チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

防衛局、初めてシュワブ浜の道路工事の図面を提出---赤嶺議員と防衛局担当者を追求

2015年12月27日 | 沖縄日記・辺野古

 赤嶺政賢衆議院議員にお願いして、防衛局に11月末からシュワブ浜で進められている道路工事についての質問を出していた。12月25日(金)午後、防衛局の担当者が赤嶺議員の事務所に来て回答をするというので私も同席させてもらった。

(シュワブ基地沿岸部で始まった道路工事。4点にわたる違法工事だ。(12月3日筆者撮影))

 防衛局から説明に来たのは福島調達部次長以下4名。赤嶺事務所から送った質問事項は下記の5点だった。

 

 <防衛局への質問事項>大浦湾シュワブ沿岸部で始まった道路工事について 

1.防衛局は、11月末からシュワブ沿岸部(ヤニバマ、クバマ)に栗石を入れた網袋を並べ道路造成工事を始めたが、この工事内容、目的を説明されたい。 

2.防衛局は今回の道路造成工事について、「(中仕切岸壁新設工事の設計書に記載された)『付替道路』が予定されている箇所の付近」と認めたものの(201512.12 琉球新報)、「『付替道路』ではない」とする回答を沖縄県に送ったと報道されている(2015.12.13 沖縄タイムス)。昨年、設計概要変更申請が承認された「工事用仮設道路①、②」と「付替道路」、そして今回の工事箇所の関係が分かる平面図を提供されたい。 

3.また防衛局は、「パネルなどを一時的に敷設している」と県に回答したとも報じられている(201512.15 琉球新報)。しかし、現場では、パネルを設置する前に栗石を網袋に入れたものをいくつも浜に並べていることが確認されている。今回の道路造成工事の構造図(標準横断図)を提供されたい。 

4.この数日、この道路造成工事は中断した状態が続いている。防衛局は「当分の間、新たな道路建設を行う予定はない」と県に回答したと報じられているが(同)、この道路造成工事の今後の予定を明らかにされたい。 

5.今回始められた道路工事箇所付近では、名護市による文化財確認の試掘調査が予定されている。名護市との協議も始まっていない段階で工事着手したことは不適切ではないか? 

 

  福島防衛局調達部次長の回答は次のようなものだった。

1.「沿岸部で始めている作業は、各種作業の安全性及び効率性を確保するため、パネル等を一時的に敷設しているものです。『付替道路』でもありません。一時的なものでいずれ撤去します。」

2.「パネル等を一時的に敷設している箇所の平面図、標準断面図を提出します。」

3.「今後の作業予定は、これを明らかにすると作業を安全に実施できず、事業の適正な進行に支障を生じる恐れがあるのでお答えは差し控えます。」

4.「名護市が文化財の試掘調査に入られる場合は、パネル等は撤去します。」

 

 このシュワブ沿岸部での道路工事については、私たちの情報提供により、沖縄県も防衛局に対して図面・資料等の提出を求め、「道路工事であれば公有水面埋立法に基づく設計概要変更申請が必要」、「内容が確認されるまで、工事を停止すること」と指示している。しかし防衛局は、「パネル等を一時的に敷設しているもの」というA4一枚の簡単な回答を県に送っただけで、図面等の資料はまだ提出していない。 

 この日、赤嶺議員に対して示された平面図、標準断面図は、この道路工事について防衛局が提出した初めての図面である。その点は評価できるのだが、問題はその内容である。

  (防衛局が出した工事箇所の平面図。この図面では根固め用袋材を設置したのは岩礁の前後のごく一部だけとなっている。(「引出線の説明文、着色」は筆者))

               (防衛局が出した工事箇所の断面図)

 防衛局は、今回の工事は「パネル等を一時的に設置」しただけと説明していたが、今回の図面で初めて栗石を入れた根固め用袋材の設置を認めた。しかし防衛局の図面では、根固め用袋材を設置したのは、岩礁部分の前後ごく一部だけとなっているが、これは全く事実と異なる。冒頭、末尾の写真等でも明らかなように、根固め用袋材は、岩礁部分だけではなく工事箇所全域に設置されている。

 福島次長が事実に反するデタラメな説明をするので、工事箇所の写真を見せて追求した。彼は、あわてて、「この写真は初めて見たもので、どこから撮られたものかも分からず、場所が特定できない。」、「一時的に袋材を仮置きしたかもしれないが、最終的にはこの図面の通りです。」としどろもどな弁明を続けた。 

(「付替道路」の平面図。防衛局は「今回の工事は付替道路ではない」と主張するが、平面図で見る限りほぼ同一箇所である。)

 そして福島次長は、今回の工事は、中仕切岸壁工事の設計書にある「付替道路」ではないと強調した。この「付替道路」は、K-9護岸の施工のための工事用進入路として造成されるものだが、今回、工事が行われた箇所はこの「付替道路」の場所とほぼ同一である。また、根固め用袋材を並べるというその造成方法も同じである。

 結局、今回の工事は「付替道路」造成工事として始めたが、公有水面埋立法に基づく設計概要変更申請未提出、実施設計の事前協議を行っていないという埋立承認の際の留意事項違反、赤土等流出防止条例違反等を指摘されて大きな問題となり、県や名護市からも質問されだしたので、「付替道路」ではないと開き直る他なくなったのであろう。

 (今回の工事は、防衛局の説明とは異なり、岩礁部分だけではなく、クバマの方にも根固め用袋材が設置されていることが分かる。)

 

 防衛局の説明は、不十分な内容が多かったため、再度、赤嶺議員から再質問するということで、この日の協議は終わった。ともかく、県にもまだ提出されていない図面等を提出させた赤嶺議員のご努力に感謝したい。

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