11月7日(月)、早朝、那覇を出発し高江へ。午前7時からのN1裏テントでのミーティングに参加した。
今日のサンケイ新聞は、日米両政府が12月20日に北部訓練場の過半の返還式典を開催することで合意したと報道した。まさか12月20日までに全ての工事が終了するはずはないと驚いたが、よく読むと「返還式典」ではなくて、「返還することで合意する式典」とのこと。工事が完成せず、返還に至らなくても、ケネディ駐日大使の任期中になんとか式典を開催するというのだ。
ここで、「12月20日までに工事が終了するはずはない」と書いたが、今、防衛局は2つの大きな問題を抱えている。まず、H地区のヘリパッド。大きな谷の部分の「補強土擁壁工」の施工が遅れている。さらに、最近は好天が続いているが、もしいったん大雨でも降れば赤土が軟弱化して収拾がつかなくなり、盛土工事は困難となる。
さらに、G地区から宇嘉川河口までの米軍歩行訓練ルート造成問題。この歩行訓練ルートは、全長2,570mに及ぶが、そのうち1,750m部分だけが沖縄森林管理署との事前協議を終えたにすぎない。残りの820mはまだ協議にも入っていない。この部分は、特に宇嘉川に降りる最後の部分がきわめて急峻で造成工事は難航することが予想される。
(宇嘉川の河口。歩行訓練ルートは、上の写真で正面の尾根筋を通る)
(防衛局が沖縄森林管理署に提出した事前協議書より作成(着色は筆者)。赤い部分が今回、沖縄森林管理署と事前協議を終えた範囲。緑の部分はまだ協議に入っていない。)
今日は、午前午後あわせて20人ほどの監視・抗議メンバーがこの歩行訓練ルートに入った。まだG地区ヘリパッドから700mの辺りを伐採している状況だったという。
いずれにしろ年内竣工はきわめて難しく、焦った防衛局は、再度、ヘリコプターによる輸送を計画している。防衛局は本年7月、県に提出した環境影響評価検討図書で初めてヘリコプターによる輸送を打ち出したが、そこでは「ヘリコプターによる輸送は、4日間程度、1日当たりの運航回数も5回程度であるから、周辺環境に及ぼす影響の程度は小さい」とされていた。実際のヘリ輸送では運航回数も大幅に増え、検討図書の内容を無視した運航を行ったが、今回、再度、ヘリ輸送を行うと報道されている。3ヶ所同時の着工、モノレールを工事用道路に変更など、防衛局は自ら作成していた環境保護策を、ただ工期短縮のためにほとんど放棄しているのだ。
ともかく、なんとしても年内工事完了は阻止しなければならない。11月が山場、県内から、そして全国各地から高江に集まってほしい。