ずっと昔のこと、小学生同士がけんかをしたとき、ろくに訳も聞かず、
「喧嘩するのはどっちも悪い。だから二人とも謝りなさい。」
という先生がいました。
私はいつも(それ、変だな。原因を作った方が悪いのに。
どうして喧嘩の経緯を聞かないのかな)
と、納得できませんでした。
当人たちも(?₋?)の顔でしたが、でも、大人の先生が命令するので
「ごめんなさい。」とか言って引きさがる場面を見たことが何度もあります。
先生は子どもに関心がないので適当にその場を収めていたのでしょう。
(自分は関係ない、目の前でけんかされるのは鬱陶しい)。
そんな心の声が聞こえてくるようでした。
今、もしそんなことを言う先生がいたら、親が黙っていないのではないかと思います。
「うちの子は被害者なのに、なんで謝らなければならないんですか!?」と。
私も自分の子や孫が被害に遭って、なおかつ謝らせられたりしたら、
すぐ学校に行きます。
今回の大阪府警機動隊員の「土人」「シナ人」発言を擁護して、
「反対派の人たちも無茶苦茶言っている」と言い、
「だからどっちもどっちだ」、さらには
「反対派が反対するから悪いのだ」
と述べているに等しい大阪府松井知事を筆頭にした人たちは、
昔、「喧嘩両成敗」と言って済ましていた先生を想起させます。
辺野古・高江で抗議している人たちは、
なぜ新基地建設・ヘリパッド建設に反対しているか、
松井知事は全く触れず、考えてもいません。
「職務上手を出せないのをいいことに、反対派は言いたい放題やってくる」
とネット上で松井知事に同調する言葉を見るたびに胸が痛みます。
沖縄県民は被害者です。
加害者は政府並びにそれに同調する人々、
そして、沖縄の基地問題について(自分は関係ない、鬱陶しい)と思う人たちです。
戦後70年間、ずっと沖縄は銃剣とブルドーザーで米軍に土地を取り上げられ、
多くの死者を出すたいへんな被害を受けてきました。
国土のわずか0.6%に過ぎない沖縄に全国の75%の基地が集中し続けており、
さらに機能がアップした新基地が建設されれば、
未来永劫に渡って沖縄は基地の島として固定化されるという事実があります。
「沖縄のガンジー」と呼ばれる阿波根昌鴻さん著「命こそ宝」(岩波新書)には、
語り掛けるような言葉で、
戦後、沖縄人が受けてきた具体的な被害の事実がたくさん書かれています。
そして、沖縄の人たちがどれほど粘り強く支配に屈せず闘い続けてきたかも。
沖縄を犠牲にして戦後70年の日本の「平和と民主主義」が成り立ってきたことを
その本で再確認して、
私はどうしようもなく恥ずかしく、そして、申し訳なく思います。
写真も載っています。
「反対派の人たちもめちゃくちゃ言っている」と言う人たち、
また、(それもそうかな)と思う人は、どうか、その本を読んでみてください。
昨日今日のことではないのです。
なぜ、反対派の人たちが今も毎日、毎日、建設工事反対のために現場に立ち、
声を上げるのか、その原因を知ることから始めてほしいと思います。
「沖縄は我がままだ」というとんでもない声もネットで見ました。
それも沖縄の歴史を知らないからこそ言えるのでしょう。
その場、その場でパッパと決めつけず、
じっくり、ゆっくり、沖縄の声に耳を傾けると、
全く違う沖縄の姿が見えてくるはずです。
瀬嵩の金城商店のオバア。基地建設反対の座り込みに来たと分かると、
「私はなんにもできなくて…」と「うまい棒」やパンをサービスしてくれました。
(去年の6月撮影)
瀬嵩の浜から後ろを振り返るとヤンバルの森と青い空が(去年6月)。
戦後70年間諦めないで闘い続けている沖縄の人たち。
戦争中、米軍が上陸することが分かって、
「捕虜になったら鼻を削がれ、耳を削がれ、最後は殺される。そうなる前に自決せよ。」
と教えられて、親が可愛いわが子を追いかけて殺した歴史を持つ沖縄だからこそでしょうか。
私たちヤマトンチューはそんな沖縄の歴史から学ぶしかありません。