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Brugge Style
the courtauld gallery
昨日のロンドンのホテル記事に、ロンドンへ行きたくなった!というメールを何通も頂いたので、気を良くして今日も書く。
Kさんの「ここは、というところがあったら教えて下さい」というご質問に応えておすすめした、サマセットハウス内のThe Courtauld Gallery(日本語表記ではコートルードギャラリーになっているので、以下それに習う)。
ナショナルギャラリーや大英博物館、テイトギャラリーにビクトリア・アルバート博物館は必見にしても、一回の滞在で全館くまなく見学できるわけではないし、もしあなたが自他ともに認めるアマノジャクかヘンクツ者ならば、コートルードギャラリーをじっくりくまなく見学することをすすめたい。
まあアマノジャクはわたしのこういうアドバイスこそ無視するのだろうが(笑)。
たいがいの観光客は「コートルードギャラリー」を見学リストに入れていても結局時間が足りずにスルーすることが多いのではないか。
そんな風に思ってしまうほどいつもすいているのだ。でも、スルーするには惜しい印象派の代表作を多く収蔵している。日本の百貨店の美術展に来ているおばちゃん口調(<わたしのことだが)を借りたら「教科書に載ってる絵がいっぱい」というところだろうか。
写真はこの夏のもので、ご覧のようにお昼時には大学の学生や、この辺の会社員の憩いの場所になっているようだ。モダンな噴水もさわやか。
観光客で賑わうロンドンのメッカからは、言うほどでもないが少しだけ離れていて、わざわざ行く感があるかもしれないが、午後いっぱい使って訪れる価値ありだと思う。コベントガーデンにある交通博物館(ここは娘の天国。男児は絶対に好き!)とセットにするとか。あるいは少々歩いてテンプル騎士団ゆかりの教会まで散歩するとか。
あ、サマセット内で隣接しているローマ風呂もぜひ(要予約。リンク先をバースのローマ風呂と間違えておりました。お詫びいたします)。わたしは水のある/あった建物が大好きなのだ。
わたしは人ごみが大変苦手だというのもあるが、ホテルにしても美術館にしても小規模を好むところがある。
前に記事にもしたパリのジャックマール・アンドレ美術館、オランダはハーグのマウリッツハイス(ここは小さいが混んでますね...)などなど。
そしてさらに、新規開拓をするよりも同じところに何回も行って、同じものを見て同じものを食べて同じものを買う、という性癖もあるので、今後は自分のものの見方にはバイヤスがかかっていることを自覚しつつ、「小さいところ」にこだわらずもっと見聞を広げて、死ぬまでには少しだけでもバカを治療したいと思う(笑)。
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the pelham
「ロンドンのおすすめの宿を教えて下さい」というメールを頂いた。
そうだ。わたしも英国の住民になったので、今後はロンドンに投宿する機会は減るかなくなるだろう。
わたしがブルージュではKホテルにしか泊まったことがないように(その割には堂々とおすすめホテルを載せている)、住民というのはその土地のレストラン等には詳しいかもしれないが、ホテルに実際宿泊した経験談というのはまず持っていないのかもしれない。
じゃ、完全に住民化してしまう前に...
Kさんからのメールには条件として、
「観光に便利
客室が少なめで上品(ホテル慣れしている人が泊まる感じがイメージです)
おしゃれな英国調
せっかく行くのでケチりたくはないですけれど、予算はあって一泊200ポンドくらい
Moetさんが実際に宿泊したことがあるホテルならなお歓迎」
「客室が少なめで上品(ホテル慣れしている人が泊まる感じがイメージです)」
この表現に、Kさんの姿をほれぼれ思い浮かべてしまった...
それではThe Pelhamをご紹介しよう。
場所が地下鉄サウス・ケンジントン駅前で、カジュアルな食べ物屋さんも多い。
ヴィクトリア・アルバート博物館、自然史博物館はすぐそこ。
サウスケンジントンのショッピングエリアも近い。
ナイツブリッジの百貨店(ハロッズとハーヴィ・ニコルス)は余裕の徒歩圏内、
その周辺のおしゃれなエリア/レストラン群も徒歩圏内。
わたしは今まで3回宿泊したことがあり、インテリアもまさに「おしゃれな英国調」で、ベッドの質は特筆特筆特筆!すべきであり、サービスもすばらしく、気が利いている。話しが早い、と言えばいいか。
娘はこのホテルの大ファンで(バークレイよりも「パーソナルで」好きなんだそうだ)、エントランスの記帳には彼女の書き込みが...
ただ、一番狭い部屋はロンドン流にめちゃくちゃ狭いと聞いている。夫が急な出張時に「今から行っていいか」というタイミングで宿泊した経験あり。
結構胸を張って紹介できるホテルなのだ。
来月、ロイヤルバレエ観劇後まっすぐ帰宅せずに泊まろうかなあ。
Kさん、いかがでしょうか(ってもうメールしましたね・笑)。
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先住民
りす君。
どんぐりマスター。
庭の片側にはどんぐりの木がびっしり生えていて、庭はどんぐりだらけだ。どんぐりの上を歩くと殻がはじける音がし、ちょっと愉快である。
もちろんここがりすのレストランなのである。
りす君はいかにも臆病でわれわれが近づくことはできないが、しっぽが流線型を描いて別の生き物のように空を踊るのは、ガラス越しに遠くからながめていても楽しい。
で...りすって本当に地面にどんぐりを埋めるんですね!
初めてその現場を目撃したわれわれは目をドングリのように丸くするのであった。
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街の(個人的な)印象
週末ロンドンへ。
世界の大都市。
「ロンドンに飽きた者は人生に飽きた者だ。ロンドンには人生が与えうるもの全てがあるから。」
わたしみたいにロンドンに行ったら疲れる者は人生に疲れている者なのだろうか。たぶんそうなのだろう。
...
今後しばらく住まうことになった英国のこの家周辺に来てみて、衝撃的に思ったことがいくつかある。
その最たるものはなんと言っても「外国ナンバーの車が全く走っていない」ということだった。
パン屋の少なさや、インド料理屋の多さに衝撃を受けるよりも、外国ナンバーの走っていなさ、ですよ(笑)。
未だにベルギーナンバーのわたしの車は目立つ。ジャンクションで意地悪をされないかヒヤヒヤする(こんな心配をするのはわたしがベルギーで外国ナンバーに意地悪をしていたからだろうか・笑)。
ブルージュは例えば世界都市ロンドンとは比べ物にもならないほどの小さい街であるが、外国ナンバーの車とベルギーナンバーの車が半々くらいの割合で走っている。それが古くさい街並とちょうど「調和のとれた感じ」をかもしだしているのだ。
ブラッセル中心部も、そういえばそんな雰囲気だ。
外国ナンバーが多いのには、観光地かどうかといこともあるが、地理的な事情、つまり「島国」か「大陸で他国と国境を多く接しているか」という違いもある。そう考えてみると米国は「島国」っぽいのかもしれない。
また、ブルージュは小さい田舎街ながら、パリコレのランウェイに出ていた服を着てそこらを歩いていても違和感のない街だ。わたしが生まれ育った神戸市の東端も、考えてみたらそうだ。
でもここは違う。ここはどこを歩いている人にも自分の家の居間からだだ漏れしてきたような雰囲気しかない。
これはブルージュが観光都市であるだけに日常生活をする場と非日常の場が混ざり合っているからではないかと思う。劇場的な場が多いか少ないか(全くないか)。そしてわが神戸市東灘区の山の手も、住民がテイストを競い合い見せ合う、実にそういう街なのである。
ブルージュはとにかく「見られる」ことに特化した街だ。
中世から近世にかけての建築物が調和をとって並んでいるのも(驚くのは街の中心部のみならず、最も寂れたような裏道に並ぶ家でさえもファサードの手入れがされているということだ)、個人商店の店先も、石畳が広がるのも、鐘の音も、チョコレートの香りも、どぎつい看板が排除されているのも、あるいは天候までが(笑)、観光客にとって美しいか美しくないか、という基準だけで設定されているかのように思えるのである。
ブルージュの誇り高くも媚びたような雰囲気の源はその辺にあるのかもしれない。
「いちげんさん」の割合が多いか少ないか(あるいは皆無か)、「見る/身られる」ことを意識しているかいないかによって街の雰囲気が変化するならば、これは将来住む街選びをする時に参考になるかも...
こんなことを考えながら新生活を始めた。
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植物
英国移動の際、われわれの持ち物の中で持ち込み制限をかけられたものがふたつあり、そのひとつが「植物」だった。
それで庭の鉢植えも(わたしは大きな木を大きな鉢植えにするのが好きなのだ)、室内の観葉植物も、コンソールの上の小さな花の鉢植えも、すべて親戚知人にもらわれて行った。
娘のゴッドファーザーは、娘の木(桜の木からこぼれたサクランボから成長したもの)、2メートルもあるいちじくの木ほか、多くの世話をひきうけてくれた。
ブルージュの家の庭で育った植物たちはゲントの彼の庭で新しい生を始めている。
最後までもらい手のなかったバナナの木は、最終的に廃棄場へ持って行ったのだが、そこの入り口の係員が「ぜひ譲って欲しい」と言ってくれ、今は見知らぬ人の家にある。
で、あの独特の匂いを放っているのだろう。
そうだ、どんな家にも植物が必要なのだ。
この安普請に飾るために胡蝶蘭を買って来た。
生き物が部屋の中にあるだけで、口紅をつけたかのようにこの家がぱっと明るくなった。
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