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毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「夏休みが終わる」 2012年8月31日(金) No.429

2012-08-31 14:51:39 | 日記
2ヶ月間の長い休暇が終わる。
色々なことがあった。
帰国者一世、西井澄さんの解放文学賞佳作受賞、
財大二年生、黃ゆうひん君の来日ホームステイ、
娘ナオの結婚披露、
第八回「中国人の日本語作文コンクール」に3人の教え子が入賞。
これら一つ一つは全部前向きの明るい出来事ばかりだ。
たった一つ、
スエミ姐さんがいなくなったことだけ、それだけが残念だ。
残念でならない。

この南昌の宿舎にも、スエミ姉さんのスウーデン土産のトイレットペーパーフォルダー、垢こすりタオル、陀羅尼助丸、お連れ合いがつけた梅干…。
何気なく冷蔵庫や引き出しを開けた時に目に飛び込んでくるそれらの品々は、
スエミ姐さんがそれをくれた時の言葉や仕草まではっきりと思い出させる。
梅干なんて、つい先月の8日のことだ。
自分の体調もさて置いて、
「お腹こわしたときや、なんも食べられへんとき、これとご飯だけでも食べや。」
と言って、渡してくれた。
その3週間後にこの世では会えなくなるなどと、ひとっつも考えなかった。
これからも中国から戻ったら、大阪にはスエミ姐さんが連れ合いとともに仲良く、
いつも私を待っていてくれると信じて疑わなかった。

亡くなって35日のお参りに伺ったとき、
スエミ姐さんの手帳をチラッと見せてもらった。
毎日、克明に会った人たちの名前が記録してあり、
末尾に必ず「どうもありがとう」と書いてあった。
覚悟していたんだ…。

爽やかに窓を開けて飛び立っていったスエミ姐さん。
うっかり取り残されて、私は呆然とした。

それでも、毎日何とかやっている。
取り残された者たちの一人、文ちゃんが
「こういうときは、声を出して『それはそれ、これはこれ』と言うねん。
おまじない。」
と教えてくれた。
呆然とばかりしてはいられないので、
私も毎日声を出して
それはそれ!」と気合を入れている。
もう新学期がスタートするのだ。





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