『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

霜月11月、今月の四品その1

2008-11-03 13:44:43 | 酒の肴
あっという間に街は晩秋の様相を呈し
世田谷通りの銀杏並木も黄色く色づき始めています。
朝晩などかなり冷え込んできたこのごろ、
みなさまいかがお過ごしでしょうか。

月が変わって、またまた今月も、
季節感たっぷりの新しい四品がメニューに並びました。
秋の夜長をしみじみ愉しむ酒のひとときに
ぴったりな品々です。
ぜひ、おためしくださいませ。

それではいつものように順次ご紹介してまいります。


「白魚と豆腐の玉子とじ」

さむい季節の定番、土鍋でつくった熱々の卵とじ。
そんな小鍋立てのおいしい季節になりましたね。
今回は、しらうおとおとうふを使って
上品なお出汁と溶き卵でつくりました。
江戸時代は大川(隅田川)で捕れていたという白魚。
寒い季節、川面にいくつもの白魚漁の船が浮かび
捕れたてを船上で鍋にして食べさせていたといいます。
そんな風物詩をおもいうかべつつ口に運べば
白魚のはかなくきれいな味と葱や豆腐のほのあまさが沁みいって
やさしく体を温めてくれることでしょう。
アクセントに京都・祇園は原了郭の黒七味を振って、どうぞ。


霜月11月、今月の四品その2

2008-11-03 13:43:32 | 酒の肴
「生助子と里芋のしぐれ煮」

昨年も好評いただいたあの煮物が、
バージョンアップして帰ってきましたよ。
鱈子と里芋。
どのように料理しても相性の良いコンビですが、
今回は生の助子(スケゾウダラの卵です)を使い、
きれいなきれいな一番出汁でさっと煮上げています。
下煮した滋味深い里芋と、ぱあっと薄桃色のぼんぼりに開いた助子は、
石の間に咲いた芍薬のよう、食感の違いもおもしろく、
目でも舌でもたのしめます。
天盛りの針生姜と三つ葉のかおりをアクセントに、
あたたかい煮汁ごと、召し上がってくださいな。



霜月11月、今月の四品その3

2008-11-03 13:33:58 | 酒の肴
「春菊と蓮根の明太子マヨネーズ和え」

肌寒い季節にはあたたかくやわらかいものが食べたくなりますが、
そればかりだと飽きてしまうもの。
シャキシャキとした生の葉ものの歯ごたえもまた、新鮮です。
ということで、体を冷やさない晩秋のサラダ仕立ては
春菊の葉先を摘んで、揚げた蓮根と合わせた一品です。
カラリと揚げた蓮根のチップがこうばしく、
春菊のほろにがさはすがすがしく、
それをまとめる、ぴりっとしてコクのある明太子入りマヨネーズソース。
バランスの良い箸休めが、できました。
日本酒にもよく合うサラダ感覚の和えものです。

*昨日(11/3)にこのメニューを「サラダ」と表記してしまいましたが
「明太子マヨネーズ和え」が正しいです。
お詫びして訂正いたします。11/4記、文責RIEZO*

霜月11月、今月の四品その4

2008-11-03 13:25:02 | 酒の肴
「地鶏とごぼうのあんかけ」

秋から冬にかけて、根菜の美味しい季節になります。
根のものは体を温めてくれるといいますが、
山形の芋煮や九州のがめ煮(筑前煮)を引くまでもなく
根野菜の煮物はこっくりと、美味しいですね。
滋味深い地鶏(産地はときによって変わります)と
しっかりした牛蒡を甘辛く炊き合わせました。
鶏のゼラチン質を活かしつつ餡にした煮汁が
素材と良く絡んで、ほっこりした味わいの煮ものです。
上にのせた揚げ牛蒡がこれまたおいしい、
燗酒にもよく合いそうな一品ですよ。