この11月以来、海保の過剰規制・暴力行為により、船を破損させられる事例や、カヌー隊メンバーや船長らにケガ人が相次いでいる。ヘリ基地反対協として海上保安庁への抗議の申し入れをしようと折衝を続けてきたが、12月28日(月)、中城海上保安部との話し合いがやっと実現した。
私は、この5月と12月、東京の市民団体に呼ばれ、海上保安庁本省職員らへの申し入れに参加してきた。また、船長としてこの間の海保の過剰規制を多く目撃してきたことなどから、ヘリ基地反対協に呼ばれ、中城海上保安部との話し合いに同席させてもらった。
(泡瀬の中城海上保安部)
中城海上保安部からは、本田雄一次長ら4名が対応。反対協側は安次富浩共同代表、仲村善幸事務局長ら、私を含め4名が出席した。
我々からは最近のケガ人が多発している状況や船が破損させられた事例を説明し、海保の過剰規制に抗議した。海保は、「フロート内に入ると刑特法違反だ」「海上の安全確保と違法状態の解消のために必要な措置」「規制の根拠は海上保安庁法第18条」などと、規制は正当だと主張し続けた。
しかし、フロートの外でも規制する場合があることや、「安全確保と言いながら、規制によりケガ人を大勢出している。海保が来なければ誰もケガなどしない。海保が危険な状況を作っているのだ」、「たとえどういう理由があるにせよ、船を壊したり、ケガ人を出すような規制は許されない」などと追求していくと、海保もそれには反論できず、最終的には次の確認をした。
「これまでも現場に、ケガ人を絶対に出さないようにと言ってきました。今後も今日のお話しを聞かせてもらって、絶対にこういうケガ人を出したり、船を壊すことのないように、現場に言っていきます。」、「ほとんど止まっている抗議船にこちらからぶつかっていくようなことは絶対にないよう現場に指示します。」
話しの途中、反対協はこの間、海保の暴力により負傷した6人の診断書のコピーを本田次長らに渡した。しかし、話し合いの最後に海保は、それを返却した。多くのケガ人が発生している事実を海保が確認したことになることを恐れたのだろうか。
また、私は最後に海保がいつも言う「海洋の法令遵守」について指摘した。「まもなく海上ボーリング調査は終わる。翁長知事は海上ボーリング調査が終われば大浦湾に張り巡らされているフロート類の撤去を指示している。その時点でフロートは違法な状態となるので、海保は防衛局を指導しなければならない。また、巨大なコンクリートブロックの投下も県漁業調整規則違反だ。『法令遵守』というのなら、県民の総意を受けて抗議行動を続けているカヌー隊や抗議船ばかり規制するのではなく、防衛局が違法行為を行なった場合も毅然と指導するのは当然だろう。」
話し合いは1時間にわたった。当初は、海保の傲慢な対応に皆が激高して席を立つような事態になるのではないかと心配したが、一応は穏やかな話し合いができてなんとか今後に繋がったようだ。
海保との話し合い後、辺野古に向った。小雨まじりの天候だったが、今日も10数艇のカヌーと船団が海上ボーリング調査への抗議行動を続け、全員が海保に拘束されたという。今日で今年のゲート前行動や海上行動はお休み、1月4日から再開される。辺野古新基地反対闘争は3年目に入る。
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5月、12月の海上保安庁本省との話し合いについては、下記のブログを参照されたい。
・「過剰規制・暴力行為に対して海上保安庁交渉---調査と現場への『適切な指導』を約束」(本ブログ 2015.5.14)
・「海上保安庁本省職員らとの話し合い後、院内集会。夜は海保本省前で抗議行動(本ブログ 2015.12.9)