自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

栃若時代を堪能/正攻法礼賛で興味減退

2013-09-15 | 遊び>規制

名人栃錦の鮮やかな出し投げ、土俵の鬼若乃花の豪快な上手投げを筆頭に当時の大相撲では多彩な得意技が見られた。
それをラジオ、新聞で見聞し、時には巡回映画のニュースで見て、よく友達と二人きりでで技の掛け合いをした。
わたしが得意だった立会い一瞬の出し投げは最初から体が逃げては成功しない。
思い切り当たって当たった瞬間に体を開きながら相手の勢いを利用して腕で投げて相手を転がす。
前に出ながら飛んで来たボールの勢いをそいでコントロールするサッカーのトラッピングと要領は同じだ。
若乃花の呼び戻し技は類まれな怪力がなければ真似すらできないし試みたこともない。
一度相手を左上手で投げる振りして呼び込んで右下手で豪快に投げて引っくり返す。仏壇返しの異名がある。

友達に試して成功した技をいくつか挙げてみよう。
栃錦の2枚蹴り・・・四つに組んだまま時計回りに回転する。相手の両足が合わさった瞬間に右足で相手の左足を払うと玉突きで両足が宙に浮き土俵に横倒しに落ちる。
羽島山のやぐら投げ・・・相手を吊り上げながら膝で相手の内股を高く跳ね上げて腕力で引っくり返す豪快な技。
朝青龍が日馬富士を櫓投げで投げ飛ばして34年ぶりの大技として話題になった。
モンゴル相撲では基本技、と自慢げにみずからコメントした。
琴が濱の切れ味鋭い内掛け・・・外掛け同様子供の遊びでは普通に見られた。
巨漢大起の鯖折り・・・真似はしたが成功するはずもない。戦前この技で負傷して引退をよぎなくされた力士がいた。

そのご大相撲はNHKの解説者が正攻法を善しとして変わり身やいなし技を邪道としてダメ出ししたため、がっぷり四つからの寄り、正面からの突き押しが多くなり、小兵が工夫研鑽してものにした得意技があまり見られなくなった。
技のデパート舞の海が例外になるほど業師が出なくなった。

大相撲は神事だから整ってしまうのは仕方ないのだろうか?

 

 


こどもの喫煙、飲酒/オトナぶるには早かった

2010-11-06 | 遊び>規制

こどもはまねて成長する。時にはおとなの悪習もマネル。
このころオラリアのマンションでワインを経験した。
なにかのイヴェントで宴会があった時だった。
ピアノの下に隠れてひとりワインを一杯飲んだ。
すぐ赤くなり頭痛がした。
二度とまねることはなかった。
風邪薬としてピンガ(サトウキビ焼酎)に火をつけてアルコールを飛ばしたものはよく飲んだ、薬として。
タバコは悪ガキどものまわしのみに加わって体験した。
すぐ街に行ってシガレットを一箱買い親に隠れてひとり吸いをした。
唾ばかり出て美味しくなかった。
それっきりたばこのことは忘れた。
田舎の環境に居たせいか不良少年は一人もいなかった。
お金も店もなかったせいかタバコ常習少年はいなかった。
大人のたばこの変遷も短期間に目撃した。
最初は煙草の葉を硬く縄に撚ったものを買って来て、ナイフで削ってとうもろこしのカワで包んだ「葉巻」だった。
パイプに詰めるひともいた。匂いはほのかに甘く葉巻と同じだった。色はコールタールほどに黒かった。
労働者が手作りで一服するのによく見とれていた。
茶色の刻みたばこを有り合わせの紙で巻いて吸うひともいた。
「正式」は切りそろえた市販のとうもろこしのカワか薄紙だった気がする。
NHKの人気ドラ「ハルとナツ」は移民の生活をリアルに再現していて二度見たが、戦前に移住地でシガレットを吸っていたシーンには違和感を覚えた。
シガレットはまだ都会の嗜好品だった。