先月、北海道下川町で講演をしました。
杉之下保健師さん経由でお手紙をいただきました。
見事な毛筆のお手紙でしたが、その格調の高さの中に漂うユーモアにびっくりしました。
よく読んでください。
私の講演を「禿頭にとろろ」「油紙に火」と表現してくださったのです。
「禿頭にとろろ」すらすらよどみなく流れるさま
「油紙に火」燃えるようなエネルギーと
気分よく解釈して、それにしてもこのユーモアあふれる表現力!と舌を巻きました。
そこで、御礼かたがた「ブログで紹介してもいいですか?」とお尋ねしたら、分厚い封筒が届きました。
本田榮太朗さん。「傘寿を無事終え・・・」とお手紙にありましたから80歳を超えていらっしゃることになりますね。ちなみにこの写真を撮られた日付は2007年11月4日。
お若いですね♪
私は、ボケ予防活動をもう20年ほどやっています。たくさんの小ボケの方にお会いしましたし、一方で高齢になられてもほんとにお元気な方々にもお会いしました。
小ボケになっていくきっかけは多様ですが(前頭葉の出番がなくなっていくということは共通)、お元気な方には共通な生き方があります。
それは、講演でお話しするように「生きがいがあって、趣味や交友を楽しんで、運動も欠かさない」ということなのですが、その生き方の根底には、どうもユーモアとか物事を楽天的にとらえる傾向とか積極性とかがあるようなのです。
このたび送ってくださった資料を拝見すると、下川文化協会の顧問をはじめとして、町のためにいろいろと尽くされている様子に、「やっぱりね!」と納得。何もしないで、カクシャクでいることは、絶対にありえないのですから。
そこにプラスして、「本田榮太朗健康の訓」
読んでると楽しくなりますね。
体も脳も健康でいるための工夫を、このように表現できるところが本田さんの真骨頂。
お手紙にも「上智大学アルフォンス・デーケン先生の著書に『ユーモアは老いと死の妙薬』『よく生き、よく笑い、よき死と出会う』とのこと、肝に銘じております」と書かれてありました。
どのように生きるかを決めるのは前頭葉。
白紙で生まれる前頭葉はどのように育られていくのでしょうか。
まず第一段階としては、両親の人生に対する価値観が、幼い前頭葉の基本を作ります。
その後、体験しては、納得して自分の物差しとしたり、反省して対応を変えたりを繰り返して、その人らしい前頭葉が育っていくのです。その人らしい生き方は、幼いときからの生き方の集大成ということになります。
本田さんをはじめ、かくしゃくとしていらっしゃる高齢者の育てられ方に、ボケ予防の真髄が隠されていると、私は見ています。
掲載のお許しを依頼しながら、実は「絶対大丈夫!」と確信していました。カクシャク高齢者の皆さん方はほんとに積極的ですから。
以前、加藤しずえさん(初の女性代議士)に脳機能テストをさせていただいたとき、「他にもっとないのですか?」とやる気満々に対応してくださったことを思い出します。
本田さんの積極性を、是非下川町の認知症予防活動にも発揮していただきたいと期待します。
資料には、ご自宅の地図までありました。今度はいつ下川に伺えるでしょうか?