新鹿山荘控帳

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C.S.フォレスター「駆逐艦キーリング」

2020-06-16 18:03:53 | 読書
恒例の初春のアンケートで頂いたQOカードが1000円分ですので、何か普段買えない本を購入したいとずっと思っておりました管理人です。
第1候補はハヤカワ文庫の「レッド・メタル作戦発動」でした。一千頁におよぶ戦争冒険小説です。文庫で上下二巻で各980円です。今までになかった戦争小説でさらに合計2,000円を超えるので、躊躇しておりました。
ところが最近見つけたのがこのC.S.フォレスター「駆逐艦キーリング」です。同じくハヤカワ文庫です。税別で940円です。
実はこの小説以前所蔵していたのですが、5年前の引っ越しのときにほとんどの書籍を処分した中にあったのです。新訳でもありますしC.S.フォレスターは好きな英国の作家です。
C.S.フォレスターといえばあのホンブロアーシリーズがあります。全部で13巻だったでしょうか、これも処分してしまったのです。作家の佐々淳行の講演会の後佐々さんとホンブロアーの小説の話をしたのが数少ない自慢の一つです。今古本屋で探しているのですが、古本の程度が悪くてこれも買い渋っています。

C.S.フォレスター「駆逐艦キーリング」は北大西洋を航行する37隻の輸送船団。その護衛艦隊指揮官、米海軍駆逐艦「キーリング」の艦長クラウス中佐が主人公です。彼の指揮下には英国艦、カナダ艦コルベット、とポーランド艦の合計4隻で37隻を護衛してイギリス本土に向かうのです。多国籍海軍の寄せ集めでUボートの「群狼作戦」に対抗するのです。
勿論海軍用語がふんだんに出てきます。また操船上の用語もふんだんに。Uボートを狩る護衛艦同士の距離や方向などの通信内容もかなり複雑です。また駆逐艦内での士官や兵の人間関係も複雑です。当然艦長が主人公ですので艦長と幹部士官や兵隊との身分関係の描写もリアルです。C.S.フォレスターの代表作「ホーンブロアーシリーズ」は、市民階層出身の見習士官候補生から最終的に提督まで昇進していく物語ですから、それぞれの階級での軍人の生き方がなるほどと思わされる描写があり、本作でも護衛艦隊指揮官の苦悩も書かれています。
噺は飛びますが、各艦長の中で一番就任が大変なのが、米海軍原子潜水艦の艦長だそうです。
本作品も映画化されておりそのうち日本でも上映されるそうです。このような映画はやはり大型スクリーンで見るのが一番でしょう。勿論ブルーレイも買うつもりです。

トム・ハンクス主演の映画の予告の帯も紹介しておきます。


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