辺野古・設計変更申請の告示・縦覧がコロナ禍のために遅れている。8月29日に沖縄県の緊急事態宣言が解除されたとしても、沖縄は旧盆に入るので告示・縦覧は早くて9月4日(金)となるだろう。
この間、予想される設計変更申請の問題点について検討を続けている。多くの問題があるが、ここでは1点だけ指摘しておきたい。8月21日の防衛省交渉でも追及したのだが、A護岸造成をめぐる疑問である。
A護岸は下の図のように大浦湾の最奥部に、直径1.4m・長さ33mもある巨大な鋼管杭を前後2列にびっしりと打込んで造成される(延長は597m、総本数約800本)。
埋立承認申請では、このA護岸の造成期間は9ケ月とされていた。ところが、変更計画では工期が3年10ケ月、なんと5倍にもなっているのだ(第3回技術検討会資料)。普通には考えられない大幅な工期延長である。
このA護岸の造成工事は、2014年度に「シュワブ(H26)二重締切護岸造成工事」として発注され、契約を終えている(契約額 79.6億円。今年3月にほとんど未施工のまま打切りとなった)。その際の鋼管杭の打設方法は、バイブロハンマー+油圧ハンマーによる打撃工法だった。ところが、今回の変更計画では、打設工法はウォータージェット併用バイブロハンマー工法に変更されている。この工法は、最も濁りが発生する工法だが、打設工期が打撃工法の半分ほどだとして採用された。環境への影響を無視し、工期短縮を第1にしたものだ。それにもかかわらず、全体工期が5倍にも延びてしまったのは何故だろうか?
設計があまりに杜撰であると言わざるを得ない。
(赤印がA護岸の位置)