「半月」
黒猫が睨むような上限の月に
射貫かれて立ち止まる
買い物帰りのレジ袋を持った僕
雲一つない秋の空に浮かんだ
半部閉じた淡黄の瞳
いつの間にか夜の空は
黒猫の大きな胴体のように
艶のある毛並の柔らかさで
僕を包む込む
涼しい風だ、それは黒猫の吐いた、眠たい吐息
もしかすると黒猫は、ただ眠たいだけの目
重くなって黒い闇の中に、やがて閉じようとしているのかも知れない
―すべてが闇にやがて眠る・・・・・
家で待っている、子供たちのことを
ギュッと胸の中で、何かを捕まれるように思い出す
君たちの間で、体横たえて、僕も眠りたい
眠たい黒猫の目を真似て、瞼を重くして
眠りと起きている所の境目も分からずに眠りについて
大きな瞳にじっと見つめられる当惑と
けれど、いつでも、人の吐息を傍らに感じていたい気持ち
寂しさの矛盾、秋の夜だ
黒猫が睨むような上限の月に
射貫かれて立ち止まる
買い物帰りのレジ袋を持った僕
雲一つない秋の空に浮かんだ
半部閉じた淡黄の瞳
いつの間にか夜の空は
黒猫の大きな胴体のように
艶のある毛並の柔らかさで
僕を包む込む
涼しい風だ、それは黒猫の吐いた、眠たい吐息
もしかすると黒猫は、ただ眠たいだけの目
重くなって黒い闇の中に、やがて閉じようとしているのかも知れない
―すべてが闇にやがて眠る・・・・・
家で待っている、子供たちのことを
ギュッと胸の中で、何かを捕まれるように思い出す
君たちの間で、体横たえて、僕も眠りたい
眠たい黒猫の目を真似て、瞼を重くして
眠りと起きている所の境目も分からずに眠りについて
大きな瞳にじっと見つめられる当惑と
けれど、いつでも、人の吐息を傍らに感じていたい気持ち
寂しさの矛盾、秋の夜だ