チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

サンゴの特別採捕許可の撤回を求めて県との交渉---許可そのものが「現行法令」に抵触している! サンゴ移植の専門家も交渉に参加

2018年02月20日 | 沖縄日記・辺野古

 2月16日(金)、沖縄県知事は防衛局から出されていたサンゴ特別採捕許可申請を認めてしまった。このサンゴ特別採捕許可は、今まで、新基地建設事業を阻止するための知事権限の大きな柱の一つとして位置づけられていたが、県は工事を止める手段の一つを自ら放棄してしまったのである。県民の間には、大きな疑問の声がわき上がっている。

 20日(火)、ヘリ基地反対協は、このサンゴ特別採捕許可の撤回を県に申入れた。この交渉には、東京経済大学の大久保准授も参加され、サンゴ移植問題の専門家の立場から抗議の申入書を提出された。

   (県水産課との交渉。左から3人目が大久保準教授)

 従来、このサンゴ特別採捕許可は、埋立承認の「撤回」を別にすれば、岩礁破砕許可、設計概要変更申請許可とともに、辺野古新基地建設事業を阻止するための知事権限の3本柱として位置づけられていた。そして以前は、知事はサンゴ移植の特別採捕許可を許可しないという報道が続いていたのである(たとえば、「辺野古サンゴ移植認めず 知事、新基地阻止へ検討」(2016.8.24 沖縄タイムス))。

 ところが、知事は今回、「関係法令にのっとり、厳正かつ公正に審査した結果、許可することが相当と判断した」というのである(2018.2.19 知事コメント)。昨秋、知事が辺野古への石材海上搬送のための奥港の使用許可を出したときも、「関係法令上、許可せざるを得ない」と弁明したときと同じ理屈である。

 「あらゆる手段を用いて辺野古新基地を阻止する」という公約はどうなったのか? 事業はこうした個々の許認可等によって進んでいく。それを、狭い「法令上」の解釈だけで判断していけば、知事権限の全てを認めざるを得なくなってしまうことは明らかである。このような事例が続けば、「辺野古に新基地をつくらせないとの思いに、微塵も揺らぎはございません」(同、知事コメント)という言葉は、説得力を持たない。

 さらにこの日の県との交渉で大きな問題が明らかになった。

 行政手続法に基づき、個々の許認可については「審査基準」が定められている。県が作成したサンゴの特別採捕許可の「審査基準」は、「申請者は試験研究、教育実習及び増殖用種苗の供給を目的としていること」とされているのだ。そもそも県漁業調整規則でも、特別採捕許可は「試験研究」の場合に限られている(第41条)。

 今回の防衛局の新基地建設のための埋立にともなうサンゴの移植は「試験研究」ではない。漁業調整規則第41条にも抵触するし、「審査基準」にも該当しない。「現行法令上、許可はやむを得ない」という弁明とは逆に、この許可そのものが現行法令に抵触しているのだ。

 知事は、ただちに今回のサンゴ特別採捕許可を撤回しなければならない。

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