10月6日(月)は午前中、ヘリパッドいらない住民の会の沖縄森林管理署への要請行動に同行した。午後は大慌てで辺野古に行き、今後予想される大型スパッド台船の搬入の際の抗議行動について話し合った。(船は相次ぐ台風のため、陸揚げしたまま。しばらくは海上行動はない。防衛局も大型スパッド台船を持ち込めない状態が続いている。)
以下、沖縄森林管理署への要請行動について報告する。
(沖縄森林管理署への要請行動。右端が岡本署長)
高江では、今年度予定されているN1地区ヘリパッド工事強行を監視するため、住民の会は、その進入口となる県道70号線の路肩部のN1ゲートに車を止め、テントを建てて24時間の座り込みを続けている。県道70号線は日米地位協定2条4項(a)に基づく日米共同使用地だが、今回、防衛局は、住民が座り込みを続けている路肩部を米軍の専用区域に戻し立入禁止地区とすることを検討しているという。そして、住民らに退去命令を出し、それでも従わない場合は仮処分や損害賠償請求を行うというのだ。再び、スラップ訴訟を起こそうというのだから許せない。
また、住民の会は、N1地区への南側からの進入路の入口付近(通称「N1裏」)でも座り込みを続けている。この付近は、昔は米軍への提供区域だったが、1993年に日本政府に返還され、今は国有林として沖縄森林管理署が管理している。ところが、新聞報道によれば、政府はこの「N1裏」での座り込みに対しても、N1ゲートの座り込みと同じように強行手段を取る準備を進めているという。
今まで住民の会は、防衛局や県道を管理する県への抗議や要請行動を続けてきたが、沖縄森林管理署に対しても、強行手段は絶対に行わないよう要請するために今日の行動となった。平和運動センターや沖縄平和市民連絡会のメンバーらも要請行動に参加した。
岡本森林管理署長は、「この問題について防衛局との協議はしていません。皆さんの座り込みは、森林管理上、支障をきたすものではありません。ただ、一般論としては、国有林内での座り込みですからやはり撤去を要請させていただきたい。それでも、強制手段に入ることは現時点では考えていません。」と回答した。参加者からは、「この周辺は北部訓練場の中でも最も豊かな自然が残されているところで、森林管理署としても森林を保護するために努力してほしい。」などと強く要請してこの日の行動を終えた。
新聞報道で心配したのだが、今すぐ森林管理署が住民を排除するための強行手段に入ることはなさそうだ。それでも、防衛局からトップダウンで強く要請された場合、森林管理署が何らかの強行手段に入る恐れはやはり残っている。我々としても、N1ゲートだけではなく、「N1裏」での座り込み監視行動についても体制を強化していきたい。
(N1裏での座り込みテント)
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以下、要請書を添付する。
沖縄森林管理署長 岡本 一孝 殿 2014年10月6日
要 請 書
「ヘリパッドいらない」住民の会他3団体
日頃から沖縄県の国有林の保全にご尽力いただいていることに敬意を表します。
一昨年10月、沖縄県民あげての強い反対にもかかわらず、オスプレイが強行配備されました。その後、北部訓練場でもオスプレイが連日のように飛来し、県道や集落上空で轟音をあげ、危険なヘリモードによる飛行や、複数の兵士を吊り下げての訓練などが繰り返されています。
北部訓練場では、これらのオスプレイの運用のため6ヶ所のヘリパッド工事が計画され、すでに2ケ所が完成したと言われています。さらに沖縄防衛局は、本年度も県道の東側にあたるN1地区で2ケ所のヘリパッド建設工事を発注しました。防衛局は、このN1地区のヘリパッド工事のため、県道70号線の「N1ゲート」から南に続く旧林道を工事用進入路として整備することを計画しています。さらに、この旧林道の南端(「N1裏」)から北へ650mの区域は、1993年に米軍から返還された国有林で沖縄森林管理署が所管されていますが、防衛局は、この部分から作業員らを徒歩で入山させる計画です。
そのため、私たちは「N1ゲート」だけでなく「N1裏」でも24時間の泊まり込み体制で、連日座り込みをしながら工事が着手されることを警戒しています。ところが最近になって、防衛局がヘリパッドの工事のために、従来、日米地位協定2条4項(a)に基づき日米の「共同使用」となっていた県道70号線について、私たちが座り込みを行っている「N1ゲート」周辺の路側部分を米軍の専用区域として県民の立ち入りを制限し、従わなかった場合は仮処分を申し立て 損害賠償請求をすると報道されています。
さらに、「N1裏」での座り込みに対しても、「国有林での住民活動の排除も検討。国有地部分で車両などによる監視を続ける住民らに退去を要請し、応じない場合は国有地を不法に占拠して工事を妨害していると主張し、---退去を命じる仮処分を申し立て、損害賠償も請求する方針だ。」(2014.9.17琉球新報)と報道されています。「N1裏」は、米軍への提供施設ではなく国有林ですから、防衛局がこのような強制手段をとることはありえません。もしこの報道が事実なら、「N1裏」の座り込みを排除する主体は、国有林の管理者である沖縄森林管理署ということになります。
事業主からのまともな説明もなく工事が強行に進められる中での座り込みは、安全な生活と命を育む森を守るため 私たちに残された唯一の表現手段であり、道路の通行や周囲の環境に何ら支障も来たさない平和的行動です。沖縄森林管理署が住民を排除するための強行手段をされないよう申入れます。また、この点について、下記の質問にお答えください。
記
1.「N1裏」での私たちの座り込みに対して、沖縄防衛局となんらかの協議を進めているか?
2.「N1ゲート」での座り込みに対して、県道の管理者である沖縄県は、「道路の安全管理上、特に問題はない」と明言している。「N1裏」での私たちの座り込みも、沖縄森林管理署の森林管理に支障をきたさないよう配慮して行っている。私たちの座り込みは、森林管理上、何らかの支障をきたしているか?
3.沖縄森林管理署として、「N1裏」での私たちの座り込みを強制排除することや、なんらかの法的措置を検討している事実はあるか?