今日(6月17日・木)、具志堅隆松さんが県庁記者クラブで会見し、遺骨混りの土砂を埋立てに使わせないために、6月23日の慰霊の日に向けて、再度のハンストに入ることを宣言した。
6月19日(土)、20日(日)は県庁前広場。21日から23日は平和祈念公園の式典会場横にテントを張り、ハンストが行われる。具志堅さんだけではなく、宗教者の方々を含め、5人ほどがハンストに入る。
慰霊の日の式典はコロナ禍のために大幅に縮小されたが、やはり平和の礎等には多くの遺族の方たちが来られるだろう。具志堅さんは、そうした遺族の方たちに、今回の遺骨混りの土砂問題を訴えようとされているのだ。そして、デニー知事が式典終了後、具志堅さんらのハンスト現場を訪ねてくれることを期待している。
具志堅さんのハンスト決行趣意書を下に添付する。
(記者会見で説明する具志堅さん)
具志堅さんのハンスト決行趣意書についていくつか補足説明をしておきたい。ハンストの要求項目は、知事に対して、「戦没者遺骨の尊厳を守るため、防衛局の辺野古新基地建設の設計変更申請を不承認とすること」を求めたものだ。
昨日、県は防衛局に対して4次質問を出したので(回答期限は6月30日)、設計変更申請に対する知事の最終判断は7月中旬以後となる。それでも、知事が設計変更申請を不承認とすることは確実だろう。
ただ焦点は、不承認の理由の一つに、「人道的見地から遺骨混りの南部地区の土砂を埋立てに使うことは認められない」ということが明記されるかということだ。
今まで県は防衛局に対して、4次に渡る質問を出したが、南部地区の土砂問題については次のように質問している。
*「岩ズリの調達可能量のうち約7割が南部地区(糸満市・八重瀬町)となっており、搬出経路が那覇の港及び中城港が示されている。
その場合、搬出港付近に多数の搬出車両が集中することになり、生活環境への悪化が懸念される。搬出港付近において想定される車両台数及び、騒音、振動、粉塵等への影響について示していただきたい。
また、南部地区は、平和祈念公園や沖縄戦跡国定公園があり、観光客等も多数訪れており、それらの影響についても示していただきたい」
しかし防衛局は、県の質問に対して全く答えていない。
*「工事の実施に伴う環境への影響については、関係法令にもとづき事業実施区域及びその周辺を対象に建設機械の稼働等による影響を定量的に予測評価するものであり、運行経路については網羅的に予測評価するものではありません」 (2020.12.7 防衛省回答文書)
*「南部地区の採石場から調達される場合は、採石業者において粉じん対策や道路清掃、運搬時間帯の調整が適切に実施されるものと考えています」
「辺野古周辺の環境調査はするが、それ以外の土砂搬出地からのダンプトラック等の影響は調べない」、「それは採石業者が適切に行う。防衛局は関与しない」と言い切っているのだ。あまりにひどい内容だ。
このような防衛局の不誠実な回答は、当然、設計変更申請不承認の理由の一つとなる。しかし、今までの県の防衛局への質問の経過を見れば、不承認の理由に遺骨混りの土砂問題に触れるだろうかと心配している。南部地区の土砂問題は、環境問題だけではないのだ。
今回のハンストを通じて、知事に対して、不承認の理由の中に遺骨混りの土砂の問題を明記すよう要請していきたい。