いつかはソフト帽、ボルサリーノの似合う男になりたいと思う。
そう思うのは、そうなりたい物腰の目標にできる人がいるからだと思う。
その人に限らず、私が幸せだと思うのは、さまざまな「私と違う人たち」と親交を深められることに恵まれていることだ。
20代から80代まで、老若男女、異業種、異文化、異宗教、成功者から下積みまで、人の種類や位や性癖までも違う人の本音の部分に触れ、自らに思うところを見つめるチャンスに恵まれている。
そしてそういう人の中から懇意となり、お互いが勉強になる関係が結ばれると、飲み友達となる。
私にとって、そういう機会を与えてくれるのが、酒場であり、一緒に酒を飲むということである。
いつぞや、私はフーテンの親父に呼び止められ、路上でコップ酒をご馳走になりながら語ったこともある。
また、ずいぶん昔にマグロ船の親分や船員と、キャバレーを借り切って飲ましてもらったこともある。
まったく酒を飲まない人とでも、私だけはよく飲む。
もし私の人生に、そのようなめぐりあいがなかったなら、雑巾みたいなものであったろう。
別に酒飲みにならなくてもかまわないが、私の場合は酒がすべての縁談に役立っているようだ。
いやきっとそうに違いない。
自分と違う人と出会ったら、チャンスと可能性に気付くべきだ。
才能のある自分と、才能のある彼らが、さらに才能のある
「自分たち」
になれることを知っておくべきだ。-スコット・ペイジ-
才能の程度は別にして、違いに気付くことが、大事なことに違いない。