チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

今日(1月11日・水)は、辺野古設計変更申請での県質問・防衛局回答文書の黒塗り・不開示の審査請求で口頭意見陳述

2023年01月11日 | 沖縄日記・辺野古

 知事が辺野古新基地建設事業の設計変更申請を不承認としたことによって、防衛局は大浦湾の工事に着手できない状態となっている。この点については知事の英断を評価したい。オール沖縄会議が提起している「辺野古新基地建設断念を求める国会請願署名」運動もなんとしても成功させたい。

 ただ、設計変更申請不承認に関して、残念な問題があるので指摘しておきたい。

 県は、設計変更申請の審査にあたって防衛局に4次にわたって452問の質問をした。防衛局の回答が不十分だったため、知事は最終的に不承認としたのである。

 私は昨年、この県の防衛局への質問文書とそれに対する防衛局の回答文書を公文書公開請求した。県民が、知事の不承認処分の内容を理解し、支援するためにもこれらの文書は必要不可欠なものである。

 ところが県は、防衛局の回答文書は全面不開示、県の質問文書についても、防衛局の回答を引用した部分については黒塗りとしたため、全く意味不明なものになってしまった(末尾の書面参照)。とても納得できないので、県情報公開条例に基づき審査請求をした。

 不開示決定等の審査請求では、反論書等の書面を提出することはあっても、情報公開審査会の答申を待つだけのことが多い。しかし、情報公開条例のもととなっている行政不服審査法第31条では、「審査請求人からの申立てがあった場合は口頭で意見を述べる機会を与えなければならない」とされている。また、同法第32条では、「口頭意見陳述に際し、申立人は処分庁に対して質問することができる」ともされている。条例には記載がないためほとんど実施されていないようだが、処分庁に公式に質問することができる貴重な機会だ。そこで昨年11月、口頭意見陳述を申し入れた。私は以前、千葉の弁護士さんらが高江の問題で沖縄県警に行った審査請求の口頭意見陳述に補佐人として出席し、知事の辺野古関連の審査請求でも口頭意見陳述を行ったことがあるので、今回は3例目だ。

 今日(1月11日・水)、口頭意見陳述の場が設定されたので、Mさん(補佐人)と2人で出席した。

 そこで次のように意見を述べ、処分庁(海岸防災課の担当者)に質問した。

①2014年の辺野古・設計変更申請の際にも、県は防衛局に質問を繰り返したが、その質問文書・防衛局の回答文書はほとんど開示されていること。

②県はホームページに、辺野古関連の国との裁判で県が提出した準備書面等を掲載しているが、国の意見を引用した部分についてもそのまま掲載している。今回の黒塗り処分とは整合性がとれない。

③県の主張は、「国が不開示を求めた」というものだが、国は設計変更申請に関する技術検討会や環境監視等委員会の膨大な資料を全て公開している。県は、「他の詳細な資料を公開しているのであるから、県の質問に対する回答文書の不開示を求めることはおかしい」として、国の主張を退け、開示すべきであった。

④今回の黒塗り・不開示処分は、知事が辺野古新基地建設事業反対を県政の柱とし、設計変更申請不承認についても広く県民の支援を求めていることと矛盾する。

 

 今日の口頭意見陳述の場ではこのように述べたのだが、陳述の場の設定の仕方についても問題となった。

 今日の陳述は、審査庁が主催し、請求人と処分庁が出席した。県条例第20条で、審理員について定めた「行政不服審査法第9条1項本文の規定は適用しない」とされ、口頭意見陳述について定めた行政不服審査法第31条の「審理員」は「審査庁」と読み替えるという(法律の規定を、条例で適用しないとすることができるのかという点については疑問だが)

 しかし、「審査請求に係る処分の決定に関与した者」は審理員になることができないため(法9条)、前述の従来の県の2件の口頭陳述でも、処分庁と同じ課の職員であっても、一応は関連業務とは全く関係のない職員が審査庁として口頭陳述の進行・司会にあたっていた。審査の公正を守るためにも当然のことであろう。

 ところが、今日の口頭陳述では、まさに審査請求に係る処分の決定に(しかも、実質的に責任者として)関与した海岸防災課の副参事が審査庁として進行・司会にあたったのである。処分庁として出席・答弁したのは、同副参事の部下の係員にすぎない。

 辺野古の埋立承認撤回や設計変更申請不承認では、国の行政不服審査法の濫用が問題となってきた。県も、沖縄防衛局長が審査請求し、それを国土交通大臣が審査して、知事の処分を取消したことを批判してきたのではなかったのか?

 

 また、会場で配布された「口頭意見陳述の注意事項」という文書には、「口頭意見陳述の内容について、SNS等への掲出を含めてみだりに公にしないでください」とされていた。裁判等でも、当事者が弁論の内容等を対外的に発表するのは当然のことだ。それを禁ずるというのはいったいどういうことなのか? そもそも住民監査請求の口頭意見陳述等は公開で行われているし、行政不服審査法の口頭意見陳述についても「非公開」の規定はない。

 また、「録音は禁止」としながら、処分庁の担当者が机上にICレコーダーを持ちだして録音を始めても、進行にあたっている審査庁の担当者はいっさい注意もしなかった。要するに、処分庁と審査庁は全く一体のものになってしまっているのだ。

 ともかく、県の情報公開制度への認識の遅れに唖然とした1日だった。

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    (2021.2.22 の県の質問文書。防衛局の回答部分を黒塗りとしたため、全く内容は分からない)

 

 

 

 

 

 

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