前作”MOONTRANE”でそれなりの手応えを得たショーが約1年後(1975年)、フロント陣、リズム陣を拡充し、アルバムの完成度、充実度を一段も二段も高めた快作。
当時、若手売出し中のB・ハーパー、J・ボナーの参加も話題となり、フラワー・プリントのジャツと併せマクビーの強烈なキック感溢れるベース・ラインで導かれるトップのタイトル曲が時代性をより鮮明に打ち出している。色彩感に満ちたリズム隊と分厚いサウンドを造りだすホーン陣との絡みが魅力的なメロディに乗って実に心地よい。作曲したボナーのフレッシュなピアノ・ソロの後、しっかりと地に着いた気負いのないショーのtpが滑り出す。成長具合が手に取るように解ります。煽るような黒いハーパーのテナー・ソロも聴きものだが、最大の聴きものは、やはりフィナーレに掛けてタイトルを象徴するが如き軽やかに舞うショーのソロです。
他の4曲も上々の出来で、中でもB面トップの‘SUNBATH’がご機嫌。アレンジを担当しているS・ターレのbass tromboneが効果的でコントロールの利いたショーのソロがほんと、カッコイイ。続くボナーのpもグーです。また、アンプを通したマクビーのベース・ソロも時代性を考えれば否定的には及びません。
ポテンシャルの高さを克明に刻んだ一枚。夢にまで見た「春」(メジャー・レーベル契約)が叶うまで、あと僅か二年の距離に縮めた。
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