『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

文月七月、今月の四品 その一

2008-07-03 15:54:07 | 酒の肴
夏が、来ましたね。

まだはっきりしない空模様の日もありますが、
空は少しずつ夏の色に、
街路樹のみどりはますます燃え立ち、
カンナもダリアも鮮やかに咲きほこり、
半袖の肘に夕方の風が気持ちよく触れていきます。

そんな七月のメニュー「今月の四品」、
今回もみな自信作ばかりです。
ぜひぜひ、おためしあれ。



冬瓜と白身魚の生海苔あんかけ


夏に出回るのになぜ冬瓜なのだろうと
不思議に思っていましたら、
丸のままなら冬までもつ、というくらい
保存性の高い野菜なのですね。
果肉の水分がしっかりした皮に守られて保たれるという
ことなのでしょう。
そんな瑞々しいとうがんのお料理も、
毎年の夏の赤鬼の定番になりつつあります。

今回はやさしい出汁で煮た冬瓜と、
さっと片栗粉をまぶして揚げた白身魚
(日によっていろいろです)に
海の香りあふれる生海苔のあんをかけました。
淡泊なものどうしの取り合わせですが、
お魚を揚げてあるのでコクが出ています。
あんに加わったシメジのプリプリ感もアクセント。
そして、ひすい色の冬瓜と生海苔、お魚の白、
あしらった茗荷の赤が、目にも美しい一品です。
これからの季節、冷房などで意外と身体は冷えているもの。
素材は涼味でありながら料理としては温かい、
こんなひと皿で夏の宵の一献を
ゆったりと愉しまれてはいかがでしょうか。



文月七月、今月の四品 その二

2008-07-03 15:35:43 | 酒の肴
米茄子と豚舌の胡桃味噌

先月からお出ししている水茄子のお刺し身は
なかなか好評をいただいております。
今や一年中ある茄子ですが、
やはり夏の野菜、これから秋にかけては
いろんな料理法で茄子が大活躍しますね。

最近は茄子の種類もいろいろ知られてきましたが、
ここで使ったのは大ぶりの米茄子。
歯ごたえのある豚のタンとともにさっと焼いてあります。
サンドされた胡桃味噌の濃厚さが
ふたつの素材のしっかりした個性をつないで、
まさに三位(三味!)一体のうまみをつくっています。
天盛りにしたのは揚げた白髪葱。
茄子と味噌の好相性はもちろん、そこにタンの食感が加わって、
お酒がすすむこと間違いなしです。
ぜひぜひ熱いうちに召し上がってくださいな。


文月七月、今月の四品 その三

2008-07-03 15:20:52 | 酒の肴
まぐろのユッケ風

涼風を呼ぶ夏のお料理第三弾は、
まず写真に目を奪われることと思います。
まるでラスタカラーのUFOのようなルックス。
その正体は、たたいた鮪と刻んだオクラ、
上にポコンと乗っているのは玉子の黄身です。
実はこの玉子にはちょっとしたヒミツがあります。
どうしてこんなにまあるく立体的なのか、
召し上がったかたにはわかるかな…?

すこしお醤油をかけて、
全部をユッケのように混ぜ混ぜしていただきます。
鮪のしっかりした味わいにオクラの爽やかさが絡み、
さらに玉子のコクが加わって、
まさに酒肴の王道!な一品です。


文月七月、今月の四品 その四

2008-07-03 15:12:17 | 酒の肴
穴子と山芋のせ冷や奴

毎回いろいろなかたちでお出ししている豆腐の料理。
今回は夏の顔をした冷や奴が登場しましたよ。

いつもの甘くてやわらかな赤鬼のお豆腐に、
荒く擂った山芋と焼き穴子をのせて、
甘辛いツメをかけました。
天盛りの海苔の風味、豆と芋とお魚の織りなすコク。
淡泊な冷や奴が大変身、のとろけるハーモニーを
ぜひお酒と一緒にご賞味あれ!