昭和元年は1926年。なのに今年が昭和100周年。満年齢の数え方と違うのでちょっと違和感があるが、数え方なので仕様がない。
2025年! 今年もひとびとは、普遍的な価値観であった立憲民主主義と人権、国際法が侵犯されるのを目の当たりにしそうだ。
脅威は、言う迄もなくトランプ現象とSNS(social media)である。背景に取り残され大衆の生活苦と反感がある。グローバリズムにより富の偏在と窮乏化が堪えがたいまでに進んだ。
かつてエリート層が独占していた情報収集・発信システムに対抗し、それを凌駕する情報機器スマートフォーンを大衆が手にしたとき、大衆は不満を無遠慮に発信するようになった。野心家がそれを権力奪取に利用する。無遠慮にということは、教科書の標準語ではなく巷のコトバで、ということであり、当不当を吟味することなく発することである。
民主政治の根幹をなすのは総選挙である。勝てばやりたい放題、既存の秩序、価値観を排斥する。負ければ不正選挙を糺すという口実で議会、選挙管理事務所を襲撃する。程度の差はあれ世界中で起きている現実である。
昭和100年の始まり、1925年は、大東亜侵略戦争の起原につながる二大立法が抱き合わせで成立した画期的な年である。成男普通選挙法と治安維持法である。治安維持法は天皇制と私有財産を否定する共産党を取り締まる法律であった。為政者が普通選挙で無産政党が進出すのを恐れたのである。
昭和100年に合わせたマスメディアの年頭タイムラインに治安維持法が入っていないことを私は危惧する。そこで改めて同法が戦争立法に転じていく様を時間軸に沿って掲載する*。
1925年
5月5日 成男普通選挙法交付
5月22日 治安維持法施行
1926年
1月15~ 学連一斉検挙 治安維持法違反最初の重大事件
共産党解党期の前衛組織 学生社会科学連合会
1927年
6月27日~ 田中義一首相兼外相、積極外交東方会議を開催
武力行使を排除しない「対支政策綱領」を訓示
1928年
2月20日 最初の普通選挙で労農党2名当選 山宣と水長
3月15日 共産党大検挙 3.15事件
4月10日~ 労農党・労評・無産青年同盟・東大新人会・
京大社研解散命令、河上肇教授免官発令
4月20日~ 山東出兵 国民政府軍と衝突 済南事件
6月4日 関東軍による張作霖爆殺謀略 満州某重大事件
6月29日 田中義一首相、思想困難理由に治安維持法改定
死刑・無期刑追加 カンパも加入と同罪
1929年
3月5日 山本宣治代議士暗殺
4月16日 共産党一斉検挙 4.16事件
1931年
9月18日 関東軍による満鉄爆破謀略事件 満州事変
1932年
3月1日 満州国建国宣言
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2017.08.25「治安維持法まず朝鮮に適用」
2017.09.13「治安維持法適用/京都学連事件」
2018.01.27「満州事変/泥沼の戦時へ」
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