毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「さよなら江西省の村」    2012年2月15日(水)  No.284

2012-02-15 21:47:59 | 中国事情
 今日で農村訪問の文を終わる。写真がまだまだ一杯あるのだが、こればかり書いていては日々のあれこれが書けないのでそろそろまとめとしよう。




この一回退職したような女性たちばかりの団体は電気屋さん新装オープンの「キャンペーンレディ」達なのである。10時開店前、張り切って出番を待っている。中国はいいなあ、退職後の女性にもこんな華やかなバイトがあって~~。




太鼓を打ち鳴らしながらストリートを一巡する。紅い衣装はめでたい色だからである。みんな堂堂としてカッコよかった!




スワ!市街戦!!いえいえ、開店祝の爆竹だす。どうせやるなら派手にやる。流石、中国!




通行人もうるさいわ、前が見えないわで、立ち往生。みんなどこかに引っ込んでしまった。




感動的なキノコ。リヤカーに一杯溢れんばかりのシメジ茸だ。




旅もそろそろ終わり。本当に心からもてなしてくれた思婷さんとお母さんに非常感謝!!




再見!一生忘れません~~!



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「便利、便利と暮らしてきたが…」  2012年2月14日(火) No.283

2012-02-14 22:51:26 | 中国事情
 私が3、4歳の頃、家に電気はなく、ランプや安全燈のほや(ガラスの筒)を磨くのは小さい手をしている子どもの仕事だった。小学校に入るか入らないかの頃、父が水力自家発電で家に電気を引いた。以前も書いたとおり父は尋常小学校4年までしか行っていない。
 私は父がどのようにして発電の知識を得、実際に発電までこぎ着けたかなど考えることもなく、その明るさを享受していた。ある夜、近所のおばさんが来て
「ここの家は都会のようだねえ。ほんとに明るくていいねえ。」
と羨ましがった。その時私は『とかい=明るい』と覚えた。
 
 雨が降った時は(そんなに光らんでも…)と思うほど煌々と輝き、川の水かさが減るとライトはいつ消えるか心許ないという激しい落差はあったものの、私は自分の家の電気を自慢に思った。明るくなったからと言って夜勉強した記憶は全くないが、多分好きな漫画を繰り返し読んだに違いない。家族の表情もみんな明るかった気がする。ちょっとお正月が来たときにも似て…。
 これはこのブログのNo.154(2011年6月19日)にも書いたことだ。

 もしランプ生活がさらに続いていたら、と考えてみた。
部屋の隅の方は暗いし、廊下はもっと暗い。真っ暗な別の部屋に行くときは、安全燈を持っていかねばならない。安全燈はランプと違って床に置けるが、蹴躓くとたいへんだ。私のようにうかつな人間にとって安全燈はちっとも安全じゃない。夜中にどうやってトイレに行っていたんだろう。外の月明かりか雪明かりを頼りにしていたんだろうか。ああ、スイッチ一つでどの部屋も明るくなる電気は、どんなにありがたいものであることか。

 暖房もそうだ。最初は薪ストーブだった。それから石炭になり、おがくずストーブなんかもあった気がする。そして石油ストーブの到来。さらに石油ファンヒーターなどと言って、臭いもほとんど感じない高性能暖房機が開発された。
 本州では(関西では)、石油ファンヒーターよりガスストーブを好んで使う家が多いようだったが、今の暖房はエアコンを筆頭に、電気こたつ、電気カーペットなど電気が中心だろう。臭いもないし、ガス中毒になる心配もない。第一クリーンである。

 水も井戸からポンプ、ポンプから水道に変化した。ありがたい。トイレもボットンから水洗になり、ウシュレットまでできた。日本はすごい。アメリカのシアトルでウシュレットを懐かしむと、地元の先生から冷ややかな視線が返ってきたものだ(自慢するな!という感じで)。

 日本は何でも本当に便利になった。ああ~、シアワセ~!ってか?
ほぼ60年生きてきた中で、ときどき(みんなが幸せになる社会になればいいなあ)と思った。
しかし、その、幸せって何?と考えたとき、「便利な生活=幸せ」ではなかった。「便利でありがたい」とは思う。だが、幸せはそういうことじゃない。多くの人もそう感じていると思う。だから「豊かになったって言うけど、実感ないんだよね~。」というつぶやきが出るのだ。

 どこからそうじゃなくなったのか。
中国江西省の村の人達はちっとも不幸せに見えないどころか、人々の表情にはかなり充足感が認められた。電気はかろうじて引かれていたものの、水道はなし、0℃近い朝でも暖房はなし、小学校も本屋も喫茶店ももちろんインターネットもない、超不便な生活なのに。
結論;やっぱ、キーワードは『自然』だな。自然から離れすぎたらダメだ。そう確信する。
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「買い物市(いち)~その2~」     2012年2月13日(月) No.282

2012-02-13 21:51:16 | 中国事情
 この村の市(マーケット)の特徴は品物の多くが手作りであることだ。もちろんどこかから仕入れてきた衣類、靴などもたくさん売られていたが。



手作り篭や箒を見ると、うっとりする。ああ、この箒、一本欲しいな…。




さりげなく積まれた篭やら。手前のは何という名前だったかな?ただのザル?子どもの頃家にいくつもあった。記憶では豆とか入れていたような。




この青い服を着た細身のおじいさんは、思婷さんのお母さんの叔父さんで漢方薬屋さんだ。ここでクコを一袋買った。
白いジャケットが思婷さんのお母さん。日本人の私を守るために当日一緒に来てくれたのだ。




この叔父さんは自分の姪の子ども(つまり思婷さん)を、私の子どもと勘違いしたりして、かなり大らかな人だった。



美味しそうなお菓子。ポン菓子風だが買わなかったので実際はどうか。


このようにその場で作って売っているのだった。



皿の中に名前を彫っている職人さん。裏じゃなくて表に彫っているのが愕き!この辺りではそうするんだって。



使い込んだミシンを駆使して、ハテ?何を作ってはるんやったか。あまりにも笑顔が素敵で忘れてしまった。でもほら、しっかり働く女性はみんな腕貫(うでぬき)しているんだよ。カッコイイじゃないですか。私も炊事をするときは使っています。もちろんこの市で買った物。




何という美しい足なんだろう。肉として売られてもなお…。




唐辛子は江西省の料理には欠かせない。ほぼ全ての料理に唐辛子を入れて辛くする。慣れたっちゃあ慣れたけど、他の味が恋しくなるときがある。




お昼はマーケット近くの屋台でミーフェン(ビーフン)を食べた。出来るまで思婷さんのお母さんは、ずっと作っている人の側に立っていた。「知り合いなの?」と聞くと、
「いいえ、作る人が清潔にきちんと作っているか見張っているんです。母は外で食べるときはいつもこうなんです。」
と思婷さんの返事。すごい。「その野菜、もう一度洗ってください。」などと言っていた。心なしか作っているおばちゃんの横顔にイライラ感が…。
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「買い物市の日~その1~」   2012年2月12日(日) No.281

2012-02-12 21:37:38 | 中国事情
 今日は①ホイットニー=ヒューストンが亡くなった。
    ②福島原発2号機で90℃近くまで水温が上がった。
    ③吉本の「面白い恋人」が「白い恋人」に訴えられた。
など、色々なニュースが押し寄せてきたが、私は自分の一日を過ごすしかない。ちょっとだけの中国語学習、読書「日本の神々」(谷川健一)、チキンスープ(ライスと麺入り)作りなどしてもう一日が終わりかけ。

ということで、ブログも淡々と江西省の農村訪問の続きだ。いよいよ隣の市(し=新余市)管轄の村で月に数回定期的に開かれる市(いち)。写真をたくさん撮ったので今日だけでは説明しきれない。今日は前半ね。


劉村からその市に行く途中、丘をいくつか越えていく。
歩きながら唐突に韓国映画「風の丘を越えて~西便制~」の1シーンを思いだした。3人の義理の親子が「アリラン」を歌い太鼓を打ちながら旅を続けるあのシーンだ。趙博さんの『歌うキネマ』でもお馴染みだが、あのシーンは映画の中で最も心に残ったうちの一つだ。
畑の土が赤くて、時々生えている草の緑がいつもとは違う色に見えた。



さあ、いよいよマーケット会場に着いた!もう買い物を終えて買える人たちもいる。まだ午前10時なのに。



量り売りで売られているお菓子。どれも安くてまあまあの味。だけどバター・マーガリンは全然使われていない。輸入品はメチャ高いからね。「岩おこし」「ビスケット」「ポン菓子」とよく似ているのがあった。




旧正月前とあって、正月飾りの絵がたくさん。鯉や赤ちゃんの絵に混じってやっぱり毛沢東の顔が…。



イヤイヤ、毛沢東だけを祭り上げちゃいかん、というわけか、七福神ならぬ四政治家がズラリ(誰だか分かる?)。こういうのを買って帰る人もいるんだろうな。売っているということは。



子どもが欲しい人たちはこういうのを買うのかな。左右の七文字はセットになっていて、読み上げるとリズムがあってカッコイイ。試してみてね~。


大晦日の夕方に家の入り口に貼る「春聯」を書いて売っている。左右に一枚ずつ、中央上に一枚といった配置のようだ。次々にお客さんが書いてもらっていた。


生きたまま篭に入れられているのは鴨。鶏もこのようにして売られている。なんかドキドキする。




こちらは鶏。子ども達は売られるときにチャッチャと殺される鶏を見る。そういう場面を見て育つ。いつも命の実態の傍にいると、自然の循環がものすごく分かると思う。都市が失ったものがここにはある。
よく、都市生活者は田舎の者を「ダサイ」というが、ダサイのはその人の脳みそである。


これは淡水魚で小骨が多いが白身の美味しい魚だ。お腹を見せながらもまだエラでパフパフしていた。
未だ明けやらぬ早朝に捕ってきたのだろう。江西省の一月の日の出は7時半頃だった。4時、5時はまだ真っ暗。
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「中国農村訪問⑥~村の様子~」    2012年2月11日(土) No.280

2012-02-11 22:50:42 | 中国事情
今の日本の農村にはまず無いものがほとんどだ。以前はどうだったんだろう。私の子どもの頃、水汲みポンプは家の中にあったが。



米粉(ミーフェン=ビーフン)ならぬ紅芋粉は、このように平たくして干したものを麺状に切る。
中国東北地方では小麦粉で作る「麺」を食べるが、ここ江西省は南方の食文化エリアで、「粉(フェン)」をよく食べる。春雨のように透明になり、焼きそば風にしても、鍋物に入れても美味しく、またお腹が膨れる。
お土産にこの紅芋粉をた~くさんもらった。




この家の住人は近所に引っ越して、ここはもう誰もすんでいない。家の扉の上に『敬祝毛主席万寿無疆』(“毛主席の限りない長寿を慶祝する”みたいな意味)と紙に書いてあるのを見て、
思婷さんのクラスメートで河北省の農村出身の範夢婕さんが、
「この村は本当に大昔風の村ですねえ。私の村にはこんなの貼っている(&いた)家は一軒もありません。」
と言った。北と南の違いか。
毛沢東は江西省の隣の湖南省出身で、江西省でも井崗山など、あちこちに革命軍の足跡を残している。そして南昌は「八一蜂起」で有名な『革命の聖地』だ。そのせいかも。思婷さんの家の正面扉を開けると、毛沢東の肖像画が真正面に貼ってあるのはこの前書いた。
思婷さんは親に逆らわない子だが、内心嫌がっている。彼女は、共産党に入れば就職など何かと有利になるのに、頑として入らない。顔はアグネス=チャンの若い頃みたいにホンワカ優しい子だが、意思の強い子だ。




思婷さんの家の前で何時間も遊んでいる兄弟。服の色でお姉ちゃんと弟かと思ったが、違った。両親は出稼ぎで、お婆さんが世話をしているそうだ。そういう家が多いという。といっても子どもの絶対人数も少ない。昔はこの村も、もっとたくさん子どもがいて活気があったそうだ。これは日本の農村と共通している。



思婷さんが、小学生の頃使っていた学校用の鞄。お母さんのお手製で、彼女はものすごくその鞄を誇らしく思っていたそうだ。「鞄だけ撮ってください。顔は余分。」と言ってヘンなポーズをする思婷さん。



これが近所の貴重な水汲みポンプ。不便だけど慣れたらそうでもない。内モンゴルの草原で井戸まで1時間かかって水汲みに行っていたことを思えば。便利も不便も慣性の法則で何でも無く感じるのが生き物の力かな。




これが先日申しました「壁に叩きつけられた牛の糞」でございます。とても上手に並べて叩きつけられているのがスゴイ。右の方にないのは、乾いたからもう剥がしたんだろうか。
村の暮らしはおもしろい!
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「北海道、中国人に大人気」    2012年2月10日(金) No.279

2012-02-10 11:44:35 | 中国事情
 新華社インターネットニュースで今朝見た記事。
北海道の皆さん、これを機会に中国語を勉強してみてはいかが~?

「中国人は声がでかい。」という評判はその通りだが、その原因の一つに中国語の発音の仕方があると私は考える。
四声の第四声は強く言った方が自然だし、また中国語の発音は似たり寄ったりの音が多くて、聞き間違えることも多々ある。聞き間違えて欲しくない人は、おのずと大声ではっきり言わざるを得ない。
これは私の勝手な考えだけどね。

そして、それ以外の原因もいろいろ考えているけど、ここでは言わない。


「チャーター機で北海道ツアー」~中国で人気 春節も盛況~
2012年02月09日

【新華網】 春節を海外で過ごす中国人が増えるにつれ、香港、タイ、オーストラリアなどが海外の旅行先として人気がなお高いが、新たな市場も開拓されつつある。中でも日本の北海道がその第一候補となった。

2月2日、衆信旅游公司の最後のチャーター便ツアーが出発した。同社は今年の春節連休から北海道チャーター便ツアーを開始、連休中に用意した5本のツアーはいずれも春節前に満員となった。

1年を通して中国人観光客に人気の北海道は特に雪で知られている。スキー愛好家にとって、冬は北海道を観光する格好の季節。地理的に近いことも中国人観光客を集める一因だ。

衆信旅游の日韓市場担当、張セイ氏は、「北海道は中国人観光客にとって魅力のあるエリア。中国で大ヒットした映画『非誠勿擾』(誠意のない方、お断りする)で北海道が取り扱われたことも人気の理由で、わが社が用意する北海道観光コースはスキー、温泉のほか、この映画で出てきたスポットを周遊する。多くの観光者が、映画で出ていたスポットに沿って北海道を巡ることを望んでいる」と話した。

北海道行きの直航便を開設している中国の航空会社は現在中国国際航空(*エア=チャイナCAのこと;ブルーはーと)のみで、需要に対応しきれていない。また中国の旅行会社の多くが北海道観光商品を取り扱っているが、その大半は日本ツアーの一部として組み込んでおり、需要に追い付いていない。従って、北海道行きの直航便には大きな可能性が潜んでいる。

張セイ氏によると、衆信旅游に続いて他社もまもなく北海道チャーター便ツアーを発売する可能性がある。

(翻訳 李継東/編集翻訳 松尾亜美)
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PIKKIBIKKIさんの「青空」      2012年2月9日(木) No.278

2012-02-09 21:14:48 | その他情報

 今日見つけた詩のブログ。書いたのは我が故郷北海道の人だ。
“自分の書いた詩を読んで号泣する日が来るとは・・・”と書いてあった。



「青空」 2009年08月12日  PIKKIBIKKI

青空が
もう片目でしか
かすかにしか見えない
糖尿病が目にまでやってきたようだ

青空が
いまもずっと
拡がっているというのに

青空よと・・
そっと呟いている
子供の頃
北海道の原始林の上に拡がっていた青空よ

いったいぼくらは
どんな地獄へと
進みつつあるんだろうか


同じ人(PIKKIBIKKIさん)の散文も掲載させてもらう。


「平和のイメージは湯気の上がるご飯をみんなが食べている場面」
2011年11月24日

一番頭にくる政治屋は高橋道知事だ。
韓国企業が修理を請け負い不審火・不審事故が連発した泊原発で、
福島原発とは違うプルサーマル型原発で別の人体実験を何故やるつもりなのか?
こんな馬鹿女に道を汚染され放題なのか?
道産鱈の汚染が多く三平汁も食べられない。
その上遺伝子組み換えとか。道産子とは一体なんなのだ?

平和のイメージはご飯等の食べ物だ。
第二次世界大戦のために作られた「国際決済銀行」では、
連合国・枢軸国銀行家たちが戦後まで戦費決済を。
その後継として作られたのが「IMF」「世界銀行」だった。

ユーゴでは緊縮財政で失業率を膨大にして戦争を生み出し、
韓国は外資支配(日本からの資金で)へと。
その総仕上げが、TPPでの日本崩壊になりつつある。

http://blog.goo.ne.jp/pikkibikki 


北海道知事は確か 高橋ハルミという人だったはず(漢字は覚えていない)。
道知事選挙の時、亡き母が
「ハルミと言う名前はじいちゃん(自分の連れ合い)と同じだから、一票入れたさ。」
と言っていたなあ。こんな事になっちゃって、ジョークにならないね…、ばあちゃん。
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「中国の農村訪問⑤~小学生たち~」  2012年2月8日(水) No.277

2012-02-08 19:38:27 | 中国事情
 思婷さんの村には小学校がないので、彼女は隣の大きい村の小学校(一年生から三年生までの低学年用学校)まで40~50分かけて歩いて通っていた。
隣村の子たちは思婷さんたち弱小村出身者たちに対して、
「この草も、この木も全部私たちのものだから、触るな!」
などと縄張り意識丸出しの意地悪を言ったそうだ。弱小村出身者たちもかばい合って、誰かがいじめられていたら飛んでいって助けた。思婷さんがこの出身校に行くのは、この学校を出てから初めてのことだ。

 行ったらちょうど4時で、子ども達がゾロゾロと校舎から出て来たところだった。(低学年なのに4時まで勉強?!)と思われるかも知れないが、12時から2時までは昼休みで、子ども達は一回家にご飯を食べに帰っている。
「弁当持って行かないの?」
私が聞くと、
「そんなもの持って行ったらみんなに笑われます。」
と思婷さんの返事。なんでやねん??


学校の門前。カメラを向けると初めなんとなく戸惑っていた。


それも一瞬。すぐこれだ。どこの国の子も見事に同じ…。



途中、友だちと別れて家に向かう子。何となく昔風で可愛い子だ。




前を歩いていく5人組は、爆竹をやたら鳴らして喧しい。あっちうろうろ、こっちうろうろしながら帰って行く。しばらく後をついていくうちに思婷さんが、「あっ、あの子達は私の村の子です。」と気がついた。右から1年、3年、3年、3年、2年。来年この3年生達はもっと遠い、もっと大きい村の小学校高学年部の寮に入る。家から通えるのは3年生までだ。




左端紺色上着の子が爆竹鳴らしたり、田んぼの稲ワラにライターで火をつけたり、日本の小学生だったらどんだけ叱られるか、ということばかりしていた(納得の面魂)。他の子もその子から爆竹をもらってかなりエンジョイしていたが。少なくとも200発は鳴らしていたな。
中国の学校の先生はそんな小さいことでいちいち怒らないし、地域の人達も誰も通報しないとのこと。楽な国だ。




思婷さんが同じ村出身だと知ると、急に尊敬と親しみを表しだした子達。秘密基地みたいなところに連れて行ってくれた。しかし、この調子では、何時間かかって家に着くのやら。

 この子達も、村の誉れである思婷さんが日本人老師を連れて帰ってきたことを、大人達から聞いていた様子。あの紺色の上着の子は、私と思婷さんの会話を「何言ってんだか全然分からない。」とか言いながらも「だんだん」とか「そうそう」とか口まねしていた。(聴解力すごいな)と思っていたら突然、
「バッキャロ-!」「キサマ-」と言うではないか。テレビドラマに出て来る日本人(軍人)がいつも言っているので、すっかり覚えてしまったのだろう。それを聞いたときはかなり落ち込んだ…。
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「昨日は元宵節だったんだ~」  2012年2月7日(火) No.276

2012-02-07 17:47:43 | 中国事情

 道理で昨日の夜は外でバンバン花火が喧しかったはずだ。
そうとは知らず私は(いつまで正月気分なんだ)と呆れていたが。
昨年4月、東林寺~廬山の旅でさんざんお世話になった九江学院のSさんから、元宵節の紹介メールをもらった。中国では旧暦初十五の日は旧正月になって初めての満月なので、小正月として祝うのだそうだ。メールのうち、上元節に関する文と写真を引用させてもらう。

上元節happy!

今日は上元節(元宵節)です。中国人は皆「元宵」(*湯圓とも言うみたい;ブルーはーと)を食べます。元宵はあんいりのもち米の粉で作る団子です。


旧暦の一月十五日は元宵節とも呼ばれています。今日は一年の最初の満月の日です。人々はこの日に願いをこめています。
人々は「なぞなぞ」をかいた紙を灯篭やちょうちんに貼り、大勢の人に当ててもらって遊んでいます。古代には、結婚していない女の子は普通の日に勝手に外出するのは良くないが、この夜だけは、家を出て、好きな人に会うのが許されました。



この写真の湯圓にはクコが入っていて、綺麗だ。クコはお粥に入っているのをよく見るが、こうしても食べられるのね~。
それにしても、旧暦に従って暮らす生活って、なんか自然の傍にいられるようで、いいよね。

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「中国の農村訪問⑤~散歩の続き~」 2012年2月7日(火) No.275

2012-02-07 09:57:07 | 中国事情
江西省にも山はある。ていうか、地図で見ると、南昌は平地の真ん中にあり、周りは山で囲まれている。この村は南昌からバスで1時間半ほど南に行った樟樹市の行政区域内の丘陵地帯の麓にあった。周りは少し高い丘が拡がり、果樹園、田、綿畑、野菜畑などに使われていた。村は日本の里山に共通する風情が感じられた。


「黄土」ならぬ赤土で、これは南昌の土も同じだ。日本で言うと関東ローム層の辺りといったところか。なんか豊かな土壌という感じ。



水牛にかじられた大根。水牛は綱で縛られていないので、大根畑でもどこでも柵のない畑を闊歩して野菜を試食したりする。この大根は近隣の市場が開かれる日に、早朝引き抜かれて運ばれるはずだった。
困った水牛さんだ。


水牛さんの落とし物。可愛いお地蔵さんみたいに見える。(よね?)
私の故郷、北海道のホルスタインはもっとベチャベチャな糞をしたが。食べ物が違うのか、牛の腸が違うのか。この糞は、野外トイレの煉瓦壁にたたきつけて貼り付け、乾いたら燃料として使う。「汚い」と言っているばかりじゃダメだす。



湖(本当は巨大なため池)の中で漁師さんが魚を捕っている。淡水魚でとても美味しい。江西省の魚はみんな湖や川でとれたものだが、小骨が多すぎるのが残念(何回喉にひっかかったことか)。夏には水量がものすごく増すので、子どもの頃はその辺の舟を勝手に漕いでいたら、舟底に穴が開いていて命からがら泳いで岸に戻ったと、思婷さんは楽しそうに語った。アブナイ子だったんだ…。


アブナイ思婷さんが子ども時代に遊んだ木。この木の先は湿地というか底なし沼みたいになっている。自分の子どもの頃と重なった。私も山や川でさんざん遊んだが、それが今の私を作っていると断言できる。
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「中国の農村訪問④~散歩~」   2012年2月6日(月) No.274

2012-02-06 14:50:53 | 中国事情
 思婷さんと一緒に村をグルッと一回り散歩した。静かな静かな村だが、ときおり村の人や動物にも出会い、生活の様子も垣間見られた。



キャベツや白菜、ニンジンなどの野菜畑で草抜きをしているお婆さん。この方も「婷婷の老師かい。」とニコニコしてくれた。もう80歳近いという。村の女性達は皆うで抜きをして働いていた。それに影響された私は、娘のお土産にうで抜きを買って帰った。しかし「これは使わんわ。」とキッパリ言われた…。




稲刈りした後の田んぼで草を食べる水牛。あちこちで水牛、黄牛を見かけた。農耕用だそうだ。思婷さんは子どもの頃水牛の世話係で、家族の誰よりも水牛に信頼されていたと自慢する。



田んぼの稲藁。何とこれに火をつけて遊ぶ悪ガキがいた…(後で書く)。



村の低湿地にある古井戸。以前はここから水を家まで運んでいたそうだ。今は何軒かの家の前に水汲みポンプが設置されており、この井戸は使われていない。覘くと直径1mちょっとだがかなり深い井戸の中に何百匹もの小魚が泳いでいた。同時に何十匹もが白い腹を見せて浮いていた。思婷さんは「ここから一度も出られずに死んで…。ここの魚はみんなかわいそう。」とつぶやいた。



村の旧洗濯場。夏には子どもたちはこの川(池?)の中で遊び、親たちは木の下で洗濯しながら子どもの遊びを見ていたそうだ。思婷さんももちろん遊んでいた。私が行った時は近所の水汲みポンプの傍が洗濯場だった。夏になるとここまで洗濯しに降りて来るのだろうか?ここも井戸も思婷さんの家から数百mはある。
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「取りあえず着いた…。」   2012年2月5日(日) No.273

2012-02-05 11:27:46 | 中国事情
 昨日は朝5時に目覚ましをかけ、20分間布団の中でホカホカ感を味わったのちに静かに起き出した。
一部屋を貸しているオクダさんはちょうど実家に帰っているので、静かにする必要はないのだが、いつも7時半まで寝ているのに、まだ暗い冬の早朝に起きて出発するという状況そのものが結構厳かな気がして。

 (こういう事をあと何回繰り返すのだろう)なんて思いながら、ガスの元栓、洗濯機の水道栓、戸締まり、ラジカセのコードなどをチェックし、重いスーツケースとこぢんまり小さいキャリーバッグを一つずつ引きずって、淀川区のマンションの部屋を午前6時半過ぎに出た。

 関西空港まではまったく完璧に順調だった。
しかし、9時25分発のエア=チャイナが「エンジンに不具合がある」とか言って出発が30分遅れた。これが躓きの第一歩(エア=チャイナのバカ~~~)。
 二つ目は上海浦東空港の外国人用入国手続きカウンター前で、諸外国からの人びとが長蛇の列をなしているというのに、20もあるカウンターのうちオープンしているのはたったの4つだけなのだ。前に並ぶ日本人の夫婦らしき二人が、
「この列見たら、すぐに別のカウンターを開くとか、臨機応変に対処しなきゃね。ちょっとよくないね。」
などと日本語でブツブツ言っていた。100%同感だ。私はこんなところでのんびりしている余裕はないのだ。12時40分の深圳航空のフライトに何としても乗らなければならない。しかし、ここで40分を費やしたのが致命的だった。
 バゲッジ=クレイムでスーツケースを受け取り、2階から3階の深圳航空カウンター前に立ったのは、12時12分、出発前28分だった。こういうとき、日本だったら融通を利かせて乗せてくれる。過去にその経験が数回ある。だが、こういうときだけ時間厳守の中国深圳航空職員は
「搭乗45分まえに手続きは締め切りです。ダメったらダメ。」
の一点張りで、困っている客を助けようという態度まるで無し。
 私は重い重いスースケースとキャリーバッグを引きずり、トボトボとその場を離れるしかなかった。(ゆっとくけど、深圳航空は、吉祥航空とともに、出発時刻がメチャクチャ遅れることが当たり前の飛行機会社なんである。搭乗手続きばかり時間に厳格なのが、ホンマ、いらつくわ!)

 しかし、いいこともあった。代わりに乗った吉祥航空は、この日は何と思いがけず、定刻通り午後8時40分に出発し、定刻通り10時には南昌の昌北空港に降りたってくれたのである。以前に乗ったときは、真夜中、日付が変わってから到着した苦い思い出がある吉祥航空だが、これでプラスマイナス0(ゼロ)にしてあげよう。

 いつも迎えに来てくれるドライバーさんとも再会(彼は健康診断に私を連れて行ってくれたとき、視力検査の部屋で小さい声で答えを教えてくれたいい人だ)。宿舎に着いたら午後11時をまわっていた。日本時間では翌日の午前0時過ぎだ。予定通りいけば、午後3時には宿舎に着いていたはずなのに。私はともかく、夜中に出迎えなければならないドライバーさんには本当に申し訳ない。給料は絶対私より少ないはずだ。せめて…、と日本のホタテとスルメとチョコレートをお土産兼御礼でお渡しした。
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「明日南昌に発つ」    2012年2月3日(金)No.272

2012-02-03 18:34:21 | 中国事情
 明日早朝に家を出ていくので、今日は部屋べや(といってもそんなにたくさんあるわけではないが)の掃除をし、天気になったので洗濯ものを干し、敷布団も干した。夏に帰って来たとき黴とか生えていませんように…。

 NHKラジオ第一の「ラジオビタミン」を聞きながら拭き掃除をしていたら、今日のゲストは平原綾香だった。(そうだ!「ジュピター」買って持っていかな!)中国では中国版YOU TUBEみたいなのがあるが、日本の歌の多くはオリジナル版ではない。YOU TUBEやニコニコ動画が見られるソフト[free gate]をコピーしてもらったが、必ずしも日本の動画はスムーズに聞いたり見たりできるわけではない。というか、できないことが多く、上手くいってもしょっちゅう途中で切れたりする。

 日本でも無料コピーするのが当たり前になっているのだろう。しかし、私はCDショップ保護の観点から?自転車で十三まで行き、阪急で梅田へ、そしてマルビル地下のタワーレコードへとすっ飛んで行った。
 何と入口に足を踏み入れた途端、すぐ左側に平原綾香の『my classics』シリーズが10%引きで並んでいた。一瞬シリーズ全部が欲しくなったが、グッと我慢して[jupiter]の入っている1枚だけ選び、ついでに「ホタルの墓」のDVDも買った。日本語学科の学生たちは日本のアニメの多くを見ているが、「ホタルの墓」を見た子は意外と少なかったので。

 スライスチーズ、マーガリンを冷凍したもの、塩鮭(焼いてほぐして)なども忘れずに持って行かなくちゃ。夜9時までに支度を終える。明日は5時起きだ~~。ハア~。
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「中国人の日本語作文」  2012年2月1日(水) No.271

2012-02-01 21:35:03 | 中国事情
 写真が大き過ぎるがうまく縮小できない。
今回日本に戻って何人かの方に買っていただいたのが、下の写真の本である。
この本には我が江西財経大学(現在4年生)の黄斯麗さんの作文も掲載されている。彼女は江西省の農民の子だ。文中には自分の家の苦しい生活の一端が書かれているが、それは今まで親友にも言えなかったことだと、後で私に語った。

 昨年3月に当時の3年生の作文クラスで「頑張れ、日本!~千年不遇の震災と闘う日本人へ~」というテーマの作文を書かせた。それは日本僑報社主催の作文コンクールに応募するためだったが、まさか誰かが入賞するとは思わなかった。しかし、私自身、学生たちの作文を読みながら何回涙を拭ったことだろう。彼女ら彼らの作文の幾つかは以前のブログで紹介したので、読んでくださった方もいらっしゃることと思う。
 日本のメディアからは、中国人は全員日本人を嫌っているとか、中国の若者は反日デモばかりしているような印象しか伝わって来ないが、この本では普通の中国の若者たちの生の声を感じることができる。
 ネットで販売されているので、多くのみなさんにこの本を(以前の作文コンクールの本も)買って読んでいただきたい。日本と中国の関係を好転させるために日本語を学ぶ多くの若者たちが真剣に考えていることを知っていただけたら…、と切に願う。
 「日本僑報社中国研究書店」で検索すると出てくる。

 


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