昨日のブログで、12月21日、正当な理由なく北部訓練場に侵入したという容疑で6名が不当逮捕されたことをお知らせした。裁判所が10日間の拘留延長を認めたため、彼らは1月1日まで拘留されるはずだった。そのため、沖縄署・名護署前には連日、大勢の仲間たちが集まり、彼らへの激励と拘留への抗議行動が続いていた。
ところが今日(30日)の朝早く、突然、彼らが釈放されるという連絡が入った。大急ぎで那覇署に駆けつける。那覇署に拘留されていた3人が順次、出てきた。皆、元気そのもので心配もなさそうだ。沖縄署からも3人が釈放されたようだ。ともかくお正月をゆっくりと迎えることができて本当に良かった。
今回の拘留の経過には不可解な点が多い。
この間の経過について弁護士さんが記者会見した内容が今日の琉球新報・沖縄タイムスで報道されたので簡単に説明したい。
今回、検察は6名を逮捕した後、裁判所に拘留請求を行ったが、裁判所は「拘留の必要がない」として検察の請求を却下した。しかし、検察が準抗告を行ったところ裁判所は却下を取消し、10日間の拘留を認めてしまった。そのため6名は1月1日まで拘留されるはずだった。
弁護団は27日、裁判所に対して拘留理由の開示請求を行った。憲法第34条では「何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与えられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない」とされ、刑事訴訟法第83条でも「勾留の理由の開示は、公開の法廷でこれをしなければならない」とされており、やむを得ない場合を除いて5日以内に開示しなければならないという(刑訴法規則第84条)。そのため私たちも、年末には拘留理由開示の法廷が開かれると考えてその準備をしていたところだ。
しかし裁判所からは翌28日、拘留期限後(請求から10日後)の来年1月6日に開示予定という連絡があった。その理由も説明されなかったという。拘留期限が1月1日なのに何故、6日なのか? 弁護士さんは、「拘留期限後に理由開示の法廷を設定したのは、今後、検察から拘留延長請求があり、裁判所がそれを認めることを事前に織り込むものだとして『恐ろしい判断だ』と批判」されている(沖縄タイムス)。
このため、弁護団は28日、那覇地裁に「違法行為是正申入書」を提出した。
こうした経過の後の突然の釈放決定である。裁判所もさすがに無理だったと認めざるを得なくなったのではないか?
年末の慌ただしい時期に、大勢の弁護士さんらが6名全員への連日の接見や裁判所との対応に奮闘していただいたことを感謝したい。
2019.12.30 琉球新報