通称、マイルスとコルトレーン「別れの欧州ツアー」ライブ5部作の内の一枚。
1960/3/21のパリを皮きりにストックホルム(3/22)、コペンハーゲン(3/24)、チューリツヒ(4/8)、オランダ(4/9)の順で録音されている。
本作は1985年になってスエーデンのドラゴン・レコードからリリースされ、ブートの類ではなく、音はしっかり録られている。またカヴァの装丁も手抜きはありません。
巷では、有終の美を飾ろうとマイルスが下手に出たにも拘らず、独立を決心していたコルトレーンが「もう、あんたの部下じゃないぜ」と言わんばかりに我儘やり放題、との説が流れているけれど、勿論、野心が無いワケではないがコルトレーンがもうサイドでは収まり切らない次元に達していたと考えるのが自然と思います。
さすが、マイルス、足をすくわれないようボスとしての矜持を保っている。一方のコルトレーンは独立後の自分の存在感を高めようと最後の坂道を力走する。”So What”(2ヴァージョン)でのドライブ感は何度聴いても実に爽快です。
2LPのセンター・ラベルがイエローとオレンジに分かれ、ちょっとした遊び心が感じられます。アナログの良さとも言えますね。
5部作を全部聴いてはいませんが、世評では、このストックホルム盤がベストとの声が高いです。
なお、このメンバーでのオフィシャルのスタジオ録音音源はないので、このシリーズは貴重ですね。
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