前のブログで、岩見沢では、サロン立ち上げが保健センターの予想よりも多い三か所になりそうだというお知らせをしました。
市民の皆さんの認知症予防の理解と意識が高まっていることの表れだと思います。
が、もう一つの情報を見てください。当日配られたプログラムの裏表紙です。
このような保健センターの姿勢が、「ボケは早く見つけて手を打とう」とか「ボケの予防はできるんだ」という市民感情を育てているとは思いませんか?
今回、岩見沢での保健師さんたちの勉強会で感激したことがあります。
「サロンで経過を見ていた方なんですが、脳機能低下の原因になるに違いないという 生活上の変化があった方がいたんです。ところが脳機能テストを実施してみると、低下どころか改善していたのです。
お話を伺ってみると、『こういうときに負けたらいけないんでしょ?保健師さんが教えてくれたじゃないですか。その気になって頑張りました』と言われたんです」
私が「すご~い事!」と言ってしまわなかったら、多分この先には「ボケるかどうかは生活ぶり、脳の使い方一つなんですね」と言う言葉が続くはずだったと思います。
このような保健師さんたちの実感こそが、上記のように脳の健康相談「脳イキイキ度チェック」を定期的に実施するという事業につながるのです。
なかなか、踏み切れない保健師さんたちも多いようですが、少なくとも住民は待ち望んでいますよ。
岩見沢公園のバラ
エイジングライフ研究所は認知症予防のための三本の柱として
①地域が自主的に継続する予防教室
②早期相談窓口(生活改善指導対象者と医療機関に紹介すべきものとの区別ができる)
③ボランティアの育成
が必要と説いたのは、もう 15年も前からです。
私たちの主張は、「ほとんどの認知症は脳の老化の加速によって引き起こされ、その老化の加速は、脳の使い方が悪いことによる。だから生活改善のための指導が必要だ」ということですから、保健師さんたちの出番が待たれるのです。
手技は指導しますが、体験の中から納得していっていただきたいと思います!
平成19年に岩見沢に伺った時が脳イキイキ検診当日に当たっていて、非常に珍しい緩徐進行性失語と思われる方に会いました。
とても気になっていたので、その後のことを伺いました。
「受診なさって、お薬の処方があったそうですが、その後はそちらの方に行かれたままになっていまして・・・」
医療機関にかかって、病名が出たとたんに安心して?もしくはあきらめて?もしくは薬に頼って?生活改善のために努力を忘れるケースがいかに多いことか!
あの方の場合は、受診後どういう診断が出てどういう経過になったのか?と思いました。でも、これが私たちの活動の限界です。生活指導の力が及ばなくなったときには諦めるしかありません。
ところで、プログラムの裏表紙の上半分です。
岩見沢市が、このまま生活改善指導を主軸にした認知症予防活動を継続していって下さるように願っています。頑張ってくださいね。