温かき缶珈琲や冬夕焼
夕焼は夏の季語であるが、冬にも見られる夕焼をいう。
冬は日没も一年で最も早く、寒くもあるので、外で夕焼を楽しむことは少ない。
冬の夕焼は西空を燃え立たせて、たちまち薄れてしまう。
散策していると空は次第に冬の夕焼となった。
自動販売機で温かい缶コーヒーを買って飲みながら、冬夕焼を眺めた。
冬茜背(せな)に家路を急ぎけり
温かき缶珈琲や冬夕焼
夕焼は夏の季語であるが、冬にも見られる夕焼をいう。
冬は日没も一年で最も早く、寒くもあるので、外で夕焼を楽しむことは少ない。
冬の夕焼は西空を燃え立たせて、たちまち薄れてしまう。
散策していると空は次第に冬の夕焼となった。
自動販売機で温かい缶コーヒーを買って飲みながら、冬夕焼を眺めた。
冬茜背(せな)に家路を急ぎけり
一人踏む一人の音の落葉かな
冬の間に落葉樹が落とす葉のことをいう。
梢から散った葉は風に吹かれて舞い、あるいは音もなく地上に散り敷く。
やがて山野を埋め尽くす落葉は、地表に堆(うずたか)く積もる。
落葉の上を一人で歩くと、かさかさと一人分の音がした。
古鎌倉街道
落葉してゐたる鎌倉古道かな
展望台上れば山の冬霞
関八州見晴台
霞は春の季語だが、冬に立つ霞をいう。
武甲山
風もなく暖かい日など、霞がたなびくことがある。
両神山
冬でありながら春のような穏やかな景である。
丘陵の展望台に上った。
そこからは冬霞のたなびく山々が望まれた。
浅間山
冬霞峡の地蔵に手を合はせ
足止めて桜落葉に魅せられぬ
散って落ちた桜の葉をいう。
桜は他の木よりも早く黄色から赤く色づき、散ってもよく目立つ。
また、深紅に色づいた桜落葉は美しくもある。
川沿いの小道を歩いていると、桜落葉が見られた。
足を止めて見ていると、その美しさに魅せられてしまった。
風にまた散つたる桜落葉かな
久々の日差し恋ひけり冬薔薇
冬になっても花をつけている薔薇をいう。
薔薇の花が盛りとなるのは初夏と秋だが、暖地では十二月中旬まで咲き続ける。
冬枯れの中、鮮やかな小振りな花をつけている様子は健気(けなげ)で美しい。
長い間曇っていた空が久々に晴れ渡った。
その日差しを恋しく思った。
日を浴びた冬薔薇も喜んでいるように美しかった。
冬薔薇や煉瓦の門を潜りきて