高遠さんの話の中で、私が不意を衝かれ、ウッとなったエピソードがあります。
イラクで活動するアメリカのNGOグループの話です。
アメリカ軍によって滅茶苦茶に破壊されたイラクに、
そのアメリカからボランティアでやって来る人たちがいるのだそうです。
高遠さんがはじめそのグループの人たちと知り合った時、
彼女ら・彼らは自国の軍隊がイラクで何をしたか、
詳細はサッパリ分かっていませんでした。
高遠さんが、アメリカ軍の残虐非道な行いを丁寧に説明すると、
アメリカから来たその人たちはひどく落ち込んだそうです。
(そりゃ、そうでしょうよ・・・)。
しかし、と、高遠さんは愉快そうに言いました。
当然、それでアメリカに帰っていくと思ったら、どっこい、
彼女ら・彼らは「よく分かった。私たちは償う」と言って残り、
今も活動を続けているそうです。
下の写真は、それらNGOグループの名前です。
私は試しにネットでPreemptive Love Coalition を検索してみました。
すると、たくさんのサイトが出てきました。
下はフェイスブックのそのNGOのHPから拾ったものです。
昨日やつい先ほど掲載された記事です。
まさに、イラクが一気に近づいたように感じました。
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A brutal heat wave, country-wide protests, and the daily onslaught of ISIS could not prevent you from showing up for Haditha!
15 tons of food delivered by cargo plane over ISIS-controlled territory is amazing—share this image to show your impact!
和訳:過酷な熱波や国中の抗議、そしてISISによる日々の猛攻撃もあなた方がハディーサに現れることを妨げることはできませんでした!
貨物機による15トンの食べ物が、ISISに支配された地域に届けられたのは、実に素晴らしいことです。あなた方がもたらしたインパクトを示すためにこのイメージ(絵)をシェアします。
↓2(20時間前)
Emergency relief supplies for Haditha were packed up in heat of more than 120°F and then delivered to an active war zone—we work with some courageous, hard-working volunteers!
和訳:ハディーサへの緊急援助物資が120°F以上の暑さの中で積み込まれ、それから、今も戦闘中の地域へ運ばれた。我々は何人かの勇敢で一生懸命働くボランティアの人たちとともに作業をしている。
↓3(31分前)
Moms in Haditha woke up this morning knowing they can feed their families—because you showed up! Thank you!
和訳:ハディーサのママたちは、今日は家族に食事を与えることができることが分かって起きてきました。なぜなら、あなた方が現れたから!ありがとう!
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日本の新聞やテレビが伝えないのなら、自分で知る努力をするしかありません。
高遠さんは、英語はどうしても避けて通れないものだと説得していました。
「英語は苦手で~」と言っている場合ではないが、どうしても自信がない場合、
1翻訳機能を使う。
2孫や子どもを使う。
とにかく、立ち向かうしかないのだ、と。
情報鎖国に立ち向かう方法だけではなく、
私が高遠さんの話から学んだのは、
アメリカ人NGOグループの
「よしわかった、私たちは償う」という姿勢です。
私は今月末、またしばらく中国に行きます。
中国では先の戦争で、日本軍によって中国人がどれほど酷い目に遭ったか、
知らない人はいません。
以前勤務していた大学の日本語学科のある学生は、
「自分の祖父が子どもだったとき、
目の前で母親が日本軍のために大怪我をしたのを見ていたので、
日本が大嫌いだ。自分が大学で日本語学科に入ったとき、
祖父は怒り、祖母は泣き、猛反対された。」
と作文に書いていました。
これは歴史の事実です。あったことをなかったことには決してできません。
歴史修正主義者たちが百万回「なかった」と言ってもダメなのです。
イラクでアメリカ人たちが頑張っていることを知って、
へなちょこの私も大いに励まされました。
また、父や母の世代がした罪を償いに行ってきます。
自分の子どもや孫の世代が、中国や近隣諸国の人々と
何の屈託もなく平和に交流しあえるように、
一人分の力であっても尽くしたいと思います。