『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

師走12月、今月の六品 その1

2011-12-03 16:31:33 | 酒の肴
冬将軍、到来。
木枯らしと氷雨で迎えた12月は、
忘年会など何かと慌ただしい季節でもあります。
みなさま、風邪など引いておられませんでしょうか。

こんなときにこそ、
おいしいお酒とおいしい肴で、ほっこりと温まりたいですね。
今月も、あらたな工夫と季節感を盛り込んで
スタッフが一生懸命考えた、「12月の六品」ができました。
ぜひぜひ、おためしあれ!

それでは毎度のように、ひとつずつご紹介してまいります。



「ホッケとチーズの春巻き」

先月、里芋のコロッケで「六品」デビューした若手スタッフ竹下。
「今月もアゲていくぞ!」と言ったかどうかはわかりませんが
今回もまた、揚げものの肴をつくってみました。
予想通り里芋コロッケは大人気で、
毎日泣きながら大量に里芋をむいていた彼ですが、
今月はガラッと趣向を変えて、春巻きに挑戦です。

中華料理の定番、春巻きを、日本酒に合うようにアレンジ。
中身はホッケとチーズという北海道な組み合わせです。
ポルトガルには干鱈のコロッケという郷土料理がありますが、
干して旨味を増した魚は、揚げものの具材にも存在感を発揮します。

さっと炙ったホッケの脂ののったおいしさに、
チーズの塩気がほどよくバイプレイヤーとなって、
これはもう、ビールにもお酒にもよーく合います。
カリッと揚がった揚げたてに、
添えたトマトソースをちょっとつけて、サクっと齧る。
ありそうでなかった変わり春巻き、
なかなかオツな、おいしい酒肴になりました。

(竹下作)



師走12月、今月の六品 その2

2011-12-03 16:16:45 | 酒の肴
「春菊とささみの胡麻和え」

ほうれんそうも、春菊も、
青ものの少ない冬の食卓ではひときわ彩りをはなつ野菜。
赤鬼では、露地もののおいしい春菊を仕入れています。
毎冬、お浸しにしてメニューに載せると、
地味ながらリピーターが後を絶たない春菊です。
普通売られているものは、茎が堅く、
鍋だねなどには葉と分けて煮なければなりません。
が、この春菊は、茎もしんなりとして、生でもおいしいのです。
上品なほろ苦さとシャキシャキの歯ざわり。
この良さを最大に活かして、胡麻和えをつくりました。

合わせたのは、築地の鶏屋さんから仕入れている
これまた旨いとりの笹身。
さっぱりとした部位なのにしっかり味があるこのササミを
プルンと歯ごたえが残るように茹でて、
さっと湯がいた春菊と、炒って擂った特製胡麻だれで和えています。

一見、何の変哲もない箸休めに見えながら、
口に運ぶとわかる、素材同士の相性の良さ。
ほんのり苦く、ほんのり甘く、染み出る滋味、
野菜の歯ごたえと肉の歯ごたえの違いが生み出す愉しさ。
そして控えめに足された胡麻の油気と香り。
箸休めどころか箸が止まらなくなる一品です。

(中村作)


師走12月、今月の六品 その3

2011-12-03 16:04:59 | 酒の肴
「ホタテと生湯葉の重ね蒸し」

おなじ素材を扱いながら、
今までになかった新しい料理をどんどん取り入れて
このごろの赤鬼メニューに新風を吹き込んでいる料理長、菅が、
今月も「これぞ酒肴!」の上等な一品をつくりました。
寒い季節にうれしいのはちょっとした温かいおつまみ。
おつまみというより和食の一品料理なのですが、
それがこの「ホタテと生湯葉の重ね蒸し」です。

京都ゆば長さんから取り寄せている生ゆばは、
そのままわさび醤油でいただくレギュラーメニューも人気の、
ほんのり甘く、豆の味がやさしく拡がるやわらかい湯葉です。
北海道産の帆立貝柱とこの湯葉を重ねて白菜で包み、
かるくしっとりと蒸し上げました。

半生のとろけるようなホタテ、
貝のうまみをうつしとって滋味を増したゆば。
きれいな鼈甲あんが上品な組み合わせをさらに引き立てます。
ふんわり、とろとろ。
口福に蕩けながらの一献は、いかがでしょうか?

(菅作)



師走12月、今月の六品 その4

2011-12-03 15:45:40 | 酒の肴
「根菜のチキンロール」

今年の赤鬼は、若いスタッフががんばって、
次々に「今月の六品」出品を果たしています。
今月、最年少の浅沼が、デビューしました。
つくったのは「変わり八幡巻き」、名付けて「根菜のチキンロール」。

牛蒡の、えぐみを含んだ力強い土の味を
そのまま活かした何かをつくりたかったといいます。
そこで閃いた、赤鬼定番の築地の美味しい鶏屋さんの鶏肉との組み合わせ。
じか巻きにして甘辛く炊けば普通の八幡巻きですが、
ごぼうの味を際立たせたいがために
茹でたり別に炊いたりして試行錯誤を重ねました。
そしてでき上がったのが「きんぴら巻き」です。

人参とごぼうを炒め煮にして歯ごたえを残し、
噛むほどに旨味の滲む鶏もも肉で巻いて炊いています。
しっとりした鶏のおいしさに負けない芯の野太さ、
甘辛すぎないほどよいタレとのハーモニーが絶妙。
こんな肴をゆっくり噛みしめながらの一献、
思わずほっぺたがほころんでしまいますよ~。

(浅沼作)





師走12月、今月の六品 その5

2011-12-03 15:33:51 | 酒の肴
「カボチャとさつまいものサラダ」

先月は始めての「六品」参加で難しい吹き寄せに挑戦し、
根菜の扱いに習熟してきた大内が
今月は、やさしい味のサラダをつくりました。
南瓜と薩摩芋。
ともすればお菓子の材料になってしまいそうなこのふたつを、
お酒に合う和えサラダに仕上げています。

歯ごたえを残して下拵えしたカボチャと芋を、
別に仕込んだタルタルソースで和えました。
ほんのり甘く、ホクホクとした中に
かくし味のチーズとタルタルの塩味が響き合います。
ブラックペッパーとベーコンチップがぴりっとしたアクセント。
シンプルに見えますが、実はこまかなところで技ありの、
お箸のすすむサラダですよ。

(大内作)


師走12月、今月の六品 その6

2011-12-03 15:20:38 | 酒の肴
「味噌おでん」

寒さ本番、毎月定番の「小鍋だて」もいよいよ本領発揮の季節です。
寒いときにふうふうと、熱々を食べたいものといえば…
そう、おでんですよね。
「田楽」から発祥したこの手軽なおつまみを、
日本酒に合う、上品なお鍋に仕立ててみました。

里芋、蕪、こんにゃくと、具材はいたってシンプル。
だからこそ、八百屋さんから特別にいい素材を仕入れました。
その美味しさを存分に味わえるよう、淡く上品な出汁で炊き上げています。
合わせたのは、ゆずたっぷりの柚子味噌。
甘辛さと爽やかさが力強い素材の味をさらに引き出して、
絶妙のマッチングです。

土の下のものは、冬を乗り切る滋養となってくれますね。
湯気もごちそうのこんなお鍋で熱燗を一献…となれば、
きっと身体も心もほっかほかに、あたたまることでしょう。
ご家庭で作れそうで作れない、ワンランク上のおでん鍋です。

(菅作)