チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

明日、本部塩川港のベルトコンベア設置許可問題について沖縄県北部土木事務所交渉(質問書全文掲載) /// 撤回されない場合は住民監査請求で追及

2021年08月24日 | 辺野古/ 本部塩川港・安和桟橋

 明日(8月25日・水)は、午前中、名護市渡具知市政が美謝川切替工事に関する公文書を不開示・不存在としたことに対する情報公開審査会での口頭陳述。

 午後は本部町島ぐるみ会議が、沖縄県北部土木事務所と本部塩川港ベルトコンベア設置許可の撤回を求める交渉が予定されている。この交渉で所長が撤回の姿勢を見せない場合、27日(金)に沖縄県監査委員会に住民監査請求を行う。すでに400人を超える請求人の署名が集まっている。

 以下、北部土木事務所長に提出している質問・要請書を添付する。

 (2018年6月までは、ベルトコンベア設置は本部町長が荷捌地使用許可を出してきた。今回、県の港湾施設用地使用許可に切り替えたため、年間842万円も使用料が減額された)

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北部土木事務所長様                                                        2021年8月25日                                      

   本部塩川港でのベルトコンベア設置許可問題に関する質問と要請                                              

                         本部町島ぐるみ会議 

 本部塩川港でのベルトコンベア設置許可問題について下記のとおり質問します。また、来月分の港湾施設用地使用を許可しないよう申し入れます。 

                記

1.特定の業者による長期間の広大な港湾用地占用について

1-1. 県は、「今回の許可により、県管理の港湾の広大な敷地が、長期間にわたって特定の業者の独占的な使用が認められてしまった」という質問に対して、「申請者以外の利用者は他のバースや荷捌地を利用できる」と反論してきた(2021.6.24 県議会代表質問に対する土建部長回答。6.29、7.29 北部土木事務所長回答)

 しかし、本部塩川港では、現在、3ヵ所のバースが辺野古への土砂積込み専用となっており、北側の荷捌き地も辺野古への搬送のために使われている。残されたF-4-12の荷捌地は、中央部に高さ1mの段差や構造物があり、しかも北側のバースに行くための通行路となっていることから、荷捌地としての利用はほとんどできない。3、4のバースについても、後ろに荷捌地がないことから、利用は制約される。

「他の業者も、他のバース・荷捌地を利用できる」という説明を撤回するよう求める。これこそ、港湾法が禁止する「不平等な取扱い」ではないのか?

 

1-2. 7月29日以後、現在までのベルトコンベア稼働日数を明らかにされたい。月のうち3分の1程度しか稼働しないベルトコンベアを長期間設置させることは問題ではないか?

 

1-3. 現在、北側の港湾道路部分にはみ出してプラフェンスが設置されているが、これは許可範囲外であり、36㎡(1m×36m)が不法占拠である。このような違法行為は認められないことから、本件許可を取消すべきではないか? 

 

2.濁水対策について

2-1. 外周部の大型土嚢の開口部は申請書では8m幅の2ケ所とされているが、実際には作業時、広い開口部が開いていることが多い。この点について北部土木事務所は、「開口部は申請書どおりにするよう指導している」と答えたが(本年7月29日)、その後も開口部が広くとられる事例が相次いでいる。

 県の指導に従わない状態が続いているが、どのように対処するつもりか?そもそも大型土嚢は、濁水対策と関係がないことは明らかであるから、撤去させるべきではないか?

 

3.年に842万円もの県の損害額が生じた港湾施設用地使用料の疑問
3-1. 従来の荷捌地使用許可を今回、港湾施設用地使用許可に変更したため、使用料が年額842万円も減額され、その分が県の損害となっている。辺野古への土砂海上搬送は今後、数年続くことから、県の損害総額は莫大な額となる。県民として到底、納得できない。

 この問題について北部土木事務所長は、「私もこの差額は大きいと思う」(6月15日)、「私もこういう差が出ることは初めて分かりました。現在、港湾課と確認・検討しているところです」(6月29日)と説明した。また、「使用料のあり方については、今、いろいろと精査しているところです」とも答えている。使用料問題についてのその後の検討結果を説明されたい。

 

3-2. 北部土木事務所はこの問題について、「移動できない固定物の設置なので港湾施設用地使用許可とした」と説明している。しかし、2018年7月以前は、コンテナハウス、タイヤ洗浄装置等の固定物について本部町が荷捌地使用許可を出してきた。また、2018年2月~6月当時も、今回と同じ場所にベルトコンベアが設置されていたが(添付写真参照)、県の港湾施設用地使用許可ではなく、本部町の荷捌地使用許可の中で設置されたものであった。

 2018年3月、沖縄県監査委員は我々の住民監査請求に対して、「本件港湾の施設の使用許可に関する事務は、本部町の事務となっていることから、荷捌地としての申請に対して、どのような設備の設置を認めるかは、一義的に、設備の形態、設置の理由、必要性等を個別具体的に検討して、本部町長が荷捌地としての許可が適当かを判断するものだと解される」(監第914号)として、荷捌地の使用は本部町長が判断するとした。

 これらについて、県が2018年7月以降、港湾施設用地使用許可を出すようになったが、従前の措置、沖縄県監査委員の判断との相違をどう説明するのか? 

 

3-3. 今回の許可範囲の大部分はダンプの転回・待機用地であり、従来、本部町が荷捌地使用許可を出していた際と使用実態は変わらない。あくまでも荷捌地を使用しているのであるから、港湾管理条例第8条別表第2の「荷捌地使用料」の規程に基づいて使用料を算定すべきではないか? 

 荷捌地の一部に固定物を設置するからといって、広い荷捌地全体の使用料を、荷捌地ではなく極端に安価な港湾施設用地として算定することは認められない。 

 

4.港湾施設の破損・環境への影響等、「許可に係る審査基準」との関係について

4-1. 1日に1000台もの土砂を満載したダンプトラックの走行により、港入口の臨港道路部分の舗装が破損し、大きな窪みが何箇所もできた。7月末に舗装復旧工事が行われたが、我々が指摘してきたようにきわめて杜撰な工事であったため、現地にはすでに破損個所が発生している。舗装復旧工事に問題はなかったのか?

 このような臨港道路の破損を防ぐためにも、本部塩川港に入るダンプトラックの台数を制限すべきではないか?

 

4-2. ベルトコンベアの稼働時、写真のように凄まじい粉じんが舞い上がっている。

 このベルトコンベア設置にあたっては、大気汚染防止法第18条1項に基づき、一般粉じん発生施設設置届出書が県に提出されている。同法施行規則で構造等の基準が定められており、そこでは「散水設備によって散水が行われていること」等とされている。

 今回、県への届出書では、「散水車による散水」とされている。しかし、散水車は路面に散水するものであり、ベルトコンベアへの散水設備とはいえない。また、5月にベルトコンベアが設置されて以降、散水車がベルトコンベア上の土砂に散水したことはない。届出書の内容が実施されておらず、明かに大気汚染防止法に違反する。

 この点について、北部土木事務所長は、「このような実態については我々も確認しなければならない。問題があれば保健所とも連携して指導していきたい」と答えた(7月29日)。しかし、翌7月30日には散水設備の実態について何の確認もしないまま8月分の許可を出したのは何故か? 
 大気汚染防止法に違反するベルトコンベア設置を許可することはできないことは当然である。また、この事実は、「港湾施設使用許可に係る審査基準」の「環境を悪化させるおそれがないこと」に抵触する。少なくとも、「実態を確認し、必要な対策を指導する」までは、新たな許可は保留するべきではないか?

 

4-3. 現地ではベルトコンベアや重機を移動させる際、キャタピラの下に鉄板を敷く等の養生を行っていないため、舗装が著しく破損している。添付の7.27の写真はベルトコンベア移動時、7.30は大型バックホー移動時の舗装面の破損である。

 我々は以前からこの問題を指摘し、県も業者に注意してきたはずだが、是正されていない。このような舗装の破損が相次いでいることは、「港湾施設使用許可に係る審査基準」の「港湾施設等が損傷又は汚損されるおそれがないこと」に抵触するのではないか?

5.その他

5-1. コロナ禍がきわめて深刻な事態となっているにもかかわらず本部塩川港の警備員は、感染予防には全く意味がないマウスシールドだけでマスクをしていない。しかも休憩時には、マウスシールドも外して談笑していることが多い。

 この問題について、北部土木事務所は防衛局に対策をとるように伝えたというが、その後も全く改善されていない。7月29日には、「きちんと責任をもって指導する」と約束したが、防衛局・警備業者への指導の経過を説明されたい。

 

5-2. まもなく、防衛局が提出した辺野古新基地建設事業の設計変更申請書に対する知事の最終判断が出される。不承認の場合、防衛局は当初申請で承認された部分を含めて工事の実施は不可能となる。不承認の時点で、本部塩川港の港湾施設用地使用許可についてもただちに取消すべきないか?

 この点について北部土木事務所長は、「仮定の話には答えられない」と回答を拒否しているが、知事は本年7月28日、サンゴ類の特別採捕許可に際して、「今後、現在審査中である変更承認申請に係る軟弱地盤の改良工事の実施が不可能となるなど、埋立工事全体の完成ができなくなった場合には、サンゴ移植の必要性も認められなくなりますので、本日許可したサンゴ類の特別採捕許可申請の許可処分を取消すこともあり得ます」とコメントしている。

 本部塩川港のベルトコンベア設置許可についても、「仮定の話」として逃げるのではなく、同様の見解を示すべきでないか?

                                                          

                             (以上)                   

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