首相官邸より発行された「官民ITS構想・ロードマップ2017」(2017.5.30)では、自動運転のレベルの定義が、SAE(Society of Automotive Engineers)internationalのJ3016(2016年9月)の6レベル(レベル0~5)の定義に変更されています。
それまでは、米国NHTSA(運輸省道路交通安全局、2013年5月)を参考に5レベルの定義を採用していましたが、NHTSAもSAE J3016を採用することになったことを踏まえ、SAEの6レベル定義を採用することに変更されたようです。
即ち、以下のようなレベルとなっています。
レベル0(運転自動化なし):運転者が全ての運転タスクを実施
レベル1(運転支援):システムが前後・左右のいずれかの車両制御に係る運転タスクのサブタスクを実施
レベル2(部分運転自動化):システムが前後・左右の両方の車両制御に係る運転タスクのサブタスクを実施
レベル3(条件付運転自動化):システムが全ての運転タスクを実施(限定領域内)。 作動継続が困難な場合の運転者は、システムの介入要求等に対して、適切に応答することが期待される。
レベル4(高度運転自動化):システムが全ての運転タスクを実施(限定領域内)。作動継続が困難な場合、利用者が応答することは期待されない。
レベル5(完全運転自動化):システムが全ての運転タスクを実施(限定領域内ではない)。作動継続が困難な場合、利用者5が応答することは期待されない。
上記で、レベル3以上は「高度自動運転システム」と呼ばれ、また、レベル4と5は「完全自動運転システム」と呼ばれます。安全運転に対応する主体は、レベル0~2では運転手(人間)、レベル3~5はシステムとなります。なお、レベル3において、システムの作動継続が困難な場合は運転手となります。また、レベル3~5に登場する「限定領域」という言葉の「領域」とは、単に地理的な領域のことを指しているだけではなく、環境、交通状況、速度、時間的な範囲なども含まれている点に注意が必要です。
早ければ2020年頃になるとレベル3以上の商用化も始まりそうですが、そのためには、これまでの関連法規を改定しないといけませんので、法の整備の検討も急ピッチですすめられつつあります。
関連ブログ(自動運転の技術レベル、2017.4.13)は、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/3fdb6b350c4dfb334399d87cfd7db371です。
別な関連ブログ(自動運転車、2016.5.26)は、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/e6e87e7025bad08b2d6e543ed2922b99です。