10月27日(木)、早朝から高江へ。先日、傷害容疑で逮捕されたSさんに対して、那覇地検は昨日、逮捕容疑にはなかった公務執行妨害と刑特法違反の罪を追加して起訴した。今まで、北部訓練場は施設区域の境界を示す明確なラインがないことなどから、刑特法の適用は困難と言われていた(琉球新報 2016.10.8、沖縄タイムス 2016.10.10等)。しかし、年内の工事完了に焦る政府は、県民の抗議を押しつぶすためについに刑特法の適用に踏み切ったのだ。
しかし今日も30人ほどが敢然と山に入り、H地区のヘリパッド造成工事現場に向かった。刑特法の脅しは、彼ら、彼女らには通用しない。
H地区のヘリパッド工事現場には、すでに張芝が持ち込まれていたという。ヘリパッド造成工事では、着陸帯、無障害物帯、そして進入道路の法面などに大量の張芝が使用される。
昨年9月、沖縄県の環境影響評価審査会の委員さんたちが、米軍に移管されたN4地区のヘリパッドに立入調査を行った。そこで委員さんたちが驚いたのは、我が国の生態系等に被害を及ぼす恐れのある外来種リストの緊急対策外来種に選定されているアメリカハマグルマが確認されたことだ。他にも、沖縄県では自生していないスギナや、在来種ではないクズなども見つかった。こうしたやんばるの貴重な生態系に重大な影響を与える外来種は張芝に伴って侵入したと推測されている。また植物類だけではなく、ダニ、ヤスデ、ダニムシ、ミミズなども張芝に紛れ込んで入ってくる。
知事は、審査会の答申を受けて、昨年12月11日、沖縄防衛局長に出した「環境保全措置要求」の中に、「張芝は沖縄県で生産したものを使用するなど外来種の侵入防止策に努めること」と指示したのである。
しかし、沖縄防衛局はこの知事の指示を無視し、現在着工しているN1地区、G地区、H地区のヘリパッド造成工事で、やはり「県外産の張芝を使用する」と開き直っているのだ。