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Brugge Style
fraisier blanc
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週末から引き続き初夏らしい天気がすばらしい。
英国のいちごがスペイン産を駆逐するようになってきた。
これからウインブルドンの季節までが旬だ。
庭でのお茶用に、隣のケント州産のいちごでフレジェを作った。
最後の赤いナパージュがめんどうで
(常にクレーム・ムースリーヌが足りなくなるの...
次回用にプラス3割り増しでとレシピに忘れず書き入れよう
と、言っている先から忘れるこのごろ)
粉砂糖でごまかしたフレジェ、
勝手に白いフレジェFraisier Blancと呼んでいる。
うちのいちごも白い可憐な花を咲かせており、薔薇、芍薬、
ライラック、あじさいがぐんぐん成長中、
娘のピアノと競うように
鳥が歌いまくる5月の英国の庭。
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世界一美しいテニスコートの壁
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3月、4月はデンマークから始まって、スイス、フレンチアルプス、
フランス、ポルトガル、ベルギー、チェコ、スペインと旅人気分だった。
5月のはじめは旅の人を迎える番で、
娘のピアノ・コンチェルトを応援するためベルギーから親戚一同が遊びに来ている。
今週、初夏らしい気候のスペインから戻って来た日、英国南部は最高気温7度で
サマードレスを着ていたわたしは震え上がったが
やっと昨日あたりから18度くらいまでになり(うちの温室内は40度!)
今朝はみなさんセーター着用で庭で朝食をとったそうだ。
わたしは8時半まで寝坊していたのでキッチンの隅でコーヒーを飲んだだけ...
今日は近所のナショナルトラストの庭を見に行く予定らしい。
......
庭といえば
写真はどうしても載せたかったポルトガルのセラルヴェス財団(Serralves)の庭園の壁。
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わたしはこのテニスコート(現在はそれとしては機能していない)に魅入られた。
突然現実から遮断されぞっとした。
ウィリアム・モリスの野生の壁紙のよう...
もし映画を撮ることがあったら(ないけど)絶対にここで撮ろう
それが完成したらマノエル・デ・オリヴェイラ監督の作品みたいになる予定。
(絶対に「アブラハム渓谷」を見て頂戴! 「クレーヴの奥方」でも)
永遠に完成しない映画。
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「椿姫」、クルチザンヌを描くのは
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公演内容は「椿姫」(Marguerite and Armand)を含む3本立て。
Obsidian Tear
Marguerite and Armand
Elite Syncopations
先月、ロイヤル・バレエの「マノン」の感想を書いたところ、友達との会話で「高級」娼婦の話が芸術の素材としてしばしば取り上げられるのはなぜなのかと話題になった。
ご存知のように「椿姫」も「マノン」と同様、18世紀のクルチザンヌ(高級娼婦)の話なのだ。他には「シェリ」なども...
「椿姫」のストーリーは、デミ・モンド(裏社交界)の花形「椿姫」として君臨しているマルグリットは、ある日アルマンという青年に出会い真実の愛に目覚める。
ところがアルマンの父親に息子と別れるよう諭され、マルグリットは愛ゆえに身を引く。
事情を知らないアルマンは怒りのあまり、サロンで取り巻きに囲まれているマルグリットに紙幣をたたきつける(この行為をもって彼女との恋愛関係を単なる娼婦と客の間柄に清算したわけです)。
マルグリットは悲しみのあまり胸の病気を悪化させ、人生の最後に真実の愛を振り返る。
18世紀、19世紀に娼婦の話が多くの小説の素材になったのは、他に生活手段がなく生き延びることができない女が実際多かったからだろう。頂点には極少数の高級娼婦と呼ばれ賞賛された美しく機知に富んだ女たちがおり、大部分は底辺でレ・ミゼラブルのファンティーヌのような一生を送ったに違いない。
彼女らをアートが取り上げるのは、彼女らを取り巻く環境から人間や社会の諸相を描くことができ、同時に「肉体的、金銭的な情欲は、真実の愛に敗北する」という普遍的なモラルのテーマを描くためだと思われる。
改心した娼婦(マリア・マグダレーナしかり)とか、「物質的世界に生きる美しい女が、精神的な真の愛に目覚めて改心する(がもう遅い)」というストーリーは宗教的でもあり、男性中心社会的思考でもあり、人々の心をつかむのか。
マルグリット役のマリアネラ・ヌネツ(Marianela Nunez)は最高、青年アルモンドを演じたヴァディム・モンタギロフ(Vadim Muntagirov)もすばらしかったです。
ロバート・クラーク(Robert Clark)の奏でるリストのソナタの美しさも心に染み渡った。
いや、この美しすぎる標題音楽がなければバレエ「椿姫」はありえない。わたしにとってはいつからか切っても切り離せない組み合わせになり、マリアネラの美しさもこの曲で倍増するのである。
(写真は椿姫マルグリットに扮するマリアネラ。彼女のTwitterより)
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「リーズの結婚」@チェコ・ナショナル・バレエ
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アシュトン版は英国ロイヤル・バレエと寸分違わず全く同じ内容。
つまりロイヤル・バレエの公演に慣れているため、そこまで期待はしていなかったのだが...
ほんとうに知ったかぶりで嫌ですね、シロウトは!
すばらしい舞台だった! ブラボオ! 星5つ!
この国民劇場、ちょっとミニチュアで、こぢんまりしていてまるで宝石箱のよう。
(一階席は12列。比較でロンドンのロイヤルオペラハウスは20列。バルコニーは5列づつで4階まで。かわいらしい。)
わたしが座ったロイヤルボックス席からはオーケストラのミュージシャンも舞台の上のダンサーとも距離が近く、また、ボックスをシェアした親子の息子さんが超ジェントルマンで彼の足の悪い母親を気遣いつつわたしにも気を配ってくれ、とても心地の良い空間だった。
オープニングナイトだったせいかもしれないが、観客が正装しているのが好ましかったのも記しておこう。
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冗談抜きで。このくらいのサイズの都市ってほんとうに住みやすそう。
次回旅したらチェコ・フィルでドヴォルザークかヤナチェクをぜひ聞いてみたい。
国民劇場前、午後6時半。
モルダウ沿という立地も素敵、タクシーで行くには近すぎると感じたため(ウーバーは呼べそうだったが)わたしは往復ホテルからひとりで歩いた。
まあわたしはリーズのママみたいなおばちゃんなので...女性は夜の一人歩きはくれぐれも気をつけて。
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lapidarium(石の館)
スペインの前に行っていたチェコの話に戻っています。
こちらプラハ郊外のラピダリウム、石の館。
ここを訪れるのが旅の目的の一つだったと言っても過言ではない。
プラハのような歴史的に重要だった都市には、それぞれの時代の建物とそれを装飾する彫像が多い。やたらと多い。人物像だけでなく、レリーフ、コロネード(柱)、ペディメント(破風)、エディクラ(厨子)などなど。
建物を取り壊す場合、あるいは改築・改装の際や、彫刻自体が痛んだ時はどうするかというと、再設置される以外、多くの場合は別の場所に持ち去られたり、破棄されたり、加工し直されたりする。ミケランジャロやベルニーニの作品なら厳重に扱われ、消滅、拡散の心配もいらないだろうが。
しかし、この石の館こそはお役目を終えた彫刻を集めて保存する場所! いうなれば彫刻の永遠の墓場。心が踊る。墓場でダンス。
ところが。
プラハを訪れたのは4月第3週目。
開館期間は5月1日から秋までだけなんですって...
この記事を書いている昨日からの開館...
ぴったりとドアの閉まったガラスのドアをのぞくと、建物のエントランス・ホール部分には掃除機と脚立が立てかけてあった。
また訪れる理由ができた! と喜ぶ、転んでもタダでは起きないモエなのであった。
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