風のささやき 俳句のblog

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夕焼けに一色になる春景色車窓にある顔みんな燃えてる 【短歌】

2020年04月29日 | 短歌
暖かな春の一日でした
僕は一人電車に揺られて
窓辺に頬杖をつき
色を変えてゆく
田園風景を眺めていました

オレンジ色の穏やかな夕日に
すべてが塗りつぶされていきます
散り残った桜も菜の花も
ゆったりと流れる川も
すべてが同じ色をして

僕の胸の思いさえもが
その色に塗りつぶされたようで
どこか懐かしく暖かなものが
流れて行きました

そうして窓の外を覗き込む
幾人かの人の顔もみんな同じ
一様に赤々とした顔をして
静かな目を窓の外に向けていました