昨日(31日・水)は、名護東海岸をまわり市長選のチラシ配布。
2月1日(木)、名護市長選が迫ってきたので今日から海上行動は休止し、海上行動のメンバーも選挙応援に動くこととなった。それでも作業の状況を監視するために、1隻だけ船を出す予定だったが、今日は風が強く、それも取止めとなった。
Kさんと本部港(塩川地区)の様子を見にいく。本部港から辺野古への石材海上搬送が始まっているが、従前から本部港では港湾使用許可の手続が全く杜撰なまま行われていることが、本部町島ぐるみ会議等の取組みで明らかになってきた。そのため、辺野古への海上搬送が遅れていたが、本部町はほとんど是正しないまま12月からの許可を出してしまった。
本部港は県の港湾だが、一部の事務処理は本部町に移譲されている。そのことから、県は、「本部港の使用許可は本部町の権限であって、県としてどうこう言えない」というような態度をとり続けているが、公共施設の適正な管理を怠っていることは明らかである。そのため本年1月12日、本部町民らが中心となって本部町と沖縄県に住民監査請求を起こした(監査請求書を末尾に添付)。
県への住民監査請求は正式に受理され、2月9日(金)に陳述会が開催されることとなった。陳述会では、我々請求人と県当局が公開の場で意見陳述を行う。どなたでも参加できるので、是非、傍聴においでください。
陳述会 2月9日(金) 県庁2F 監査委員室
午前9時~ 傍聴券配布(定員10名、オーバーした場合は抽選)
午前10時~ 請求人(住民)陳述(3名、一人30分)
午後1時~ 関係職員(当局)陳述(1時間)
本部港の様子を見に行ったところ、ちょうど沖縄県と本部町の関係者が現場視察しているところだった(下の写真。右から2人目が港湾課長)。おそらく9日の監査請求の陳述会に向けた現場確認に来たのであろう。
港湾施設の中で、民間企業がコンクリート製品の製作を続けている。県も、「適正ではない」と認めていたはずだが、昨年11月に我々がこの問題を指摘して以来、もう2ヶ月以上が経過しているのに、現場は全く是正されない。そして、辺野古への石材海上搬送のための港湾使用許可の手続にも多くの問題がある。このような実態を是正しないまま、辺野古への石材海上搬送を続けることは許されない。
(県と本部町の担当者らによる本部港の現場視察)
(民間企業が他の現場のためのコンクリート製品製作現場として港湾を使用している)
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本部港から辺野古に戻り、ゲート前集会に参加した。今日は、選挙応援に向かっている人たちが多いが、それでも小雨の中、集会が続いていた。
特に今日は、石垣の唄者・山里節子さんが来られ、石垣特有の民謡「とぅばらーま」を朗々と歌われていた。私も、工事の現状について報告。
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沖縄県監査委員様 2018年1月 日
沖縄県職員措置請求書
第1 請求の趣旨
沖縄県知事に対して、知事が下記の点について、本部港(塩川地区)の適正な管理を怠っていることは違法・不当であり、是正のために必要な措置を講じるべきであるとの勧告を求める。
1.現在、港湾内に無許可で設置されている数棟のコンテナハウス、トイレ施設、洗浄施設等の撤去を求めてこなかったこと。あるいは、本部町長に撤去させるよう指導してこなかったこと。
さらにこれらの施設が設置されて以降、沖縄県港湾管理条例(以下、「条例」)に基づく使用料(もしくは占用料)の徴収を求めてこなかったこと。あるいは、本部町長に徴収するよう指導してこなかったこと。
2.また現在、港湾内に設けられている安和港桟橋工事のコンクリート製品製造のための作業所の撤去を求めてこなかったこと。あるいは、撤去させるよう本部町長を指導してこなかったこと。
3.本部町長が出した荷さばき地・岸壁使用許可には、許可を出した場所、形状、面積算出根拠等が記載されていないなどの不備が多く、使用料の徴収額に不足が生じたり、使用料の根拠があいまいであるにもかかわらず、その是正を指導してこなかったこと。
4.本部町長は条例の定めに反して港湾施設の使用料を前納させていないにもかかわらず、本部町長を指導してこなかったこと。
5.港湾台帳(帳簿・図面)には多くの不備があったにもかかわらず、その訂正を怠ってきたこと。
第2 請求の原因
1.本部港(塩川地区)は、沖縄県管理の港湾であるが、地方自治法第252条の17の2第1項の規定により、条例第31条で定める一部の事務については本部町が処理している。これらの本部町が徴収した港湾施設使用料は、後ほど全額が県に納入される。
2.現在、本部港(塩川地区)には、北部港運(株)の事務所を含め数棟のコンテナハウス、トイレ施設、タイヤの洗浄装置などが設置されている(事実証明書① 現地写真1)。
これらの設備・施設は本部町長が許可した荷さばき地に設置されているものが多いが、本来、荷さばき地使用許可とは、貨物の積卸し・荷さばき等のための一時的な使用を対象としたものであり、これらの設備・施設は荷さばき地使用許可の対象とはならない。
また、これらの設備・施設には条例第7条1項の規定による知事の港湾施設用地使用許可の対象と考えられるものもあるが、知事への許可手続は全くされておらず、全くの違法物件である。
知事は速やかにこれらの設備・施設を撤去させ、設置以降の使用料(もしくは占用料)を徴収しなければならない。あるいは、本部町長にこれらを実施させるよう指導しなければならない。
3.本部港(塩川地区)のかなりの部分は、「塩川Pca製作作業所」として、安和港桟橋工事のためのプレキャストコンクリート製品(スラブ)の製造場所として使用され、立入禁止とされている(事実証明書① 現地写真2)。安和港桟橋は、名護市の琉球セメントの専用港だが、公共施設である県所管の港湾が、民間企業の工事のための作業所として広範囲に占有されているのである。
この作業所に対して、本部町長は本年10月20日以降、5800㎡の荷さばき地使用許可を出している(この作業場はそれ以前から使用されていたが、何の手続も行われていなかった)(事実証明書②)。しかし、このような民間企業の作業所は、荷さばき地の用途としては認められず、本部町長が荷さばき地使用許可を出したことは違法である。
また、この荷さばき地使用許可の面積は5800㎡とされているが、その算出根拠も明確ではなく、実際の使用面積も定かではない。
知事は、本部町長に対して、これらの作業場に対して出した荷さばき地使用許可を取り消し、速やかに撤去させるよう指導しなければならない。
4.本部町長は昨年11月30日、前述の「安和港桟橋工事の為」に5800㎡の荷さばき地使用(昨年12月分)を許可したが、それ以外にも、「那覇空港滑走路増設工事の為」として3440㎡と275㎡の2つの荷さばき地使用許可(昨年12月分)、「シュワブ傾斜堤護岸工事の為」として3440㎡の荷さばき地使用許可(昨年12月分)を出している。
しかし、「那覇空港滑走路増設工事の為」の3440㎡の荷さばき地使用許可(事実証明書③)については、沖縄県が12月末に補正した港湾台帳(事実証明書⑥6-2)では、この区画(F-4-12)の面積は3,773㎡とされており、申請書の面積は実際よりも過小である。したがって、使用料の徴収額に不足が生じる結果となっている。
また、「シュワブ傾斜堤護岸工事の為」の荷さばき地使用許可(事実証明書④)も、異なる場所であるにもかかわらず3440㎡と全く同じ面積であるが、簡単な略図しか添付されておらず、申請面積の算出根拠が不明である。したがって、使用料の徴収額が適正であるかどうかの判断もつかない。
また、現地には許可範囲を示す表示がなく、実際の使用が許可範囲にとどまっているのかどうかも不明な状態となっている。このような現状では、荷さばき地の使用料が適正であるかどうかも判断できない。
さらに本部町長が出してきた荷さばき地使用許可には、荷さばき地の名称番号の記載がなく、どの荷さばき地の使用が許可されたものも多い。
知事は、本部町長に対して、このような杜撰な荷さばき地使用許可をただちに是正し、使用料の不足分を徴収するとともに、今までの全ての荷さばき地の使用料が適正であるかどうかを見直すよう指導しなければならない。
5.さらに、本部町長は従来、条例の定めに反して岸壁使用許可申請書を提出させないまま、「口頭で許可」したとしてきたことを批判されたことから、本年11月20日に申請書を提出させ、12月分の岸壁使用許可を出した(事実証明書⑤等)。しかし、その申請書には係留場所が記載されておらず、どの岸壁の使用が許可されたのかも不明なままである。
知事は、本部町長にこうした杜撰な事務処理を是正するよう指導しなければならない。
6.また、本年12月21日、辺野古への石材搬出が行われた際には、業者が許可が出されていない荷さばき地(F-4-11)の一部(約2,200㎡)をバリケードで仕切り、立入禁止としていた。
荷さばき地として使用するのであればその許可を得て、所定の使用料を支払わなければならない。
知事は、本部町長にこのような業者の港湾施設無断使用を是正させ、使用料を徴収するよう指導しなければならない。
7.条例第8条は、「(港湾施設の)使用料は、前納しなければならない」と定めている。しかし、本部町長は、条例の定めに反して、港湾施設の使用料を前納させていない。
この点について、本部町長は、「事務の繁雑さや利用者の利便性等の面から後納の取扱いとしている」、「県条例第8条2項のただし書きを適用し、後納の取り扱いをしている」と説明している(公文書公開請求に対して添付された文書)。しかし、県条例第8条2項のただし書きを適用するためには、どのような場合に知事が特に認めるのかを具体的に例示しておく必要がある。
知事は本部町長に対して、条例の定めに従い、使用料を前納させるよう指導しなければならない。
8.本部町が使用者から徴収した岸壁使用、荷さばき地使用の使用料は、後ほど、全額が県に納入される。したがって、県は、本部町の岸壁使用許可、荷さばき地使用許可についても、その内容が適正であるかどうか、金額に誤りがないかどうかを確認しなければならない。
9.港湾法第49条の2は、「港湾管理者は、その管理する港湾について、港湾台帳を調整しなければならない」と定め、さらに同法施行規則第14条で、「港湾台帳は、帳簿及び図面をもって組成するものとする」、「帳簿及び図面の記載事項に変更があったときは、港湾管理者は、速やかにこれを訂正しなければならない」、「港湾管理者は、港湾台帳をその事務所に備えておき、その閲覧を求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒むことができない」としている。
しかし、県の北部土木事務所に置かれていた港湾台帳(事実証明書⑦)は、帳簿及び図面とも多くの不備があったにもかかわらず、知事は市民から指摘されるまで訂正を怠ってきた(事実証明書⑥6-1、6-2)。前述の港湾使用許可の様々な問題も、こうした港湾台帳の不備にも一因がある。
第3 怠る事実の違法性
知事は、前述のような港湾管理上の権限を行使する必要があったにも関わらず、何らその是正を行ってこなかった。これは港湾法、沖縄県港湾管理条例、同施行規則に違反し、地方財政法第8条における財産の適正な管理・運用義務に違反する。
第4 損害の発生
適正な使用料(もしくは占用料)が納入されないまま港湾施設が使用されており、損害の発生は明らかである。
第5 結論
以上の理由から、地方自治法242条の規定により、怠る事実の違法確認とその是正のために必要な措置を講じるよう求めるものである。なお、別紙事実証明書を添付する。