1月18日(日)、連日の厳しい海上行動でさすがのカヌー隊の若者たちにも疲労の色が強い。細心の注意が必要な海上行動は万全の体調で望まなければならないということで、今日(日曜日)は海上行動はお休みとなった。私も、疲労の極致にあったが、おかげでいい休息日となった。現地ではフロートの引き出しが続いているようだが仕方がない。
久しぶりにゆっくりと新聞を読み、資料を整理して過ごした。この15日から再開された防衛局の作業を連日、海から観察し、資料を検討したことをまとめてみたい。
1.「仮設桟橋」の造成は、実質的な埋立開始
何よりも事態は急を要している。17日(土)には、辺野古崎から対岸の長島までフロートが敷設されてしまった。汀間漁港から辺野古漁港に行くためにはここを通行していたのだが、今後は船の行き来はできなくなる。抗議のカヌーや船団の往来を阻止した上で、これからは、フロートをさらに広げ、海底ボーリング調査や「仮設桟橋」(大型突堤)の造成を進めていくことが予想される。特に、大浦湾への「仮設桟橋」(大型突堤)造成工事は、大型ダンプトラック5000台以上もの大量の石材を海に投入するというもので、実質的な埋め立ての開始だ。なんとしても、着工を許してはならない。
15日(木)夜の報道ステーションやニュース23は辺野古の工事再開を大きく報道したが、そこに下の写真のような基地内部の映像があった。上は海上に並べるフロートだが、下は、「仮設桟橋」(大型突堤)造成のための金網に入った大量の石材だ。何時の間にか、もうこれだけ多くの資材が現場に搬入されていたのだ。
(1月15日の「ニュース23」が報じたシュワブ基地の上空からの写真。「仮設桟橋」(大型突堤)造成のための金網に入った大量の石材が積まれている。これがまもなく大浦湾に投入されようとしている。)
この「仮設桟橋」(大型突堤)の造成箇所は下の図のように辺野古崎のすぐ北の大浦湾側だ。今回、辺野古崎と長島の間が封鎖されたのは、この「仮設桟橋」(大型突堤)工事に備えたものであろう。
(現地平面図(防衛局提出の「埋立承認申請願書」より)
防衛局が県に提出した岩礁破砕許可申請では、「仮設桟橋」「仮設岸壁」の大きさ、設置工法について次のように記されている。(県は、防衛局の指示によりほとんどの図面を墨ぬりして非公開としたが、本文部分の該当箇所は墨ぬりされていなかった。また、防衛局はここでいう「仮設岸壁」を「仮設桟橋」と呼び始めている。)
冒頭の「ニュース23」の写真は、ここでいう「港湾築堤マット」で、金網の中に石材を入れたものだ。映像から推測すると2m×2m×1mほどの大きさだろう。「仮設桟橋」(上でいう「仮設岸壁」)の造成は、まず、「クローラクレーンによる割栗石の投入均し」から始まる。「港湾築堤マット」を積み上げるには、まず割栗石を投入して平坦に均す必要がある。これらの割栗石を撤去することは不可能だ。また、いったん投入された「港湾築堤マット」を撤去することも金網が破損することもあり極めて困難だろう。「仮設桟橋」(大型突堤)の着工は、実質的な埋立開始であり絶対に許してはならない。
2.翁長知事はただちに「仮設桟橋」造成を中止させよ!
基地の県内移設に反対する県民会議は、1月14日、県に対して、この「仮設桟橋」(大型突堤)造成は公有水面埋立法に基づく「設計概要の変更申請」が必要であると防衛局を指導せよと申し入れてきた。
・ブログ(1月14日):「県民会議が県に申し入れ---フロート、仮設桟橋設置強行を許すな!」
17日の新聞によると、「県は県民会議の要請に応じ、フロートのアンカーや仮設岸壁の設置作業に県知事の許可が必要かどうか検討するため、防衛局に文書照会した」という。(沖縄タイムス 2015.1.17)
一応、県民会議の要請に応じたことは評価できるが、問題は、「照会作業中の作業中止は要請しない」と報道されていることだ。文書照会の回答期限は今月30日だが、今の状況ではそれまでに大浦湾に大量の石材の投入が始まってしまう。翁長知事は悠長に構えているのではなく、事態の深刻さを認識しなければならない。防衛局の作業着手を絶対に許してはならない。事態は急を要している。