辺野古への土砂搬送が加速するとして、この間、大きな問題になっている本部塩川港のベルトコンベア設置問題に関してまたとんでもない事実が明かになった。業者の違法行為とそれを黙認してきた沖縄県の杜撰な港湾管理行政が問われる事態だ。新しいベルトコンベア設置のための港湾施設用地使用許可どころではない。
昨日(4月28日)、沖縄県に公文書公開請求していた「本部塩川港でここ5年以内に出されたベルトコンベア設置のための港湾施設用地使用許可申請書と許可書」が公開された。
この5年間でのベルトコンベア設置許可は、2018年7月1日から同年10月31日までの許可が1件あるだけだった(申請者:北部港運㈱)。その後、同社から今年の1月28日にベルトコンベア設置の申請が出されているが、これについては県民の抗議によりまだ許可されていない。
今回、開示された文書を見て驚いた。以前、本部塩川港では那覇空港第2滑走路増設事業のために、ベルトコンベアによる土砂積込みが続いていたが、港湾施設用地使用許可のないまま行われていものがあることが判明したのだ。たとえば、下の写真は2018年4月13日と同年5月24日の写真だ。これらのベルトコンベアは港湾施設使用許可の手続きがないまま設置されていたこととなる。所管の沖縄県北部土木事務所の職員は、当然、知っていたはずだが、何故、黙認していたのであろうか?
この間、私たちは本部塩川港では2018年頃からベルトコンベアが違法に放置されていることを指摘し、そのような違法行為を繰り返してきた業者に新しいベルトコンベアの設置許可を出さないように求めてきた。しかし今回、明らかになった事実は、業者の違法行為、県の港湾管理の杜撰さはさらに深刻だったことを示している。今までの違法行為についてペナルティを課さない限り、新しいベルトコンベアの設置許可など論外である。
(2018年4月13日撮影(Aさん提供))
(2018年5月24日・沖縄ドローンプロジェクト)
同じ業者から本年1月28日に提出されたベルトコンベア設置のための港湾施設用地使用許可申請書も公開された。下図のように、バース1、バース2部分を86m×51mもフェンスで囲い込み、2基のベルトコンベアを設置するとされている。当面は2基の申請だが、いずれ4基に増設されることは目に見えている。そうなると上の写真のような状態になってしまう。
辺野古への土砂海上搬送が急加速することとなり、絶対に認めるわけにはいかない。