チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

<設計概要変更申請の問題点②>大浦湾、海面下77mまでの地盤改良工事は不可能 --- 防衛局は何故、虚偽説明にこだわるのか? 作業船がない!

2020年04月30日 | 沖縄日記・辺野古

 4月26日のブログで、防衛局が「海面下70m以深は『非常に硬い』粘土層であり地盤改良の必要はない」と言っているのは虚偽説明で、海面下70mから90mまでの地盤も軟弱であること。さらに、もし防衛局の言い分を認めるとしても、それは「海面下70m以深」ではなく、「海面下77m以深」であることを説明した。

 この付近は巨大なケーソン護岸を設置するのだが、そのためには大規模な地盤改良工事(サンドコンパクションパイル工法)が必要となる。ところが問題はその作業船の限界である。 

     (サンドコンパクションパイル工法の作業船)

 下の表は防衛局が明かにしたサンドコンパクションパイル工法の作業船一覧である。たとえ海面下70mまでの地盤改良としても、それに対応できる作業船は現在、1隻しかない。他に「改造により打込深度70m可能」という作業船が2隻あるだけだ。大浦湾の工事のためにわざわざ作業船2隻を改造するというのだ。(こんなに深いところの地盤改良など今後、あるとは思えないから、防衛局が改造のための費用の面倒も見るのかもしれない)

 防衛局の言い分を認めたとしても、海面下77mまでの地盤改良が必要となるのだが、海面下70mまでしか施工できない作業船では困難である。リーダー部分を延ばせば船の安定性が損なわれるため、改造はそう簡単ではない。この「7m」の差は決定的な意味を持っており、防衛局が「海面下70m」という虚偽の説明にこだわっているのはそのためであろう。(もちろん、海面下90mまでの地盤改良など到底不可能である)

 ケーソン護岸部の地盤改良工事には、70m以深までの地盤改良が必要なC1護岸部は同時に3船団、C2/C3護岸部は同時に2~3船団で工事をするとされている(末尾の表参照)。

 改造により海面下70m以深までの施工が可能になった作業船が2隻あるとしても、それらを含めて日本に3隻しかない作業船を、2年近くも大浦湾に張り付かせることが可能なのか?

 ケーソン護岸の施工は「クリティカルパス」(最長経路)となっているから、もし2隻しか調達できない場合、全工程は2年近くも延びることとなる。

 

 作業船の調達問題は、地盤改良工事だけではない。今回の変更計画では、他にも、トレミー船(敷砂や先行盛土に必要。しかし海面下40mまで対応できる船は日本に1隻しかない)や、リクレーマ船(土砂の陸揚げに使用。同時に5隻が必要だが、日本には7隻しかない)、フローティングベルトコンベア等、日本でも数少ない特殊な作業船が必要となる。このような特殊な作業船を長期間、辺野古に張り付けることが可能なのか。少しでも作業船が不足すると、工程は大幅に遅れてしまう。

 この点だけでも、「工期9年3ケ月」はあり得ないことが分かる。

 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 本部塩川港でのとんでもない... | トップ | 今、沖縄県がなすべきこと --... »
最新の画像もっと見る

沖縄日記・辺野古」カテゴリの最新記事