俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

2011-01-21 | 俳句・冬・地理


木の影のしかと氷りし沼の上

水が氷点下で凝固したもの。厳寒の地では厚く氷り、スケートや穴釣りを楽しむこともできるが、海では船が氷で動けなくなることもある。ある小さな沼が夕方になっても氷ったままになっていた。白い氷の面の上に木の影が黒く伸びていた。

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一切を忘れて佇ちぬ厚氷


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寒月

2011-01-20 | 俳句・冬・天文


吾に似ぬ影と歩けり寒の月

寒中の寒々と冴えた月。一年のうちで最も煌々と照り、その明るく白い光は冷たい。寒月により、自分の影がはっきりとできていた。だが、何やら自分とは似ていない別人格の影と歩いているように思われた。

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寒月や燈一つづつ消えて


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冬木の芽

2011-01-19 | 俳句・冬・植物


青といふ一色の空冬木の芽

固い鱗片に覆われて越冬する木の芽をいう。落葉樹の葉が落ちつくした枝にある冬芽は特に目立つ。銀色の冬芽をたくさんつけた木があった。背景の空は、どこまでも深く青かったので、冬木の芽は一層際立って美しく見えた。ここにも生命のけなげな美しさがあった。

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川堤歩きあるきて冬芽かな


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氷柱

2011-01-18 | 俳句・冬・地理


観音の氷柱の巌を潜りけり

氷点下のため、水滴が滴り落ちるときに凍って棒状になったもの。軒の庇や崖などにできる。吉見百穴の近くに岩室観音がある。十七世紀後半の寛文年間に建てられたお堂で、裏の巌山の穴が「胎内くぐり」と称し、ここを潜ると諸難を除き願いごとが叶ういわれている。その巌に氷柱が垂れ下がっていた。その氷柱を見ながら胎内くぐりを行った。

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岩室観音


四国八十八ヶ所巡りの仏像


胎内くぐり





弘法大師訪れし地の氷柱かな


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臘梅(ろうばい)

2011-01-17 | 俳句・冬・植物


臘梅や風の一日を歩ききて

ロウバイ科の落葉低木。中国原産。梅とは別種で、黄色い花弁は蝋を引いたような光沢がある。寒い最中に咲き、芳香が漂う。北風の強い中を一日歩いた。日も傾いてきた頃、ある家の庭に臘梅が咲いているのを見つけた。黄色い花にぬくもりと安堵を感じた。

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臘梅の香や寛永の石仏


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