その場所を求める人が、その場所を破壊する。
あるサイトで見つけた明言である。
「マンション建設差し止め訴訟中の「羽澤ガーデン」に解体工事の知らせがいきなり張り出される」という記事があった。
某大学教授は「何が美しいか、残すべきかどうか、明確な基準がつくりにくい。法隆寺は誰が見たって世界遺産。日光東照宮も金色堂も。だけど、明治以降のものは価値観が分かれる。そこの判断が非常に難しい」と歯切れ悪く語った。
確かに美しさに基準はない。だが、その時代の水準は、人間がいる限り厳存する。
厳存が曲者であることにみな目をそらしながら、皆がそう考えることが平常を失っていても正しいとしてしまう。そして時代の価値観が巧妙に仕上げられる。
古いものより新しいものがよいと言いながら、頭は古いまま。独占はよくないと言いながらの分捕り合戦。民主主義と呼ばれる風任せ価値観が幅を利かしている。