チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

政府と沖縄県、辺野古の作業を一時中止し集中的な協議に入ると合意。しかし知事の承認取消しもその間はなし

2015年08月04日 | 沖縄日記・辺野古

 8月4日(火)、辺野古新基地建設事業に関して政府と沖縄県が驚くような合意をした。

 この日の朝、私はMさんと県庁で会い、辺野古の問題で関係課を訪問する予定をしていた。県庁のロビーでMさんを待っている時、知り合いの記者から、菅官房長官が記者会見で辺野古の作業を1ケ月間停止し、県と集中的な協議を始めると発表したという連絡が入った。翁長知事も10時45分から記者会見をするという。慌てて、知事の会見場に向った。

  (記者会見で政府との合意内容を発表する翁長知事)

 知事は冒頭に次のような発表文を読み上げた。(翁長知事の記者会見全文)

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 普天間飛行場移設問題について、政府との間で以下の内容で合意いたしましたので発表いたします。

 一点目に、政府と沖縄県は、本年8月10日から9月9日までの間を集中協議期間として、断続的に普天間飛行場移設問題について協議することとする。

 当該期間中、政府は、辺野古移設作業を全面的に停止することとし、具体的には、ボーリング作業の停止、スパット台船の撤去、資材等運搬車両の運行停止を行うとともに、7月24日に沖縄防衛局から提出された辺野古埋め立てにかかる事前協議書にかかる対応を期間中停止することとする。

 また、沖縄県は、当該期間中、第三者委員会の検証結果報告書を受けての対応を中止するとともに、辺野古埋め立て作業に関する新たな法的・行政的手続き等を一切行わないこととする。

 二点目に、当該期間中に、県による岩礁破砕立ち入り調査を実施することとする。

 私からの発表は以上です。

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 菅官房長官の記者会見内容も読んだが、これまでの政府の強行姿勢からは考えられないような内容で驚いた。それでも菅官房長官は、今回の協議が政府からの提案であることを認め、短い記者会見の間に4度も「第3者委員会の報告書が提出され、埋立承認の取消し等が検討されております」と繰り返した。政府は、なんとしても、知事の埋立承認取消しを避けたかったのだろう。

 ともかく現場の作業がしばらく止まることは評価する。しかし、この問題は辺野古の埋立を認めるのかどうかが問題であって、「足して2で割る」ような妥協案はない。その意味で、1ケ月の協議期間終了後にどうなるのかが不安だ。協議決裂後、知事が埋立承認取消しのタイミングを失ない、政府が工事を強行するという無残な結果にならないように願いたい。

 安保法制をなんとか強行したい政府が、これ以上の内閣支持率低下を避けるために辺野古問題の一時休止を狙ったと思われる。さらに、それだけではないことを「世に倦む日々」さんのツイッターで教えていただいた。今年3月、アメリカの新米国安全保障センター・クローニン上級顧問が「日本政府は、作業の一時中断を検討すべき」と指摘していたという。当時、テレビ朝日が次のような報道をしている。

 政府の突然の方針転換の裏には、アメリカ政府関係者からの指示があったというのはおおいに考えられる話だ。

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辺野古移設「作業の一時中断を検討すべき」米専門家 (テレ朝ニュース 2015.3.26) 

 アメリカ軍普天間基地の辺野古への移設作業を巡る政府と沖縄県の対立について、アメリカの専門家は、日本政府は沖縄県側の声を聞くために作業の一時中断を検討すべきだと指摘しました。

 新米国安全保障センター、クローニン上級顧問:「我々は日本政府が沖縄県の問題に対処するために作業を一時中断し、後退することも覚悟しなければならない」
 クローニン氏は、政府のボーリング調査が続いていることについて、「アメリカの政府当局者のなかには、政府の強硬な姿勢が沖縄県民のさらなる反発を招くのではないかという懸念がある」と述べました。そして、環境への影響も含めて沖縄県側と話し合うことが必要だと指摘しました。その一方で、辺野古への移設案は日米が合意した現実的な計画で、「他の選択肢はない」としました。 

           (テレ朝ニュース 2015.3.26)

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