俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

破芭蕉(やればしょう)

2021-10-21 | 俳句・秋・植物




青空にとことん破(や)れて破芭蕉




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秋に、風や雨で葉が裂け破れた芭蕉をいう。







夏の間青々としていた芭蕉は、秋になると風に

吹かれて葉脈に沿って裂け始める。







大きな葉であるだけにその姿は痛ましい。







芭蕉の俳文「芭蕉を移詞(うつすことば)」には、

「唯このかげに遊びて、風雨に破れ安きを愛する

のみ」とある。







歩道を歩いていたら芭蕉が覆い被さっていた。

見上げると青空をバックにとことん破れた破芭蕉と

なっていた。






破芭蕉風の当たれば音立てて




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背高泡立草

2021-10-20 | 俳句・秋・植物




川音が好きで背高泡立草




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キク科の多年草。







北アメリカ原産。

明治末期に西日本に侵入したといわれる。







帰化植物で、空地などに群生する。

高さは2m近くになる。







秋、茎頂に大きな花序をつくり、多数の小さな黄色の

頭状花をつける。







背高泡立草が川岸に群生していた。

きっと川音を聞くのが好きなのだろうと思った。






背高泡立草見上ぐる先の空青し




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秋の夕焼

2021-10-19 | 俳句・秋・天文




黒々と屋敷森あり秋夕焼




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「夕焼」は夏の季語。







「秋の夕焼」は夏ほどの激しさはなく、「冬夕焼」の

一瞬の鮮やかさもないが、独特の寂しさがある。







秋の夕焼は色も淡く、たちまち消えてゆく。







その短さを計ってみたら、15分ほどであった。







珍しく鮮やかな秋夕焼が見られた。

手前の屋敷森が黒々と見えていた。






束の間の旅心地なり秋夕焼




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後の月

2021-10-18 | 俳句・秋・天文




気が付けば高く昇りて後の月




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陰暦九月十三日の夜の月をいう。

名月に対して後の月という。

最後の月なので「名残の月」の名もある。







仲秋の名月の「芋名月」に対し、「豆名月」「栗名月」

とも呼ばれる。







今夜は十三夜とは知っていたが、いつの間にか忘れ

ていた。

気が付いたときは、後の月がすでに高く昇っていた。






このままに疫禍消えむか十三夜




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2021-10-17 | 俳句・秋・植物




むさし野の夕日集めて叢芒




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イネ科の大形多年草。

秋の七草の一つ。







日当たりのよい山野の至る所に自生する。







秋、稈頭に中軸から多数の枝を広げ、黄褐色または

紫褐色の花穂を出す。







屋根を葺くのに用いられたため、萱ともいう。







芒が群生しているところがあった。

その叢芒がむさし野の夕日を集めて光っていた。






走るのは若きも老いも花芒




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