことをこういいます)『ななくさの会』の特徴は、何ですか?」「それは、交流会の時の楽しい出し物じゃないですか。やってる人も楽しいし、見ている人も楽しいし」と答えながら、最初から型破りの出し物だったことを懐かしく思い出していました。
台本を用意して、ちょっとセリフや衣装にも凝り…というような演目を用意するには結束力が必要だということを先に言うべきだったかもと反芻していましたが、話題はどんどん進んでいきます。
集合写真を見てください。見事に笑顔!

認知症予防ということは、簡単にいってしまうと「脳をイキイキと使うこと」ということに尽きると思います。イキイキと使うには、脳の司令塔である前頭葉が自分らしく動いてないといけません。
もう一つ考えてみてください。楽しいことと苦しいことを並べてみるとどちらがよりイキイキするでしょうか?そうでしょう?楽しい時に決まってますね。
中年の男性が「親父やお袋にボケられたら困るから、心配かけたり、敢えて厳しい物言いをしたりしてるんです」と、笑いながらよく言います。「笑いながら」ですから、シビアに反論することもないのですが、私は必ず伝えるようにしています。
「脳は、楽しい時こそ活性化するのです。楽しくて、楽しくてその時間があっという間に過ぎて行ってしまうような時間こそ、脳がイキイキと活性化している。元気を失った脳は元気を取り戻すし、普通に元気なら若さを取り戻すことができるのですよ。心配したり怒られたりしてるときに、その時間があっという間に経ってしまったというようなことになるでしょうか!もっと親切にしてください」

もう一度写真を見てください。「ハイ笑顔で」と声かけしたのは一枚もありません。カメラを向けてさっと撮ることを繰り返しただけです。
全員が87歳!私のきき間違いかもと思ってしまいます(笑)

このお二人も80歳は優に超えているとか

こちらのサイドはまだ70代です。笑顔ではありませんが、この真剣な表情を見てください。眼が生きていますね

一番遠い場所に座っていた三人官女もチャーミングなこと。

脳が元気を失ってくると、表情がなくなるものです。この笑顔の写真のオンパレードは、この10周年記念のお茶会も楽しかったのでしょうが、基本的に脳の元気がきちんと維持されていることの表れです。

脳のリフレッシュ教室に皆勤したところで、月に一回。脳のリフレッシュ教室の狙いは、脳がイキイキし続けることができるような生活習慣を持ち続けるところにあります。中扇のH間さんをリーダーに、仲間を誘い合って脳が活性化する生活を実行していることが素晴らしいと思います。
かくしゃくヒント28―かくしゃくグループin小布施(2015年秋に伺ったときの情報をまとめてあります)

このお茶会では、翌日の講演会にも関わるため(次ブログで)遺影写真をテーマに盛り上がりました。皆さんは自分の年齢よりもより若く見えることに自信を持っていらっしゃるように強く感じましたよ。そのことは脳そのものが若々しいということに直結しています。

お一人ずつ、教室の感想も発表してくださいましたが、集うことの楽しさを表現された方が多かったことも印象的でした。これからも、このような生活を続けていってくださいね。お漬物やキャラブキ、くりの甘露煮やお菓子、収穫されたばかりの桃など。持ち寄りの豪華なお茶会でした。ごちそうさまでした。

フロク。翌日は講演会でしたが、小布施駅までお見送りに来てくださった皆さんたち。またもや笑顔が輝いています。


小布施便りー脳のリフレッシュ教室交流会その2

2017年03月03日 | 認知症予防教室

上松川地区。
ここは4人の小世帯ですが、全員皆勤賞。
去年も「昔の農作業」の寸劇で会場から喝さいを受けました。「顔が見えないから頑張れた」といわれてましたけど、さて今年は・・・
「昔のお母さんの一日」手作り赤ちゃんをおんぶして、洗濯、うどん作り(伸した状態や切った状態の工夫がすごい)、お風呂の準備。「そうだったなあ・・・」と私までもが懐かしく、その大変さに母への感謝の気持ちが湧き上がってきました。

「ポテトの会でねこはんてんの作り方を習った」ところからの発想だったそうで、たしかに皆さんねこはんてん姿です。一年かけて「今度の交流会の出し物を何にしようか」と考えるようなことは、日常生活上では起きて来ない脳の使い方ですね。会場の皆さんも喜びましたが、一番活性化されたのは上松川の皆さんの前頭葉だったかも。

東町・上町地区
交流会も11回を数えましたが、初めてのペープサート。
「大日堂の昔あったお話」という題もすてき。

初めてだけに開演までにチョット手間取りましたが、その間、会場からは「何が始まるの?」というワクワク感が伝わりました。「絵」がなんとなく郷愁を帯びたもので物語とマッチしていましたね。
ペープサートを思いつく方がいらっしゃることに驚きましたが、「演劇をやってたの」と軽く言われ納得しました。後で教えていただきましたが、練習時間はほんの少しだったそうです。
続けられるといいですねえ。テーマの選定、絵を描き形にする、セリフも分担し、効果音楽も入るともっと映えますね !
 
横町地区。
一番若い教室で初参加。「歌声喫茶の イメージで楽しみます」といわれました。たしかに何だか楽しそうないでたちです。こういう小さな工夫が脳を元気にするのですよ。
横町では言っておかないといけないことがあります。小布施町に「脳のリフレッシュ教室」を導入した当時のT田センター長さんの地元。ようやく教室が始まりました!ぜひ皆さんと一緒にお楽しみください。
 
「青い山脈」「おぼろ月夜」「高原列車は行くよ」会場も巻き込んでの楽しい充実した時間が流れました。 
ギター伴奏がありました。ギターと合唱が独立独歩のところが、ご愛敬。皆さんを十分に楽しませてくださいました。ありがとうございました。

林・中扇地区。
毎年どんな寸劇が繰り広げられるのか?と期待されるななくさの会。
今年は、客席で待っている皆さんは白い服が目立ってましたけど、かわいくウサギのダンスでした。ステージで見ると衣装がそれにしてもかわいいこと。

みんなでのダンスの後は、選抜隊がステージに残りました。
よ~く見てください。三人がやってる姿がちょっとずつ違う。
演技をする時はピシッと決める良さもあるのですが、それは一般論であって、脳リフレッシュ教室交流会では、いかに楽しめるかの方がはるかに大切です。
「失敗した時に、本人が笑って楽しめるような気持ちで取り組んでください」と私は何度言ったかわかりません。
ななくさの会の皆さんは、いつでも十分楽しめてますよね。

東部地区。
寸劇「ありがたや節」。そうだ!こんな歌がありました。
それに加えて舞台に出てきた皆さんのいでたち、そのものが面白いのです。皆それぞれに一ひねり一工夫が凝らされています。

靴磨き。

ピコ太郎も。

よくもこのような衣装があったこと。わらじは編んだのですか?

大島地区。
リーダーK林さんが何と客席なかみちからチャイナドレスで登場、脇のスリットはモモまで開いてましたね!見とれていて写真が撮れませんでした。
「麦畑」の合唱です。「麦畑」はオヨネーズによる東北弁の求愛歌で、麦畑で松っあんとおよねさんが掛け合う歌詞が面白いのです。
男女組に分けておそろいの衣装、そのうえで松っあんとおよねさんを一人ずつ設定してやり取りをする。全体は合唱スタイルで。このひと工夫に注目。楽しいですね。

舞台右半分は女子組(およねさん)赤いほっぺもみんなと一緒ならこわくない!

左半分は男子組(松っあん)ひげ姿も一人ずつ違います。

都住地区。
昨日お会いしたばかりですから、子どもの学芸会を見守る母の気分です。右端後姿の方が、都住コミュニティセンター相談員のK田さんです。もちろん、今日も世話役でもありますが一緒に登場。
肩たたき体操。

会場の皆さんも一緒に。乗りの良さと体を動かす気持ちよさで二度やりましたよ。
こういうシーンは感動的です。小布施の人たちはどこか控えめであんまり主張しないことが多いのです。みてください!
皆さんの参加ぶりを。しかも表情の良さも特筆すべきことでしょう。
こういう時にすぅーと乗れることそのものが、認知症予防教室の効果といえます。生き方に働きかけたのですね。

今年も楽しませていただきました。ありがとうございました。




 


小布施便りー第11回脳のリフレッシュ教室交流会その1

2017年03月02日 | 認知症予防教室


第11回脳のリフレッシュ教室交流会も、例年通り市村良三町長さんの挨拶から始まり、皆勤賞授与と続きました。人数を記録し忘れましたが、人数の紹介があった時に会場から「お、おおー」という声が広がるほど、多かった。教室ごとに代表者に賞状が渡されるのですが、皆勤賞は13教室中10教室に渡されました。受け取る人も、授与される町長さんも皆さん笑顔。いいものですね。
「月一度は脳のリフレッシュ教室に行って、皆と楽しく過ごす。年に2度は脳の健康チェックを受ける」このことが習慣になれば、病気や法事などよほどのことがない限り皆さんは出席されるということなのですね。そのまま脳が健康な高齢者への道を突き進めることになります。
さあ、交流会。トップバッターは中町・中央地区。

葛飾北斎の歌があるんです。会場の皆さんでも知らない人がたくさんいらっしゃったようでした。
東京に「すみだ北斎美術館」が開館して評判を呼んでいますね。私はもちろん行きましたけれども、小布施は最晩年の肉筆画が多数残っているところが、一番の宝でしょう。
うちわが北斎画ですよ。

伊勢町地区。
発足時から、ややお若いT野さんが率先してステージ発表されました。そうすると選曲がちょっと違うのですね。今年はなんと 幼稚園や保育所の卒業式の定番名曲「思い出のアルバム」。今年の活動内容を伊勢町版として読み込んでいました。ハモニカ伴奏ありがとうございました。

早口言葉。会場からもチャレンジの声が大きく響きました。そうなのです。「見るだけ」「聞くだけ」に比べて「やってみる」ことで脳の活性化はグンとアップするものです。

北部地区。
替え歌づくりの名人K澤さんを擁していますから、毎年脳リフ教室としては納得の替え歌が披露されますが、今回のメインは「月の砂漠」をそのままに使用。でも衣装に工夫が。ロイヤルファミリーの登場です。異国風髪飾りが目を引きますね。

なかなか上品なカップルですこと!皆さん表情豊かです。T中さん、大きな声が出ていました。

六川地区。
太極扇です。去年初登場の時は会場から、ちょっとどよめきが上がりましたよね。今年はさらに磨かれた演武でした。お揃いのスタイルに赤い扇。それがそろうということは見事なアピール力でした。
 

決まった瞬間を撮りたかったのですが、なかなか難しいものですね。
一人の演武もいいですが、みんなの気持ちを揃えて演舞するのは、また別の達成感につながるのではないですか?ビシッと決まってます。

飯田地区。
「じいちゃん、ばあちゃん。元気はつらつ」の声が耳に残っています!いい歌詞ですね。

みんなで一緒に歌を歌うだけでも、右脳刺激なのですが、さすが飯田地区一工夫してありました。
ちょっとおしゃれなマフラーに注目。健康体操ピコ太郎の曲に乗って実に楽しそうでした。

山王島地区。
「去年仲間を3人見送りました・・・でも最後までその人らしく生き抜いてくれました。教室にもずーと参加してくれました。今日はその仲間に聞いてもらいます」このような挨拶から始まりました。
その三人は、山王島の長老久保田さん95歳、千曲合唱団のハモニカ伴奏を担当された方、病気と闘われた方・・・。皆さん男性ですが、教室にはよく参加してくださったのですよね。

教室開始から、もう15年になるのでしょうか。
見送ることを恐れないで下さい。会えなくなることは寂しいことですが、どのように「生きた」かということこそ大切です。その方がどのように生きたか、みんなの胸の中に刻みこんであげられたら、会うことはできませんが、思えばいつでも胸の中には生き続けてくださることになります。
どういう姿を残してもらいたいでしょう。
どのように生きたかということが、残された人たちの胸の中に残る姿ですよね。
自分らしく、イキイキと。楽しい日々を送りましょう
 
山王島地区の千曲合唱団。何回も聞かせてもらいましたが、今回ほど 皆さんの気持ちが一つになり声もよくでた回はなかったと思います。
 
交流会終了後に、山王島の方から声がかかりました。
「千曲合唱団の『明日があるさ』はどうでしたか?」
「とってもよかった!皆さんすごく声が出てたでしょう。私、涙が出ました 」
「ほんとに。『三人に聞いてもらおうね』ってみんなで心を合わせたんです 」

町長さんのご挨拶の時に「小布施町の認知症予防活動も15年になり、高槻先生も老けました」という言葉があり、笑いが浮かんでしまうほど納得しました。フーテンの寅さんがいたら「それを言っちゃあ、おしめえよ」と言ってくれたかもしれませんけどね。
私が齢を重ねたのと同じだけ、山王島の皆さんも齢を重ねられました。白髪が目立ったリ、腰が曲がったり。
でもうれしいことに、皆さんの脳はお元気なままに来ているのです。素晴らしいことです。
今回も、ちょっと耳にしました。
「1月19日に肺炎で市民病院に緊急入院したんだけど『入院するとボケちゃうからとにかく行っておしゃべりしてあげなくては』と、遠いし忙しいのに娘が毎日来てくれたんだよ。それからこの交流会に出たくて、先生のいうことをよく聞いてがんばったんだ」87歳の安藤さんが元気に歌っていらっしゃるのをしっかりみましたよ。会の後で奥さまも「よくがんばってくれました」と喜んで報告してくれました。
「ボケない生き方」を、それぞれに自分のものにしていらっしゃるのですね。
認知症を予防できれば、何よりの成果は「その人らしく人生を送ることができ、その姿を皆の胸に残すことができる」。
次に「家族に介護負担をかけることがない」ということにつながります。
それだけではなく「小布施町、長野県、ひいては国」の財政に貢献することにもなります。
山王島地区はじめ小布施町の「脳のリフレッシュ教室」の皆さんは、胸を張って活動を続けてください! 

 


小布施便りー都住地区10周年

2017年03月01日 | 認知症予防教室

恒例の小布施町へ。
今年は、まず都住地区の10周年記念のお茶会にお邪魔しました。ここのところ伺うたびに毎回、どこかの地区の教室の10周年!よく継続してきたものだと感慨深いものがあります。

持ち寄りの、お漬物のオンパレード。はなまめ、むかご煮。
特筆すべきはシフォンケーキ。都住地区コミュニティセンターの相談員をされているK田さんの手作り。
小布施町の認知症予防教室、脳のリフレッシュ教室は地区それぞれの特徴があります。それは教室を支えたり、引っ張ったりする人材が多様だということです。
集まっている高齢者の中から、ごく自然にリーダーの役割を担う人がいたり、地区の婦人会がとてもよく協力してくださったり、ここ都住地区のようにコミュニティセンターの相談員の方が心配りをしながら教室がスムーズにいくように動いてくださるところもあります。
(まず写真を見てください。写真の下に説明を書いています)
 
私はこの紫色のセーターを着たおしゃれな方の左隣に座りました。
するとすぐ「私、88になるの!」
そこで 私もすぐに「お若い!ということは生きがいとしてやっていることがあるでしょう。何ですか」と返します。
会話はボールのようにはずみます。
「あのね、4人家族の食事をまだ私が作ってるの。腰が痛いんだけどね。まあ一緒に住んでるのが娘だから、すぐに口げんかもするけど、おいしい時にはおいしいって言ってくれるから、やりがいはあるわねえ。脳にいいことしてるってことよね」

左の方は、教室最高齢91歳。居合わせた皆さんが自慢そうに「91歳なんだから、すごいでしょ」と。
ご本人の声も飛んできます。
「私も、料理作ってるよ。そうすると、テレビを見てたり何か読んだりするときに『 これなら作れる!』って見つけて、作ってやるの。それって楽しみ」
そこで私。「『珍しいでしょ!おいしいでしょ!』って威張りながらね。そうでしょう?」 
笑顔で肯いてくださいます。
ハキハキした声で「自転車でね、先生の講演会には行くんだよ。去年は横町だったでしょ」そう、当りです。当たりですが、91歳で自転車を乗り回しているなんて!
「気を付けてくださいよ。気持ちに体が付いて行かないことがあるといけないから」とつい過保護な発言をしてしまいました。
右の方は1歳年下とか。このお二人は家が隣同士で、毎日会っておしゃべりしてるそうなのです。
ご当人たちはもちろん、ここにいる全員が「だから二人ともこんなに元気なんだ」と自信を持っているのが伝わってきて、楽しいやら、うれしいやら。
その通りです。楽しくイキイキと生きるときに、一人は無理、友達がある人は幸いです。
 
最高齢91歳の方とお隣同士の、左真ん中の方が「嫁に行って大家族だったもんで、3升のご飯を炊くようになったときは 重くて持ち上がらなかった」といえば、すぐに声が続きます。
「何かの時には、頼りにしてるから。ほんとにたくさんのお米を炊くのが上手なもんだからね」
「おかげさまで、たくさんのお米の炊き方を教えてもらったの、娘さん経由でね。子どもたちのキャンプでどれだけ助かったか」これは包括支援センターから来たスタッフの発言です。
こういう話が飛び交う時、みんなの顔が笑顔になります。同じ時代を生き、苦労も喜びも実感しあえるからですね。
認知症が進んだ人たちに「回想法」を使うことがありますが、この教室での会話は本質的に違います。「昔」の話をしていても「今」を生きているからです。たとえ90歳の声を間近に聞こうとも、脳は現役で働いていますから。

右真ん中の紺色セーターの方は腰が痛いそうですが…なんといい笑顔でしょう。
病気をしたり、家業を息子さんに譲ったりが重なって、ほとんど何もしない生活が続いていたらしいのですが、お友達に誘われてこの教室に参加し始めたら、「楽しくて」。今はもう一つ別の脳のリフレッシュ教室にも参加していると!
よかったですね。脳が喜んでいますよ。
 
この真ん中の手編み風(確認したら「手編みにみえるでしょ!でも手編みじゃないの」と笑われました)グレーのカーディガンの方は、おいしいおやつを作ってきてくださいました。最初の写真の左真ん中の揚げ物ですが、何と干し柿の皮のかき揚げ。
「どうやって戻すのですか」と尋ねたら 
「お湯で洗うとそれだけで大丈夫。どうせ揚げるから」
皆さん口々に「柿の皮は お漬物には入れるけどね・・・」とか「この食べ方、知ってる。でも懐かしいわあ」とかおしゃべりしながら、ちゃんといただきます。
結局、皆さんでお皿いっぱいをいただいてしまいましたよ。作り甲斐があるというものです。

私に対面して座られた皆さん。
真ん中の方が、一番の新人。
「どうですか?楽しいでしょ?」と尋ねたら破顔一笑。答えはいりませんね。

右の方。このやさしそうな笑顔が印象的です。なんだか都住の方たちは穏やかなやさしさにあふれていました。
「自分一人が元気ならいい」ではなくて「みんなで手を取り合って、脳も体も元気でいようね」という気持が伝わってくるようでした。

一枚前の写真は元気がなさそうでしょう?でもこのアップの写真はどうですか?花丸、キラキラです。
K田相談員が「おひとりでいて、楽しくなさそう」だったので教室に誘ってくださったんですって。
小布施では各地区に「脳のリフレッシュ教室」が立ち上がってるので、参加されている皆さんは脳を元気に保っていくことができていらっしゃいます。
「家にこもっている人に『この教室は楽しくて、脳の健康を守ることができるから遊びに来てごらんなさい』と誘うのは皆さん方のこれからの務めです」とお話ししましたが、多分わかっていただいたと思います。
ただ、実行ができるかどうか???
そういう時に、相談員さんでも民生委員さんでも、「元気な人を元気なままに」という脳のリフレッシュ教室の意味をよく知ってもらって、地区の教室を勧めることができるような町になるといいですね。

余りにもおしゃれなベストでしたから「お手製ですか?」と聞いてみました。
当たり前のように、肯いてくれましたから「教えてあげたら・・・」というと、「もちろん」と即答。
今までにいろいろな作品を皆さんと作られたそうです。このように一芸に秀でた人がいると、ごく自然に教えあうことができるものです。
次のステップとしたら、教室間での教えあいにつながるといいですね。もちろん遊びあいでもいいのですよ。 
楽しいひと時はあっという間に過ぎていきました。 


 


認知症予防教室の必要条件―脳機能検査

2016年05月07日 | 認知症予防教室

今年の実務研修会は9月3~4日、浜松で実施の予定です。
先日の後家楽(ごけらく)は、下松市の保健師さんからの問い合わせから思い出したことを書きました。
講演会会場で発見

大分県日出町のM石保健師さんからも、別件で問い合わせがありました。
ずいぶん久しぶり。
今回の地震のお見舞いをまず言いました。(幸いにも、大分はそんなに被害はないそうです)それから「その後の予防活動はどうなってますか?」と尋ねてみました。
尋ねながら、日出町のスタートはH15年だったことを思い出していました。
実務研修会を受講したばかりのM石保健師さんを励まして、認知症予防教室の立ち上げをお手伝いしたのです。
エイジングライフ研究所では、認知症予防教室が「単なる歌って、遊んでの従来型のデイサービス」とは違って、あくまでも「脳の健康づくりのための実践・学習場所」であることを大切にしています。
その主張の基本を下にまとめてみましょう。
「この新しい集まりが、自分が恐れてやまない認知症予防のためのものであること。
認知症予防のためには、体の健康に注意するように、脳の健康にも注意が必要であること。
体の健診のように、脳もイキイキ度チェックで年齢相応の老化にとどまっているかどうか調べる必要があること。
もし老化が加速していても、早期であれば脳をイキイキと使う生活に変えれば回復が可能であること。
つまりこの教室は脳の健康を守ったり増進したりする脳の使い方を実践する場所であること」

もちろん教室では「脳の機能」についての解説、右脳・左脳・前頭葉の働きなど学んでもらいます。特に認知症予防には右脳と前頭葉がカギ。
自分らしく生きていくために必須の前頭葉の機能。人生を楽しく過ごすための右脳。これらの機能は学んで理解しても、あまり意味はありません。実践こそがその働きなのです。
「右脳を使いましょう」ではなく「歌ってみましょう」「描いてみましょう」「(作品、料理など)作ってみましょう」「ゲームに挑戦」「体も動かしましょう」社会科見学、ボランティアなどなど「やってみた」時に右脳が動きます。その楽しさや充実感を実感してもらって、教室以外の日常生活を活性化するというのが認知症予防教室の目的です。

今ここに並べあげた目的を、参加者の皆さんに納得していただくための王道があります。それが脳機能検査を行うこと。
教室開始時にまず検査。そして一人一人その人の脳機能に合致した生活(改善)指導をします。特に脳機能の低下がみられる場合(老化が加速している場合)には生活を見直して、何をきっかけにナイナイ尽くしの生活が続くようになったか振り返り、教室で右脳や前頭葉を使う意味を再確認します。
そして、教室終了時にも脳機能検査を行い、改善したかどうか、低下していないかどうかチェックし本人に伝えます。

市町村の保健師さんが認知症予防教室を立ち上げて、次に行き詰まるのは自主活動へのつなげ方、他地区への波及方法などです。この「脳機能」というアプローチを持つと「脳は使ってこそ、活性化する」訳ですから、指導がスムーズに行くことが多いのです。

「脳機能」というアプローチを持つ、そのまた近道は前述したように「脳機能検査を教室前後に実施する」ということです。
それで日出町のその後の報告です。
「それが、予防教室が続いているんです。しかも自主活動で何か所も!」M石保健師さんもうれしそうでしたね。
私は「脳機能検査はやっているのね」と確認します。活動が継続していて、しかも自主活動にまでなるとしたら「脳機能検査」をやっている以外考えられませんから。
「はい。やってます」というお返事が聞けました。
そうですか!よく継続してくれました。どんなに多くのお年寄りの脳の健康を守ったことでしょうか。
脳機能検査はその人その人の生活指導に使うものですが、全体を経年的に見ることも事業のまとめとしたら必要なのですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


自然発生的なボランティアによる認知症予防教室ー「ルツのテーブル」in鎌倉②

2015年12月21日 | 認知症予防教室

「ルツのテーブル」主宰者のY田さん

「ルツのテーブル」のことを知ったのは、今年の6月でした。
もう30年近くも前、友人のM子さんの子供たちがプレスクールのような集まりに参加していたそうです。そこでお世話になったS田先生。M子さんとずーとお付き合いが続いていることにまず感動。お会いしてその若々しさに再び感動。89歳におなりだとか。

みずみずしい感性をお持ちで、少女のように話されます。お土産は「季節に合わせましてね。いかがでしょうか」とアジサイの名がついたお菓子を持ってきてくださいました。「色もかわいくて気に入ってます」という表現も若々しいですね。
「S田先生の生活の中にその若さの源がある」に違いないと尋ねてみました。

「楽しみにしていらっしゃることは何でしょうか?」
「いろいろあるんですけれども、友人が地区のおひとりくらしの方たちのために昼食会をしてましてね。そのお手伝いというか。毎月第2火曜日なんですが、12月にはクリスマス会になるのです。そこで皆さんにプレゼントをお渡ししたいものですから、大体1年かけて作ってます」参加者全員分のランチョンマットとプレゼント用の刺しゅう入り布巾!
その布巾を私にも持ってきてくださいました。

「皆さんで歌も歌うし劇もやるし。楽しいんですよ」
こういうやり取りがあって、12月の「ルツ゚のテーブル」定例会(クリスマス会)に伺うことになったのです。

Y田さんのお話しです。といっても大忙しの一日でしたから、ほんのちょっとだけ伺いました。
「最初は、ご近所のお一人暮らしの方のために何かして差し上げたいと思いました。いろいろ考えたのですが、お食事会なら楽しみにしていただけるかしらと思って、月に一度我が家でランチをご一緒することにしたのです。S田先生はそこから協力してくださって。
そのうちに、主人が病気になって家ではちょっと無理…そうしたらここの鎌倉雪ノ下教会のホールを使わせていただけるようになりました。
教会関係の方も手伝ってくださるし、もう長く続いているんですよ。
それと、男性の方のご協力もありがたいことです。奥さまとご一緒にみえたのですが今ではなくてはならない方。なぜかっておもしろいんですもの。『W田大学理工学部保育学科卒』とご自分でおっしゃるんです。お話もうまいし楽しませ上手」
どういう生き方ができる人が、ボケにくいか皆さん十分に承知していらっしゃる(笑)
協力しているスタッフはクリスチャンの方もそうでない方もいらっしゃるそうですが、クリスマス会は最大イベントなのでしょう。
会場の設営、劇の準備、歌の伴奏、食事の用意、プレゼントの用意…実に手際よくそれぞれの分担をこなしていらっしゃいました。
どれも大変でしょうが、参加者全員に大きな紙袋入りのプレゼントまで用意されていました。

S田先生からのプレゼント

ランチョンマットの左上にのせられている布製お菓子ボックスは、外も中もプレゼント!お菓子がピンクの部分にも緑の部分にもたくさん入っていてワクワクしました。

入り口で好みの色のベルのブローチを付けていただきました(これもプレゼント)が、紙袋の中には、さらなる手芸品も。我が家のクリスマスツリーにやさしさを添えてくれています。

帰宅してから、こんな素敵なプレゼントにも気づきました。本当にありがとうございました。

Y田さんにも、S田先生にもお話ししたのですが
「最初は、ご近所のお年寄りに何かしてあげたいというお気持ちで始められたことでしょうが…」とここまで私が言うと
お二人とも
「今になってみると、ほんとうに自分のため!準備など大変なこともあるのですけれど、自分も楽しいんですよ。そのうえ楽しみにしていただけたり喜んでいただけたりして、生きがいですね。私たちのボケ予防だと実感しております」

「これだけの会ですから、準備はほんとに大変でしょう…」
「いえいえ、みんなでかわいいものを作ることも楽しいんですよ。部屋の飾りはどうしようとかカードはどうしようとか
手芸品の材料や色合いなんか工夫するのも、楽しくて。この帽子はカップヌードルの容器なんですよ」

「今おっしゃったこと、全部右脳の出番です。小物のどれもこれも、シール一つでもクリスマスらしさがプラスされていて楽しくなりました。『大変』と思うか『生きがい』と思うかその決定権は前頭葉にありますね」とエイジングライフ研究所の考え方もチョットだけお話ししてきました。


自然発生的なボランティアによる認知症予防教室ー「ルツのテーブル」in鎌倉①

2015年12月20日 | 認知症予防教室

「ルツのテーブル」に招かれて、一緒にクリスマス会を楽しんできました。
この会は、有志のご婦人の思いに共感されたボランティアの皆さんたちが、月一度地域の高齢者のために開いているお食事会。そのときどきで、歌ありゲームありお話しありの楽しい一時を過ごされているそうです。まるで、ランチ付の認知症予防教室ではありませんか!

鎌倉駅前の鎌倉雪ノ下教会の地下ホールが会場でした。クリスマスらしい飾り付けがされた会場。

参加者がいらっしゃると、スタッフが目ざとく駆け寄っては抱きかかえるように席に案内します。
その時の声掛けに心があふれています。
「まあ、お元気そうで…」「よく来てくださった…」「お加減はいかがですか?」「お待ちしてましたのよ」などなど

ステージでは聖歌隊の皆さんが練習中。聖歌隊の中に、この会の協力メンバーがいらっしゃるそうです。

ちょっと、台所に目をやるとせっせと今日のお昼が作られていました。

定刻になり、まず皆さんで合唱するところから会がスタートです。

牧師さんのお話しをいただいてから、お食事がスタートします。私のテーブル!
おいしいミートローフ。スープもお菓子もおいしくいただきました。
さあ、ここからが本日のメインイベント。参加者とスタッフ全員参加のクリスマス劇の始まりです。
もうずいぶん前から、この劇「その星を見て」は演じ続けられているそうです。

「まったく同じ台本で」と笑いながら代表のY田さんが説明してくださいました。「当日に配役を発表するのですが、もう少しセリフの多い役がよかったとおっしゃる方もいらして。おもしろいでしょ」

当日渡される台本には自分のセリフのところが赤印が付けられていて、その台本を見ながらセリフを言うのです。
様々な衣装も用意されていて、その着替えもスムーズなものです。あっという間にキリスト降誕の時に連れて行かれます。台本片手に進行を担当するスタッフの方はまるで演出家のようです。

スタッフの皆さんは参加者の方々の間に座りセリフがスムーズに進むように気を付けてくださいます。

天使たちも出番を待ってます。右端の方が最高齢ということで「撮ってください」の声がかかりました。

東方三博士!衣装も素晴らしいですが演技もなかなか。たまには「セリフをとられてしまったので、もう一度言わせてもらいます」と博士らしい口調でアドリブが飛び出したり。真剣に、なおかつ楽しんで演じられていました。

ヘロデ王。プロのパーカッショニストの方。ちゃんとその出番も考えられていましたよ。写真をお願いするとちゃんと王様らしくポーズをとってくださいました。

観客がほとんどいない劇。でも終了時には大喝采。
本日締めの全員参加の輪唱は3パートに分かれました。それぞれのパートに熱心なリーダーがついて、とても盛り上がり、もう一度達成感を感じてもらうことができたと思いました。

続けて記念写真の撮影でした。今日は聖歌隊の方々もいらしゃっていましたから50人くらいになったようでした。

楽しいクリスマス会でした。
こういう理想的な地域での活動があることに、感動しました。
認知症サポータ―という制度があります。90分の講座を受けて、地域の 認知症や家族の方のサポートをするというものですが、認知症になって問題が明らかになってしまった方たちへの援助は、とても困難なものです。
それよりも、毎月第2火曜日に決まって集うこのような会こそ、地域の高齢者を認知症から守りうる活動モデルです。(続)


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