風のささやき 俳句のblog

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冬岬フジツボに似た村過ぎて 【季語:冬岬】

2021年01月16日 | 俳句:冬 地理
以前、日本海沿いを走る電車に乗っていた時のこと
その日は随分と風が強く
時折間近に見えた海は激しく波打ち
白く見えていました

電車も強風のために徐行運転をし
車窓の風景はゆっくりと流れていきます

その海の近くには小さな家々が
ふじつぼのようにひしめき合っていました

昔からこの場所にあって
こんな激しい風や寒さから身を守るように
皆で肩を寄せ合い暮らしてきたのでしょう

その生活を勝手に思い描いていたら
それがとても愛しいものに思えて
胸が熱くなるのを感じていました

その村を過ぎると今度は寒々しい冬の岬
その上ではカモメたちが
あてもなく舞っていました


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