脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

平成22年北海道便りー岩見沢②(サロン申し込みが三か所も)

2010年10月29日 | 各地の認知症予防活動

前のブログで、岩見沢では、サロン立ち上げが保健センターの予想よりも多い三か所になりそうだというお知らせをしました。
市民の皆さんの認知症予防の理解と意識が高まっていることの表れだと思います。
が、もう一つの情報を見てください。当日配られたプログラムの裏表紙です。Img_0002

このような保健センターの姿勢が、「ボケは早く見つけて手を打とう」とか「ボケの予防はできるんだ」という市民感情を育てているとは思いませんか?

今回、岩見沢での保健師さんたちの勉強会で感激したことがあります。
「サロンで経過を見ていた方なんですが、脳機能低下の原因になるに違いないという 生活上の変化があった方がいたんです。ところが脳機能テストを実施してみると、低下どころか改善していたのです。
お話を伺ってみると、『こういうときに負けたらいけないんでしょ?保健師さんが教えてくれたじゃないですか。その気になって頑張りました』と言われたんです」

私が「すご~い事!」と言ってしまわなかったら、多分この先には「ボケるかどうかは生活ぶり、脳の使い方一つなんですね」と言う言葉が続くはずだったと思います。

このような保健師さんたちの実感こそが、上記のように脳の健康相談「脳イキイキ度チェック」を定期的に実施するという事業につながるのです。
なかなか、踏み切れない保健師さんたちも多いようですが、少なくとも住民は待ち望んでいますよ。
岩見沢公園のバラ2010_1021_115800p1000170 2010_1021_114300p1000169

エイジングライフ研究所は認知症予防のための三本の柱として
①地域が自主的に継続する予防教室
②早期相談窓口(生活改善指導対象者と医療機関に紹介すべきものとの区別ができる)
③ボランティアの育成 

が必要と説いたのは、もう 15年も前からです。

私たちの主張は、「ほとんどの認知症は脳の老化の加速によって引き起こされ、その老化の加速は、脳の使い方が悪いことによる。だから生活改善のための指導が必要だ」ということですから、保健師さんたちの出番が待たれるのです。
手技は指導しますが、体験の中から納得していっていただきたいと思います!

平成19年に岩見沢に伺った時が脳イキイキ検診当日に当たっていて、非常に珍しい緩徐進行性失語と思われる方に会いました。
とても気になっていたので、その後のことを伺いました。
「受診なさって、お薬の処方があったそうですが、その後はそちらの方に行かれたままになっていまして・・・」
医療機関にかかって、病名が出たとたんに安心して?もしくはあきらめて?もしくは薬に頼って?生活改善のために努力を忘れるケースがいかに多いことか!
あの方の場合は、受診後どういう診断が出てどういう経過になったのか?と思いました。でも、これが私たちの活動の限界です。生活指導の力が及ばなくなったときには諦めるしかありません。

ところで、プログラムの裏表紙の上半分です。Img_0003

岩見沢市が、このまま生活改善指導を主軸にした認知症予防活動を継続していって下さるように願っています。頑張ってくださいね。


平成22年北海道便りー岩見沢①(サロン申し込みが三か所も)

2010年10月29日 | 各地の認知症予防活動

岩見沢の講演は三回目だったでしょうか。岩見沢駅が立派になっていてまずびっくり。2009年度のグッドデザイン大賞を受賞されたそうで、何だか、町までも元気のようで嬉しかったです。ユニバーサルデザインの考えが感じられました。これからは何をなすにもさまざまな「人」を考慮した考え方が必須ということでしょう。
岩見沢駅2010_1020_153000p1000138                         ホームには「一頭立ての馬車」が!2010_1020_152700p1000137

当日は秋晴れの素晴らしい日で、午後からの講演でしたから午前中は岩見沢公園に行って英気を養いました。秋バラの最盛期でみごとでしたよ。

さて仕事の報告を。
今回の講演は、通常の認知症予防の啓もう講演だけでなく「自分たちの地区でもサロンを立ちあげてほしい」と希望する地区が名乗り出てくれるステップになってほしいという目的がありました。
名乗り出るということは、活動を自主的に持っていきやすいし、当然継続もかなりのところ保証されますね。
岩見沢市もすでに市内で5か所のサロンを立ち上げて、自主継続されていますので、そのサロンのうち南町中央いちご会が活動発表をしてくださいました(「人間手作り輪投げ」ゲーム)。  会場いっぱいの皆さんを前にして、のびのびとした発表で感心しました。2010_1021_132600p1000176Photo

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定番のヒャッピー体操も!かわいい・・・Photo_2

講演後の、希望者によるサロン(認知症予防教室)立ち上げのための交流会が面白かったのです。
最初はグループに分かれて自由に質問をぶつけあうという形式をとったのですが、現在実施中の地区の方々と、これからやってみたいなあと希望している方々がランダムに着席していたことが功を奏して、この段階で非常に盛り上がりました。

未実施:「夫が小ボケになったら私は気づくけど私が小ボケになっても気づいてくれる人がいない」
既実施:「よーくみんなで気をつけてみてあげるだろう」
     「サロンに誘って、よくしてあげる!」

未実施:「老人会があるけど、それをベースにしたらいいの?」
既実施:「ボケ予防という目的をはっきりさせて、別に誘うべき」

既実施:「民生委員の会合でサロンのことを知ってこれはどうしてもやりたいと思ったんです」

未実施:「何をしたらいいのか・・・」
既実施:「保健センターも指導してくれるし特別のことをするわけではない。
      私にできることをして、私のボケ予防と思っている」
80歳の能登屋さんはこのように発言されただけでなく、下の計画表を持参していて皆さんに見せてくれました。Img

すかさず、同じサロンの方からも「負担ではない」ことがやさしく語られました。
若手の方でしたから、文字通りの地域単位の活動が行われていることがうかがえました。 真ん中能登屋さん右端はいちご会のお世話役2010_1021_170500p1000189

その後岩見沢の保健師さんから頂いた報告ではなんとサロン立ち上げの希望が三か所から出たそうです。大成功!(変換モードがおかしくなりましたので続きにします)


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