皐月五月、今月の六品 その１

ゴールデンウィークからはじまる五月は
薫風と青葉の季節。
思わず外をそぞろ歩きしたくなるような夜は、
おいしいお酒とおいしいツマミが
より嬉しく愉しく味わえますね。

今月も、おいしい「六品」ができました。
いつものように、ひとつずつご紹介していきます。
ぜひぜひ、お試しを。



「二色ひじきと南瓜の白酢和え」

初夏を象徴するようなさわやかなひと鉢です。
海のひじきと、オカヒジキ。
そこにほっくりとしたカボチャを加え、
赤鬼でいつも使っている美味しいお豆腐を下地にした
白酢をつくって和えました。

ヒジキのシャクシャクとした食感と、
南瓜と豆腐のほのかなやさしい甘み、
絶妙の酢かげん。
ちょっと意外な組み合わせがきれいに調和して、
お酒をひきたてながらちょいちょいとつまめる
程の良さ。
板前の仕事が結実した、小粋な一品です。

（箕村作）

皐月五月、今月の六品 その２

「ゴロゴロ野菜のオーブン焼き」

野菜が食べたい、という声をよくききます。
この「六品」でも、なるべく旬の野菜を取り入れた
お料理を工夫していますが、
日本酒に生野菜は、ちょっと難しいところ。
お酒を引き立てるように上手に火を入れた野菜をと思うと
どうしてもお浸しや焼きものになってしまいます。
そこで、考え抜かれた新しいメニューがこれです。

新ジャガを中心に、赤黄緑ととりどりの野菜を
シンプルに茹でて盛りつけ、
美味しい特製ソースをかけてオーブンで焼きました。
このソースがじつは絶品。
生のふきのとうをザクザクと刻み、
醤油麹とブレンドして味をととのえたもので、
これだけ舐めながらお酒が飲みたいほど、美味しいんです。
たっぷりかかったソースと野菜を絡めながら、
あっという間にたいらげてしまうこと
間違いなしの、一品です♪

（中村作）

皐月五月、今月の六品 その３

「さっぱり鯵のカルパッチョ」

初夏に旬な青魚といえば、ダントツでアジですね。
刺身もタタキも唐揚げも良いですが、
今回はちょっとひとひねり。
さっと酢締めにして、カルパッチョに仕立てました。

脂の乗ったアジのうまみは言わずもがな、
新玉葱や茗荷や大葉など、たっぷりの香味野菜とともに
おいしい自家製ごまポン酢で召し上がっていただきます。
身体によいものばかりを盛り合わせた
お魚のサラダとも言える一品は、
ねっとりとシャキシャキ、コクと爽やかさ、
歯ごたえもお味も絶妙なバランス。
赤鬼ならではのカルパッチョは
もちろん日本酒にぴたりと寄り添って、
一皿でたっぷりと愉しめますよ！

（大内作）

皐月五月、今月の六品 その４

「朝〆鶏の粕漬け焼き」

この「六品」で毎回登場する、
築地の鶏専門店から仕入れている美味しい鶏肉の料理。
今月は、これです。
まさにお酒のためにつくられた逸品。
朝〆鶏の粕漬け焼き、です。

フレッシュな鶏のさっぱりした胸肉をつかいました。
赤鬼でお出ししているお酒の蔵元さんから
わけていただいた酒粕をブレンドして床をつくり、
良い具合に漬け込んだ鶏を、さっと炙っています。
やわらかく、でもシコシコとしたお肉の歯ごたえ、
噛みしめるほどになんともいえない香味が拡がります。
初日から品切れする勢いのオーダーをいただいて、
鶏メニューのなかでも大ヒットの予感。
はっきり言って、かな～り美味しいです！
鶏好きさんは、ぜひ。

（箕村作）

皐月五月、今月の六品 その５

「穴子の天ぷら」

今月の揚げものは、アナゴの天ぷらです。
初夏から夏に旬を迎える美味しい穴子。
新鮮なものを店でさばいて、
さっくりと天ぷらに仕立てました。

淡泊できれいな身のなかにしっかりと旨味が詰まって、
この時期のアナゴは絶品ですね。
カラリと揚がったところをサクサクと頬張る至福の瞬間！
これほど日本酒に合う天ぷらも
そうそうないよなあ、と思えてしまいます。
シンプルにして王道なゴールデンコンビ、
ぜひぜひお試しあれ。

（池田作）

皐月五月、今月の六品 その６

「イカ入り豚団子鍋」

爽やかな季節も、夜はちょっと冷えたりしますね。
お腹をあたためて、美味しくお酒を飲みましょう。
今月の小鍋はそんな夜に最高のアテになりますよ。

イカは刻んだのとすり身の両方を使い、
豚挽き肉と一緒にお団子にまとめました。
賽の目の蓮根も入って、うまみたっぷり。
さっぱりと澄んだ美味しい出汁で
クレソン、油揚げと一緒にさっと煮上げ、
熱々をお出しします。
ふんわりしたお団子のなかに感じる
コリコリさくさくムチムチの食感と、
生七味のぴりっとした辛みがあとをひいて、
お酒も箸も、すすみますよ。
うまみがたっぷり溶け出したスープも
最後の一滴まで、どうぞ召し上がってくださいね！

（池田作）