
鳥鳴いて鴫立庵の茂りかな


夏の樹木の鬱蒼と生い茂った状態をいう。
初めて鴫立庵を訪れた。
この辺りは、西行法師の《こころなき身にもあはれは知られけり鴫
立沢の秋の夕暮》で知られ、寛文四年(1664)の頃、小田原の崇雪
が石仏の五智如来をこの地に運んで草庵を結び、西行寺を作ろう
とした。
その後、元禄八年(1695)の頃、紀行家として知られ、俳諧師でも
あった大淀三千風が庵を再興し、鴫立庵第一世の庵主となった。
その後有名な俳人が庵主となって連綿と続き、現在は二十二世で
ある。

鴫立沢
茂りたる中に鴫立沢ありぬ

芭蕉句碑
茂り葉や円筒形の芭蕉句碑

西行笠懸けの松
西行の
笠懸けの松も茂りの中にあり

白鶺鴒の子
幼鳥の親鳥を待つ茂みかな

