【騒音問題】
第2に学生たちが指摘したのは、大学における騒音問題である。その中でも集中したのが、①図書館における騒音 ②寮内の騒音だ。
①図書館での騒音・・・いったいどんなうるさい音が真面目な彼らの自習を妨げるのか。ある学生がアンケート調査をもとにランキングを提示した。それによると、騒音の出所は次の通り。
1位:図書館の職員が本を整えているときに発する大声。
2位:図書館の職員たちが勤務中、大声でしゃべったり笑ったりする声。
3位:本を整えている女性職員のハイヒールの踵(かかと)が、フロアを強く打つ音。
4位:近くに座っている恋人同士のいちゃつく声。
5位:隣の学生達が、何かを議論する声。
6位:女学生のハイヒール音。
7位:隣の学生が携帯をいじくってボタンを押している音。
8位:トイレや窓際などの隅で電話する声。
1位~3位までを、図書館員の発する声・音が占めている。学生達の苦々しい気持ちが如実に伝わってくる。
聞くと、職員は本の整理をするとき頻繁にガミガミ言うらしい。「誰だ~!ここにこの本を置いたのは!この本はあっちの本棚に置くべきものだ。全く本当になっていない。ブツブツ・・・」など。
2位の勤務中にしゃべくりまくる職員には、私もうんざりしたことがある。こちらに来て間もない9月のある日、油照りのキャンパスをうろうろしているうちに図書館を見つけ、涼を求めて入った。2階の閲覧室でパラパラ雑誌を見ていたら、突然カウンターでみんなを見張っている職員が「ウエイ?」と始めた。さっさと切るだろうと思いきや、バスの中と同じ。周囲を全く気にせず、いつまでもいつまでも話している。その声がまたでかい!あげくにしゃべりながら煙草まで吸うではありませんか!?エアコンの涼しい空気があっという間に煙草臭と煙で濁ってしまった。
自分としてはその職員に険しい視線を投げまくったのだが、(目の悪いおばちゃんが一生懸命こっちを見とるわ)ぐらいにも思ってくれたか…、無理だろうな。
学生達の訴えは続く。「女性職員が2人寄ると、世間話が始まる。ヒソヒソ声でも気になるのに、野菜が高いのなんのと、内容が丸分かりの大声で、こっちが泣きたくなる。」「図書館を体育館と勘違いして、何人かの女性職員は、ダンス講習会みたいなのをやっていた。」「学生達のための図書館なのに、学生は我慢ばかりしている。」等々…。
しかるべき所を通して苦情を言えば?と私が言うと「何度も言いました。でもダメです。あの人たちにはバックがついているから。」とのこと。う~~~~~む
②寮内の騒音・・・一人っ子政策により、兄弟姉妹がいない学生が増えるに従い、当然コミュニケーション能力の低下が指摘されている。そんな彼らにとって寮生活を自治的かつ円満に行うのは簡単ではない。
以下はある学生が書いたレポートの一部だ。
「寮における騒音問題について」(呉 微○)
大学に入って以来、授業時間以外は寮で勉強する時間が多い。しかし、静かに勉強する場所であるはずの寮は、いつも騒音がして、私たちは迷惑を被っている。あるインターネットのサイトによると、約80%の学生は寮に騒音問題があるという。その中で、話し声とパソコンからの音が大部分を占めている。私にとって非常に困っている騒音は、廊下と階段でのハイヒールの音と向こうの寮での叫び声である。夜にはいつも激しく歌を歌う声が聞こえる。
ここで、このような現象は中国の大学生の恥に関する認識が変わったととらえることも可能であろう。つまり公的な空間の中で勝手に自分の事をして、周囲の人を物のようにしか見なくなった人々が増えたのだという見方である。しかし、大学において身につけるべき事とは、単に知識の量ではなく、他人に対する態度もあろう。・・・
こんな場合、日本の若者はどうするだろう。まず、寮の管理人に注意してもらうかな。しかし、ここは中国。管理人さんは一日中テレビを見たり新聞を読んだりしているだけで、鼠が出ようが、泥棒が入ろうが気がつかないのである(と学生が言っている)。デリケートな学生の騒音苦情など問題外だ。
クラスには学級委員がいるので、寮にも生活班制度みたいなのはあるだろう。しかし、お互いに注意しあうことについては、私が見る限り少し消極的な感じがする。日本の子ほどではないが。
相手を批判するような発言を避ける傾向はここ中国でもやはり見られる。どうしたら相手に気がついてもらえるか、上手に伝える技を身につけるには社会でもまれる機会を待つしかないのだろうか。
第2に学生たちが指摘したのは、大学における騒音問題である。その中でも集中したのが、①図書館における騒音 ②寮内の騒音だ。
①図書館での騒音・・・いったいどんなうるさい音が真面目な彼らの自習を妨げるのか。ある学生がアンケート調査をもとにランキングを提示した。それによると、騒音の出所は次の通り。
1位:図書館の職員が本を整えているときに発する大声。
2位:図書館の職員たちが勤務中、大声でしゃべったり笑ったりする声。
3位:本を整えている女性職員のハイヒールの踵(かかと)が、フロアを強く打つ音。
4位:近くに座っている恋人同士のいちゃつく声。
5位:隣の学生達が、何かを議論する声。
6位:女学生のハイヒール音。
7位:隣の学生が携帯をいじくってボタンを押している音。
8位:トイレや窓際などの隅で電話する声。
1位~3位までを、図書館員の発する声・音が占めている。学生達の苦々しい気持ちが如実に伝わってくる。
聞くと、職員は本の整理をするとき頻繁にガミガミ言うらしい。「誰だ~!ここにこの本を置いたのは!この本はあっちの本棚に置くべきものだ。全く本当になっていない。ブツブツ・・・」など。
2位の勤務中にしゃべくりまくる職員には、私もうんざりしたことがある。こちらに来て間もない9月のある日、油照りのキャンパスをうろうろしているうちに図書館を見つけ、涼を求めて入った。2階の閲覧室でパラパラ雑誌を見ていたら、突然カウンターでみんなを見張っている職員が「ウエイ?」と始めた。さっさと切るだろうと思いきや、バスの中と同じ。周囲を全く気にせず、いつまでもいつまでも話している。その声がまたでかい!あげくにしゃべりながら煙草まで吸うではありませんか!?エアコンの涼しい空気があっという間に煙草臭と煙で濁ってしまった。
自分としてはその職員に険しい視線を投げまくったのだが、(目の悪いおばちゃんが一生懸命こっちを見とるわ)ぐらいにも思ってくれたか…、無理だろうな。
学生達の訴えは続く。「女性職員が2人寄ると、世間話が始まる。ヒソヒソ声でも気になるのに、野菜が高いのなんのと、内容が丸分かりの大声で、こっちが泣きたくなる。」「図書館を体育館と勘違いして、何人かの女性職員は、ダンス講習会みたいなのをやっていた。」「学生達のための図書館なのに、学生は我慢ばかりしている。」等々…。
しかるべき所を通して苦情を言えば?と私が言うと「何度も言いました。でもダメです。あの人たちにはバックがついているから。」とのこと。う~~~~~む
②寮内の騒音・・・一人っ子政策により、兄弟姉妹がいない学生が増えるに従い、当然コミュニケーション能力の低下が指摘されている。そんな彼らにとって寮生活を自治的かつ円満に行うのは簡単ではない。
以下はある学生が書いたレポートの一部だ。
「寮における騒音問題について」(呉 微○)
大学に入って以来、授業時間以外は寮で勉強する時間が多い。しかし、静かに勉強する場所であるはずの寮は、いつも騒音がして、私たちは迷惑を被っている。あるインターネットのサイトによると、約80%の学生は寮に騒音問題があるという。その中で、話し声とパソコンからの音が大部分を占めている。私にとって非常に困っている騒音は、廊下と階段でのハイヒールの音と向こうの寮での叫び声である。夜にはいつも激しく歌を歌う声が聞こえる。
ここで、このような現象は中国の大学生の恥に関する認識が変わったととらえることも可能であろう。つまり公的な空間の中で勝手に自分の事をして、周囲の人を物のようにしか見なくなった人々が増えたのだという見方である。しかし、大学において身につけるべき事とは、単に知識の量ではなく、他人に対する態度もあろう。・・・
こんな場合、日本の若者はどうするだろう。まず、寮の管理人に注意してもらうかな。しかし、ここは中国。管理人さんは一日中テレビを見たり新聞を読んだりしているだけで、鼠が出ようが、泥棒が入ろうが気がつかないのである(と学生が言っている)。デリケートな学生の騒音苦情など問題外だ。
クラスには学級委員がいるので、寮にも生活班制度みたいなのはあるだろう。しかし、お互いに注意しあうことについては、私が見る限り少し消極的な感じがする。日本の子ほどではないが。
相手を批判するような発言を避ける傾向はここ中国でもやはり見られる。どうしたら相手に気がついてもらえるか、上手に伝える技を身につけるには社会でもまれる機会を待つしかないのだろうか。