新鹿山荘控帳

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逢坂剛「平蔵シリーズ3巻」

2020-06-30 18:02:05 | 読書
朝からずっと小雨が降ってます。今夜から明日にかけて風雨が強くなるそうです。それでも現在室温29℃、湿度60%、扇風機を回している管理人です。
先週ブックオフで見つけた時代小説を読んでおります。逢坂剛の「平蔵の首」「平蔵狩り」「闇の平蔵」の3巻です。

逢坂剛の平蔵シリーズは以前から気になっておりました。気になっていましたが池波正太郎の未発表の作品ならまだしも、現在の作家の作品です。池波正太郎好きとしては手が出せなかったのです。
ここでちょっと自慢をさせてくださいな。
たぶん30代前半だったでしょうか、宝くじの1等組違い賞?で8万円当たったことがあります。1眼レフを購入した残りの金で、書店に行って当時発売されていた単行本の鬼平犯科帳全巻すべて購入したのです。勿論放映されたフジテレビの鬼平もすべて録画しております。単行本の「中一弥」の挿絵も好きでした。ついでですがその後、時代小説好きは藤沢周平、平岩弓枝と続いていくのです。まだ文庫本の時代小説もなかったので、すべて単行本でほとんど揃えておりました。

そんな私が先日ブックオフで逢坂剛の鬼平シリーズをまとめて見つけました。程度もよかったので即買いしてしまいました。
で読んでみました。中一弥の挿絵も載っておりそれは良かったのですが、鬼平犯科帳としては少し物足りなかったです。逢坂剛の池波正太郎に対するオマージュとして書かれたものでしょうが、この辺が池波正太郎好きの人間にとってどう読んでいいのか困ってしまったのです。池波正太郎の鬼平を超える鬼平を描くのか、鬼平の世界のなかで新しい物語を紡いでいくのか、昔からの読者も読む覚悟ががいるのかもしれません。
長官の鬼平以外に部下も手先も全部入れ替わっているのです。京都時代の父親とか本所の銕(この銕を探し出すのに一苦労しました)とか昔の設定は登場しますか、配下の同心や手先が入れ替わっているのでイメージがわかず読むのに苦労しました。
鬼平の顔を見た盗賊は切り捨てられるか獄門になってしまうので、誰も鬼平の顔を見たことがない設定は不自然。結局役所にずっといるだけで市中見回りもほとんどしません。したがって探索は配下の部下や手先が物語を進めていきますから、新番組が始まったようで物語に入り込めません。また鬼平と部下や手先との会話、あの独特の鬼平のセリフといいますか人間味あふれる語り口がほとんど登場しません。残念ですがやっぱり別の新しい鬼平犯科帳になってしまったようです。
ただ章扉画が中 一弥の画が乗っているのはうれしいです。ただ「章扉画」と「章扉イラスト」と巻によって分かれているのはなぜでしょう。びっくりしたのは、有名な挿絵画家の中一弥の三男が逢坂剛だったとは。昔どこかで聞いたような。


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